夫に不凍液飲ませ後遺障害… 「モラハラ、家政婦のような扱い受けた」女に懲役4年求刑 地裁沼津支部
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有害物質の「エチレングリコール」を主成分とする不凍液を夫=当時(51)=に摂取させたとして、傷害の罪に問われた裾野市茶畑の看護助手の女(44)の初公判が12日、静岡地裁沼津支部(薄井真由子裁判官)で開かれた。女は起訴内容を認め、検察側は懲役4年を求刑して即日結審した。判決は30日。 検察側は冒頭陳述や論告で、夫の家庭内での言動や振る舞いに被告が悩み、2024年11月21日から25年2月8日までの間に、ホームセンターで複数回にわたって不凍液を購入したと説明。夫は気づかないまま不凍液を摂取させられた結果、一時は心停止にも陥ったとして「幸い一命をとりとめたが、人工透析が必要となる重い後遺障害が残った。傷害事件の中でも極めて重大な結果」と強調した。 弁護側の被告人質問で、女は「夫からモラハラや家政婦のような扱いを受けることがあった」として、「嫌がらせのようなつもりで、コーヒー牛乳や養命酒に混ぜて不凍液を2回飲ませてしまった」と述べた。弁護側は「被告は反省し、夫も家族との生活を求めている」として、執行猶予を求めた。 起訴状などによると、女は2月20日ごろから24日までの間、夫にエチレングリコールを主成分とする不凍液を飲食物に混ぜるなどして摂取させ、約50日間入院が必要な急性腎障害などを負わせたとされる。公判では夫が回復不能の末期慢性腎不全の後遺障害を負ったとする訴因変更が認められた。
静岡新聞社
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