引きこもりの自立支援をうたう“引き出し屋”強引に連れ出し施設に閉じ込める悪質業者も 人権侵害を受けた当事者と悩む母親の葛藤
■引き出し屋の実態とは 記者「人権侵害行為が支援の名のもとに行われている」
加藤氏は「人権侵害行為が、支援の名のもとに行われている。拉致や誘拐で自由を奪われ、望まない生活を押しつけられる」と指摘する。「今までに聞いた最高被害額は、3000万円近い。貧困ビジネスだと思われがちだが、反対にお金に余裕がある人の方が狙われやすい」。 依頼の多くは「子どもの将来を心配して、『プロの支援者に任せた方がいい』と信じてしまう」ことにあるとし、「ギリギリでやっている家族への介入は、どこかで必要になる。しかし、そこで引き出し屋のような、人権を守れない集団が『支援』をするのはどうなのか」と批判する。 リディラバ代表の安部敏樹氏は、「引きこもり状態の人は、一般と同じ“週5ペース”で働かせることが正解とは限らない。1日1〜2時間、ネットで仕事をするところから、段階的に社会復帰してもいい。親は『引きこもりだ』と思っていても、子どもがネットを通して世界を持っていることもある」と語る。 一方で「親としては、心配で仕方なく、解決できるのなら500万円でも払いたい」といったニーズがある。「まともな企業が参入できればいいが、難易度が高いゆえに、健全な事業者が入ってこない」。 加藤氏は「家族と本人の溝を、いかに埋めるかが問題だが、互いに一方通行になってしまう。お金を持っている家族と、生きづらさを抱えている本人の力の差が大きい。親は遺産や家を売ってまで、子どもの自立を期待してお金をかける」と、親子間の価値観の違いを説明する。 最終的には引き出し屋の実態を知って、後悔する親は多いが、「そこまでの境地に至るのには、時間がかかる。本人が『今すぐ脱走して、親と和解したい』と思っても、業者を信じている親は『なぜ途中で逃げるんだ』となり、わかり合えるまでに長い時間がかかる」そうだ。 安部氏は解決策として、「再生した地域コミュニティーによる介入」「ソーシャルワーカーなど、公的なプレーヤーによる介入」「まともな民間事業者による介入」の3つを示す。「即効性があり現実的なのは、公的な介入だ。この予算づくりや、うまく介入できる人を育成できるかという話になるだろう」。 (『ABEMA Prime』より)
ABEMA TIMES編集部