公立大学を新設する構想が浮上している旧庁舎(和歌山県田辺市新屋敷町で)
和歌山県田辺市は12日、一般財団法人から提案を受けて検討している公立大学の設立構想を巡り、専門的見地から調査や検証をするための予算案を発表した。市が大学構想の関連予算を計上するのは初めて。18日開会の6月市議会に提案し、議会での本格的な議論が始まる。
構想は、現役の大学教授らでつくる一般財団法人「立初(たてぞめ)創成大学設立準備財団」(兵庫県宝塚市)が市に提案。市役所旧庁舎(新屋敷町)を活用し、文系・理系の枠にとらわれずに学ぶ「文理融合型」の大学(定員は1学年144人)を設置したいとしている。
市が大学の設置主体となり、財団メンバーらで構成する公立大学法人が運営を担う構想。市が設置する公立大学とすることで、国からの財政支援を受けることができるという。
市はこれまで、学生の確保や財政面の課題などについて庁内で検討。今年3月に「(大学構想の)実現可能性は十分あるが、専門的見地からさらなる検証が必要である」とする報告書を公表した。真砂充敏市長は4月にあった市長選で、人口減少対策の一つとして大学構想に言及。「ハードルはあるが、専門的な見地を踏まえながら前向きに可能性を探りたい」と語っていた。
今回の予算案には、大学設置の可能性について調査検討するための費用として計3088万円を計上した。
学生や教員などのニーズ調査、初期費用や運営費用、地域への経済波及効果などについて、大学設置に関するコンサルティングの実績がある業者をプロポーザル方式で選定し、委託する。
また、築50年以上たつ旧庁舎について、大学の施設として利用可能かどうかなどを建築設計事務所に調査を委託する。
それらと並行し、学識経験者や地元の高校教員、保護者などからなる検討会議を設置。大学設置の必要性や可能性について検証する。
検証結果の報告書は、本年度内にまとめる予定。
真砂市長は12日にあった会見で「市民の皆さんのご意見をうかがいながら、引き続き、実現の可能性を探っていきたい」と話した。