【保存版】ATRで差がつく!成長株投資家のためのリスク管理ガイド
■ はじめに
こんな経験、あなたにもありませんか?
「昨日10%上昇した銘柄が、今日は10%下落。含み益が吹き飛んで、「昨日利確しておけば…」と後悔」
「保有銘柄が決算ミスで急落。含み損が大きすぎて、売るに売れない状態に…」
株式投資って、感情との戦いでもありますよね。
でも、だからこそ「リスクを“数値で把握する”こと」が大事なんです。
特に、ボラティリティの高い銘柄を取り扱う成長株投資において「どの銘柄を買うか」だけでなく、「どうリスクをコントロールするか」も勝敗を分ける重要な要素です。
CANSLIM投資家はファンダメンタルとテクニカルの両面から銘柄を精査しますが、ボラティリティリスクの可視化が意外と見落とされがちです。
そこで今回ご紹介するのは、IBD(Investors Business Daily)のシニアマーケットストラテジスト、マイク・ウェブスター氏がポッドキャストで解説した、「ATR(Average True Range)」を活用したリスク管理の極意。
👇👇元動画はこちら👇👇
余談ですが、マイク氏は幼少期沖縄に住んでいて、今でもクセで「お辞儀」をしてしまうそうです。一気に親近感湧きますね!
さて、そんなマイク先生のPodcastを2周してきましたので、以下CANSLIM投資家の目線でATRについてまとめていきます。
■ ATRとは?CANSLIM投資家の視点
ATR(Average True Range)は、「ある銘柄が一日にどれだけ動くか」の平均値を表すテクニカル指標です。ポイントは以下の4点
✅CANSLIM投資では、「21day-ATR」を使う(IBDでも採用)
・「21」は約1ヶ月の取引日数(営業日ベース)に相当。
・CANSLIM投資は中期のスイングトレード向けであり、短すぎず長すぎない21日ATRが最適。
✅価格ではなく“%”で見ることが重要
・1000ドルの銘柄と10ドルの銘柄では「1ドルの動き」の意味が違う
✅ATRはその銘柄の“性格”を映す
・値動きの穏やかな銘柄か、荒い値動きの銘柄かを定量的に測れる
✅ATR=損切り設定・エントリー可否の基準
・ トレードにおけるボラティリティを許容できるかの判断材料になる(詳細は以下で解説)
■ CANSLIM投資におけるATRの実践活用
✅銘柄の選別
・市場がパワートレンド(強い上昇トレンド)にあるときは、高ATR銘柄(3〜6%)でリスクを取る戦略が有効。
・不安定な市場環境では、現金or低ATR銘柄(2%以内)で守りの投資を選択。
✅ポジションサイズの調整
・超高ATR(例:8%以上)の銘柄を扱う際は、小さいロットでの保有が基本。
・加重ATR(Weighted ATR)を使えば、ポートフォリオ全体のリスクを数値化できる。
※計算がややこしくなるため、上級者向け
✅損切りルールの最適化
・CANSLIMの「8%ルール(最近のIBDでは7%ルールが一般的)」も、銘柄のATRに併せて再設計すべき。
例:ATRが7%の銘柄に7%の損切りでは、1日の動きで簡単に損切りにかかる可能性があるため、ポジションサイズを半分にする。等
✅ポートフォリオ全体のバランス(ポートフォリオATRへの意識)※上級者向け
・不安定な相場では、現金比率を高めることで、ポートフォリオATRを意図的に下げることができる
・成長株とディフェンシブ銘柄の組み合わせで、波に乗る部分と守る部分の両立が可能
・個々人のリスク許容度によって、ポートフォリオATRを設計する
■ATRってどうやって計算するの
✅ まずは「True Range(TR)」を出す
1日ごとの「本当の値動きの幅」を求めます。以下の3つを比べて、いちばん幅が大きくなる値を採用する。
高値 − 安値
高値 − 前日の終値(の絶対値)
安値 − 前日の終値(の絶対値)
要するに、「前日の流れも考慮しながら、今日どれだけ動いたか?」を測ってるイメージです。
✅ 次に「ATR」にする(n日間の平均)
「21day-ATR」なら、直近21日分のTRを平均します。やり方は2通り。
シンプルに平均(SMA)する方法
直近に重みを置いて平均(EMA)する方法
MarketSurge(月額約150ドル)の契約者は、スクリーナーで全銘柄の21day-ATRを閲覧/スクリーニング可能!
まずは、シンプルに平均をした値を知るだけでもOK!
保有/ウォッチしている銘柄の見え方が少し変わるかも。
■ 適正ATRの成長株3選
動画でも紹介されていた高成長期待の3銘柄を取りあげます。
✅$RCL(21day-ATR:3%)
直近四半期の売上成長が鈍化傾向も、テクニカル的には、カップウィズハンドルを出来高を伴い、綺麗にブレイクアウト。21day-ATR 3%は(2025/6/6現在)、適正なボラティリティ銘柄として、下振れリスクをそこまで恐れずエントリーが可能。
✅$DUOL(21day-ATR:3.23%)
堅調な決算×トランプ関税に影響されない銘柄として、急騰を見せたDUOL
3週間以内に20%に到達し、「8週間ホールドルール」が適用。
21EMAの接近もあり、増し玉/エントリーの機会を伺う。
21EMAとの関係性を観察しつつ、ATRでボラティリティ管理。
✅TOST(21day-ATR :4.02%)
同じく8週間ホールドルールが適用されている高成長期待株。
21EMAの攻防から昨日はボラティリティが高かったが、プルバックの形は見せることができた。
21EMAとATRを組み合わせて、エントリー・売却の判断に活用。
社名の由来は、パンのトーストから。
■ ベータからの脱却:ATRはCANSLIM投資に合っている
従来の「ベータ(市場との相関性)」では測りきれない、個別銘柄の実際の動きとリスクを捉えるには、ATRの方が有効です。特に、CANSLIM的に「少数精鋭」でポートフォリオを組む投資家にとって、適正なリスクをとりつつ、リターンを最大化するためにはATRが不可欠となります。
■ まとめ
CANSLIMの「M(市場の方向性)」を見極めることに加え、個別銘柄の「ATR」を取り入れることで、成長株投資の精度(特にボラティリティ管理の精度)は格段に上がります。
「リスクを見える化し、管理する。」それが、相場に向かう自身の精神を安定させ、相場に翻弄されない投資家になる第一歩です。今後も「値動きの質」を意識しながら、よりよい成長株トレードを続けていきましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。ご興味を持っていただけましたら、マイク氏のYouTubeチャンネル等で、詳しく学んでみてください!
また取り上げてほしいテーマ等ありましたら、コメント等で頂けますと幸いです🐈
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