【6歳女児不同意わいせつ】「『内緒だよ』は落ち着かせるため」…犯行を否認し続けた被告の「言い分」
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「内緒ね、約束だよ」
5月30日、6歳の女児に団地内のマンションの階段で、わいせつな行為をしたとされる田中元(はじめ)被告(51)の第2回公判が東京地裁で開かれ、論告求刑が行われた。 【戦慄】こ、こわい…「パンツのにおいを嗅ぎたかった」と身勝手な動機を語ったわいせつ犯の素顔 「田中被告は’24年10月6日、警視庁蒲田署に不同意わいせつの疑いで逮捕されました。7月28日に大田区内にある団地内のマンションでAちゃん(当時6歳)の胸を触った疑いです。田中被告は’14年にも当時8歳の児童に複数回わいせつな行為をしたとして、’15年2月26日に強制わいせつの罪で懲役3年の実刑判決が言い渡されています。出所後、約6年半で本件犯行に及んだことになります」(全国紙社会部記者) これまでの公判で田中被告は犯行を否認し続けてきた。本稿では’25年4月18日に開かれた初公判で田中被告が終始繰り広げてきた「言い分」を紹介する。 検察官が読み上げた起訴状などによって明らかになった田中被告の卑劣な犯行は以下の通りだ。 「田中被告は’24年7月28日午後1時半ころ、団地内マンションの1階で、友達の家に遊びに行こうとエレベーターを待っていたAちゃんに『どこに行くの』などと声をかけ、一緒にエレベーターに乗り込みました。11階で一緒に降りた後、『階段に来て』などと言って、10階へ下りる階段に誘い、同階段でAちゃんの胸を触ったのです。 犯行後、田中被告は人差し指を口元に当てながら、『内緒ね、約束だよ』などと言った上で握手や指切りをしてAちゃんと別れました。そして階段で1階まで下りて、近くに止めていた車付近でTシャツを着替えるなどした後、逃走。Aちゃんは友人の祖母に被害に遭ったことを伝え、それを聞いたAちゃんの父親が警察に通報したのです」 認否の確認で田中被告は「わいせつ行為はしていません」と否認した。被告人質問で、田中被告は弁護人の質問に答えるかたちで、事件があった日のことを話しはじめた。 ◆「無断侵入がバレるのが怖かった」? 「実家で用事をすませた後、その団地付近を車で通りかかりました。その日は天気がよかったので、マンションの屋上でコーヒーでも飲みながら下の景色を眺めたらきれいだろうなと思いついたのです。団地内に車を止めて缶コーヒーを買った後、マンションに無断で侵入しました」 田中被告の実家はこの団地の近くにあり、ある程度の土地勘があったという。マンションは入り口に防犯カメラがあるものの、オートロックではなかった。 「エレベーターの前で、小さな女の子(Aちゃん)が一人で待っていました。私は無断侵入したという後ろめたさから、周りをキョロキョロしたり、女の子に怪しまれないよう『暑いね、どこ行くの』などと話しかけました。 エレベーターに乗った後、女の子は11階のボタンを押しましたが、私は屋上に行くことがバレないよう階数のボタンを押しませんでした。11階の上は屋上階しかないため、このままだと屋上に行くのがバレると焦った私は、『同じ11階だね、降りたら階段に行くね』と女の子に声をかけ、一緒に降りることにしたのです」 屋上に行くことをあきらめた田中被告はエレベーターを降りると、そのまま階段に向かったそうだ。階段で人の気配を感じて振り向くと、女の子がついてきていたという。 「『ついてこないで』という意味で、女の子の左肩付近を右の手のひらで押さえました。そして無断侵入がバレないよう、私がここにいることを『内緒だよ。約束ね』と伝えた後、驚かせてしまった女の子を落ち着かせようと思い、握手をしたり指切りをしたりしました。 そして1階まで下りると、無断侵入がバレないように顔を隠して防犯カメラの前を通り抜け、暑かったので上に着ていたTシャツを脱いで車に乗り、自宅に帰りました」 ◆「供述調書は真実ではない」 しかし、Aちゃんの供述は田中被告の証言とは異なる。Aちゃんは警察の取り調べで田中被告から「階段に来て」と言われ、そこで胸を触られたことを身振り手振りも交えて供述していた。さらに「おじさん(田中被告)は(Aちゃんの)お友達が来て逃げた」とも話していたという。 Aちゃんの供述との食い違いについて弁護人に質問された田中被告は、「私を不審に思って後をついてきたか、『階段に行くね』と言ったことを、『階段についてきて』と勘違いしたのかもしれません。そして『お友達』に関しても誰かが来たという記憶はありません」と否定した。 また、田中被告は《女の子が着ていたTシャツの柄が見たくて、服の左胸付近をつかんだ》と逮捕直後に供述しており、「左肩付近を右の手のひらで押さえた」という証言とは異なる。その点については、事件から約2ヵ月後に逮捕されてパニック状態で、弁護人のアドバイスで黙秘に転じるまでは記憶もあいまいなまま、警察の取り調べに応じたからだと訴えた。 「女の子に触れたという心当たりがあったため、とっさに嘘の弁解をしてしまいました。そのため真実ではない供述調書が作成されてしまったのです。すべて警察にこうだったんじゃないかと言われるがままに認めてしまいました。『12階まで階段で上がって、1階までエレベーターで降りた』という私の当初の供述が間違っているのは、防犯カメラの映像からも明らかです」 弁護人に防犯カメラの映像などを見せてもらったことから記憶が鮮明になったと、わいせつ行為を完全に否定してみせた田中被告。マンションへの「無断侵入」が発覚することを恐れてのものだという数々の行為は田中被告の行動をかえって不審なものに思わせるのだが……。Aちゃんの親族も含め、公判を傍聴していた人たちに彼の弁解はどこまで届いたのだろうか。 【後編】では田中被告の不合理な弁解に検察が追及をする様子や、証言台に立った被害者の父親の「怒りの言葉」などを紹介している。 【後編】「一日でも長く刑務所に」被告の言い逃れに被害者の父が露わにした”怒り” 取材・文:中平良
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