<連載「措置入院のはざまで」③>全6回
くしくも結婚記念日だった入院63日目、夫(68)の措置がようやく解除され任意入院に。そして入院から80日目に退院した。妻(73)は入院中に疾患が見つかり、手術が終わった1カ月後に退院した。
◆退院後、夫婦は病院と警察に理由の開示を求めた
「自分たちはなぜ措置入院になったのか」。退院後、夫婦は病院や警察に対して文書の開示請求を始めた。入院判定時の可視化や第三者による検証制度の創設を訴えていくためだった。
病院から開示された精神保健福祉士との最初の面談記録には「礼節の整った紳士的な印象の男性」とある。自傷他害の恐れがある場合などを理由とする措置入院の要件からは少し遠いように思える。
妻には傷ついた経験もあった。病院内で「あの人、措置なんだって」との会話も漏れ聞いた。「措置=やばい人。周囲からそう思われているようで悔しくて泣きたくなった」と妻。
◆本人たちの思いとは違った、医療の見立て
長引く入院で体力が落ちてはいけないと、夫は病院でウオーキングを始めた。ただ、開示されたカルテには「おちつかない」。医療の見立てと本人の思いは合致していなかった。
退院時に手渡された療養計画書には「ストレスをためず、睡眠をしっかりと...
残り 530/1059 文字
この記事は会員限定です。
- 有料会員に登録すると
- 会員向け記事が読み放題
- 記事にコメントが書ける
- 紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)
※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。
カテゴリーをフォローする
みんなのコメント0件
おすすめ情報
コメントを書く
有料デジタル会員に登録してコメントを書く。(既に会員の方)ログインする。