<連載「措置入院のはざまで」②>全6回
2人が感じる「隣家からの嫌がらせ」は止まらなかった。半年後の2019年12月には、「最初は低周波と高周波の嫌がらせだったが、電磁波らしきものに変わった」と2人。「被害」はエスカレートし、アルミ板などで電磁波の防御を始めた。「電磁波をやめてください!」と隣家に叫ぶことも。会いに行っても、取り合ってもらえなかった。
◆ドラマでしか見たことがない手錠をかけられ
2020年夏には、近所に「被害」状況をまとめ、大声で叫んだ迷惑をわびる手紙も配った。そして2人は、「信じてもらえないかもしれないが、本当に身体も傷つけられたんです」と、電磁波によるものという傷痕の写真を記者に見せた。
2021年1月のある朝のことだった。警察官が大人数で自宅に。ドアを開けると、捜索差し押さえ許可状を突きつけられ、夫婦そろって迷惑防止条例違反容疑で逮捕された。ドラマでしか見たことがなかった手錠をかけられ、それぞれの留置場に連れて行かれた。「どれだけ被害を訴えても聞いてもらえず、逮捕までされて非常にショックだった」
その後、検察の取り調べで病院に送られ、夫婦は2人とも「妄想性障害」と診断。措置入院に至った。
◆「しっかり記録を残さねば」と日記を付け
夫(68...
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