なぜだ?米品薄のはずが、突然店頭に「米が山積み」「おかしい」の声…進次郎農相、大手柄!そして「悪いのは誰?」
日本人という財布の中身はプラスマイナスゼロ
そして何よりも重要なのは、消費者と生産者が米の価格を巡って一喜一憂し、利益が相反するようなゼロサムゲームを続けていては、日本の農業が持続的に発展していく道筋は見えてこないという厳然たる事実である。コメの価格が上がれば、生産者は喜び、下がれば消費者が喜ぶのは当然だが、この両者の間の問題と政府が認識する限り、日本人という財布の中身はプラスマイナスゼロということだ。そうではなくて、政府の規制・保護や協同組合の非効率性など、消費者と生産者の間にある問題にこそ、焦点を当てなくてはいけない。 Brandanoらが2012年に発表したイタリアのワイン生産協同組合に関する研究が示したように、農業協同組合という組織形態は、民間企業と比較して技術的な効率性が低い傾向が見られる。また、Bijmanが2016年にオランダの農業協同組合の成功要因を分析した論文で指摘したように、硬直化した連合会組織や、市場の変化に対応できない明確な戦略の欠如は、協同組合の非効率性を助長する。今回の騒動で露呈した流通の不透明性や、一部の業者による市場操作の疑念は、まさにJAに代表される旧態依然とした流通システムを効率化し、より透明で公正なものへと抜本的に改革する必要性を強く示している。 農家がより自由に活動しやすくするための改革こそが、国・地域における農業の成長に貢献することは、多くの先行研究に裏付けされていることである。 日本の農業もまた、旧来の慣習や既得権益の構造にとらわれることなく、農家と消費者の双方にとってより良い未来を築くための、進次郎農相には勇気ある変革が求められている。
小倉健一