『クレイジージャーニー』初登場・藤井一至インタビュー!「土はミステリアス」

『クレイジージャーニー』初登場・藤井一至インタビュー!「土はミステリアス」

独自の視点やこだわりを持って世界&日本を巡る人たちが特異な体験を語る、松本人志、設楽統、小池栄子MCの伝聞型紀行バラエティ『クレイジージャーニー』が、毎週月曜22時からTBS系で放送中。

2022年10月31日(月)放送では、土を通して農業や生態系のしくみを研究している藤井一至氏の旅に同行している。番組初登場となる藤井氏は、スコップ片手に世界各地、日本の津々浦々を飛び回っている土の研究者で、今回の旅では「人工土壌」の未来に多大な影響を与える宝物“ミネラルバッグ”を探し回る様子を追っている。

藤井一至氏

収録を終えた藤井氏にインタビューし、藤井氏が土に興味を持ったきっかけや土の魅力、自身の研究に対する熱い思いなどを聞いた。

――収録に参加してみていかがでしょうか?

とても緊張しました。なかなか上手くお話しできなかったかもしれません(笑)。MCお三方が面白くて感動しました。

――藤井さんが“土”に興味を持たれたきっかけはなんだったのでしょうか?

『天空の城ラピュタ』や『風の谷のナウシカ』が好きでよく見ていて映画を作りたいなと思っていた時期もありました。でも自分にはベースになる哲学や能力が何もないと気づき、何か武器になるようなものはないかなと考えた時に、小さい頃から“石ころ”が好きだなと思ったんです。『天空の城ラピュタ』でシータが「土から離れては生きられないのよ」と言っていたこともとても自分の中では印象的で心に残っていたので、石と土の関連性もあって土に深く興味を持つようになりました。

――本格的に土のことを学ぼうと思ったのはいつ頃からだったのでしょうか?

土に興味を持ったのは高校生の頃だったのですが、その後大学の農学部に入って勉強し始めて方向性を探っている時に植物の名前が覚えられず、土に専念するようになりました。あと大学で土を掘った後にパイプくわえて一服している先生がいたのですが、その姿がなんか「かっこいいな」と思って(笑)。普通じゃないオーラがあって、こんな人になってみたいなと思ったのも一因です。僕はパイプ吸わないんですけど(笑)。

藤井一至氏

―ー今はどういう活動をされているのでしょうか? 

まず大前提として「土は人間には作れない」と言われているのですが、本当に作れないんだろうかというのをちゃんと確かめてみたいという思いがあって、これが今一番の研究になります。あと現実的な話だと、例えばフィリピンでバナナの栽培をする際になるべく病気にならないようにするためにはどうしたらいいのかという研究で、バナナの間にカカオを植えて多様性を増やせば、病気のリスクが下がるというようなことをしています。土が元気になって良いバナナがいっぱい作れるようになれば、価格も安くなるはずなので、私自身も消費者として嬉しいです。バナナの病気で農家の方が大きなダメージを受けるので、他にもいろんなものを栽培した方がいいよね、というようなアドバイスなどもしています。

――最終的な目標は?

最終的な目標というのはあまり設定していないのですが、研究が半分趣味になっているところがあり、土のことをもっと知り尽くしたい気持ちが強いです。でも僕の好奇心を満たしたら終わりということではなくて、先程話したバナナのこともそうですが、例えば奄美大島ではすごい粘土質な土で水はけが悪くてサトウキビが育たなくて困っている農家の方がいたり、インドネシアでは何も育たなくて困ってる方がいたりするので、そういう事を、研究を通して解決できるようにしていきたいですね。世界中の問題を全部僕が解決するというのは無理だけど、少しでも解決してあげることが出来るようになりたいです。

藤井一至氏

――今回の旅では“ミネラルバッグ”というものを探されてたと思うんですけど、それはどういったものなのでしょうか?

土は100年、1000年で1cmくらいしかできないんですよね。だから人間が作ることが出来ないということになっているのですが、もっと早く人工で作ることが出来ないだろうかという思いがあるんです。どんな材料があれば一番土になりやすいだろうか、どんな環境だったらできやすいんだろうかと考えて、材料を調合してそれを特定のところに埋めて何年くらいで土になるのかを調べるのですが、どうしても長期間かかってしまうんですよね。でも僕みたいなことを考えてやってきた先人の皆さんがいらっしゃるので、そういう方たちにご協力いただけないかと考えました。

このテーマは多くの研究者が「やろう!」とは思うんですけど、やはり数年で結果が出るものでもないので夢半ばで終わってしまうことが多いんです。埋めたときはやる気満々で一生懸命埋めて回ったのに、何十年も経過すると興味ややる気がなくなってしまうんです。この土の材料(岩石粉末など)を埋めたものを“ミネラルバッグ”と呼んでいるんですけど、そういった夢半ばで終わってしまった先輩たちにお願いして引き継がせていただきました。案外苦労したのは、夢半ばで挫折した方たちも、自分がやらないからと言って他の研究者に簡単に渡すというわけでもないんですよね(笑)。いつか自分でやるかもしれないし、大切なものだからそれはそれで掘り返さないで欲しいと思う方も結構多いんです。

うまく引き継がせていただいたものでも、埋めた場所がはっきりしないのが大半なのですが、僕はそれでもうまくいく可能性にかけたいなと思っていて。実際に1個見つかった時は、埋めてから40年間で土っぽくなってることが分かったんです。それをあと何か所も掘り起こしてサンプルを増やして、それを基に土を改良していければと思っています。

僕がしたいなと思っているのは、微生物がいなくなってしまった土に、研究によって導き出した必要最低限な材料を仕込んで、それが拠点基地となって土自体がもう1回新たに作り出されるというような、物質の循環が出来るようになればいいなと思っています。土自体が劣化しても再生するのが自然の土の特徴だと思うのですが、それが人工的に再現できたらいいなと思っています。

藤井一至氏

――藤井さんにとって土の魅力とは?

身近にあるのでよく知っているように感じていたけど、本当は全く知らない、理解できていなかった存在なんだなと分かっていくのが、とても面白いんですよね。例えば宇宙の基礎的な理論物理学などは一般的に知らないのが当たり前で、理解できるとすごい! と感じると思うんですけど、それと同じくらい土もミステリアスな部分があるんです。私はそれがとても楽しく思うんです。なのでぜひ、今回『クレイジージャーニー』を見て興味を持っていただけるようになったら嬉しいです!

放送情報

『クレイジージャーニー』
10月31日(月)よる9:00よりTBS系で放送

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