鹿児島 自衛隊史料館がフジ系列局の取材拒否 中居氏対応理由に

先月、鹿児島県の海上自衛隊鹿屋航空基地にある史料館が、フジテレビ系列の民放からの特攻隊に関連する取材依頼を、元タレントの中居正広氏をめぐる対応を理由に拒否していたことが分かりました。政府は一時、フジテレビの番組などへの協力は趣旨や目的を勘案して対応するという考えを示していましたが、報道の取材対応については制限しておらず、史料館は「検討せずに独断で判断してしまった」として民放に謝罪しました。

海上自衛隊鹿屋航空基地の史料館などによりますと先月30日、フジテレビ系列の鹿児島テレビ放送・KTSから特攻隊に関連するニュース取材の申し込みがありました。

フジテレビをめぐって政府はことし1月「番組などとのタイアップや企画制作への協力は趣旨や目的、効果などを各府省で総合的に勘案し対応する」という方針を示したうえで「報道のための取材対応は通常どおり」としていましたが、史料館は取材依頼について企画制作への協力に該当すると判断したほか、内閣官房への確認に時間がかかることなどを理由に拒否し、再度の申し入れも断りました。

史料館の館長はNHKの取材に対し「報道での取材と情報番組などへの制作の協力を混同して認識し、組織内で確認することなく独断で判断してしまった」としていて、海上自衛隊第1航空群司令部広報室と史料館は今月10日と11日にKTSに電話で謝罪したということです。

海上自衛隊第1航空群司令部広報室は「今後このようなことがないように取材の問い合わせや依頼があった場合は確実に情報を共有して改善していきます」としています。

KTSは「フジテレビの一連の問題に関し系列局として重く受け止めている」とした上で「特攻の歴史を広く知ってもらう上で重要なニュースと判断して取材を試みました。史料館長の『独断』とはいえ非常に残念に感じています」とコメントしています。

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