なぜだ?米品薄のはずが、突然店頭に「米が山積み」「おかしい」の声…進次郎農相、大手柄!そして「悪いのは誰?」
なぜ米が店の棚に並びだしたのか
進次郎大臣の政策は、JA農協、自民党農林族議員、農林水産省が形成する、いわゆる農政トライアングルの核心的な政策に挑戦するものであり、その本丸を襲撃する行為に等しいとしながらも、その効果については限定的であると鋭く分析している。この指摘は、問題の根深さを改めて認識させる。 では、なぜ政府による備蓄米の市場供給が開始された途端に、品薄だったはずの銘柄米がスーパーの店頭に豊富に並び始めたのか。この現象の背景には何があるのか。松沢美沙氏が2025年6月5日にNOTEに寄稿した論考(「品薄だったはずでしょ?随意契約の備蓄米が出始めたら銘柄米が店頭に山積みとの報告が続々。誰がため込んでいたのか」)は、この不可解なパズルのピースを埋める可能性のある説明を提示している。 国内の米市場は、2024年から天候不順や病害虫被害などによる不作の影響を受け、深刻な価格高騰と品薄状態に直面していた。2024年産の米は、特に品質の高い1等米の割合が例年に比べて大幅に低下し、これが価格上昇に拍車をかけていた。このような状況下で、一部の流通業者やJAが、将来のさらなる価格上昇を見越して、あるいは市場への供給量を人為的に調整することで価格を高く維持するために、意図的に在庫を保有し、市場への供給を絞っていた可能性が考えられる。いわゆる「ため込み」や「売り惜しみ」と呼ばれる行為である。
一見すると矛盾した現象の有力な説明の一つ
政府が比較的低価格の備蓄米を大量に市場へ供給することを決定し、それが実際に流通し始めると、これまで高値で販売できていた銘柄米の価格が下落するのではないかという市場の圧力が一気に高まる。そうなれば、在庫を抱え込んでいた業者は、値崩れして大きな損失を被る前に、少しでも高く売れるうちに売ってしまおうと、一斉に市場に在庫を放出し始める。これが、備蓄米の登場と同時に、それまで姿を消していた銘柄米がスーパーの棚に山積みされるという、一見すると矛盾した現象の有力な説明の一つとなるのではないだろうか。 今回の米価を巡る一連の騒動は、日本のコメ流通システムが抱える根深い構造的な問題を、改めて白日の下に晒したと言える。短期的に見れば、政府備蓄米の放出によって銘柄米の価格が下落し始めたことは、少なくとも日々の食卓を預かる消費者にとっては歓迎すべきことであり、進次郎農相の「大手柄」というわけだ。しかし、長期的な視点に立てば、日本の米不足が根本的に解消されたわけでは決してない。