【読解】なぜ?鳥大附属学校で給食提供できず…管理栄養士ひとり体制のリスク 鳥取県
鳥取大学の4つの附属学校で、管理栄養士が突然休職したことにより6月から児童や生徒の学校給食の一部が提供されていないことが明らかになりました。
給食のおかずを提供できなくなっているのは、鳥取大学が運営する附属幼稚園、附属小学校、そして附属中学校と附属特別支援学校です。鳥取大学によりますと、4つの附属学校の給食1100食分は、大学の敷地内にある給食センターで調理していて、献立は管理栄養士1人が考えていました。
しかし、6月に入り、管理栄養士が体調不良を理由に休職することになりましたが、後任が決まらず6月に入ってからはごはんやパンといった主食類と牛乳のみを学校側が提供し、おかずは各家庭で準備してもらっているということです。
ごはん・パンと牛乳の提供については保護者からの要望があったためだとしています。
なお、この間の給食費については、現在提供されているもののみ各家庭が負担しているということです。
今回の事態を受け保護者は・・・。
保護者
「朝が忙しくなるというのが本音で、早く再開されたらいいなと思う」
「毎日メニュー考えないといけないし、同じものばっかり入れることもできないし、続いたら仕方ないなという感じだがお弁当が大変なんで給食があるとありがたいなと思う」
附属学校を運営する鳥取大学は
「児童・生徒、保護者に多大なご迷惑をおかけし申し訳ない。今後はこのようなことが二度と起こらないよう管理体制を見直して再発防止に努めて参ります」とコメントしています。
その上で、新たな管理栄養士の見通しが立ったため、6月23日以降順次、給食の提供を再開するとしています。
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中山 紗希アナウンサー
まず経緯からみていきます。鳥取大学では、独自の給食センターを持っていて、そこで附属の学校や園に通う1100人分を調理して、提供していました。
そもそも学校給食を提供するためには栄養士の資格を持った管理栄養士など専門の職員が献立を立てる必要があるんですが、今回鳥取大学では管理栄養士が6月から体調不良を理由に突然休職したため学校給食を提供できない状態になってしまったのです。
神岡遼アナウンサー
鳥取大学では1100人分の献立を管理栄養士ひとりで考えていたということですが、負担が重いようにも感じますね。体制はどうだったんでしょうか。
中山 紗希アナウンサー
はい、その点ですが、実は、提供する食数(給食の数)によって、給食センターに配置しなければならない栄養士や学校栄養職員の配置人数は法律で決まっているんです。
例えば1500人以内だと1人、1501人から6000人以内だと2人それ以上が3人となっていて、今回の鳥取大学のケースでは人員配置は法律上、問題はありませんでした。
ただ、今回のように1人で管理をしているセンターで突然欠員が生じた場合となると対応が難しいのが実情のようです。
鳥取県内の給食の担当課に話を聞きましたが、県内の別の公立の給食センターの現場からも「ひとりの負担が多い」という声があがっていて食育を充実させるためにもこの人員配置を見直すよう国に毎年要望しているということです。
神岡遼アナウンサー
現場の負担も大きかったようですが、子どもたちが困らないような制度を作らなければならないですね。
中山 紗希アナウンサー
はい、今回保護者の負担を回避する柔軟な方法はほかにもあったのではとも思います。
ただ、今回のような事態は他の学校現場でも発生する可能性もゼロとは言えないのが現状です。
根本的な仕組みや制度自体の見直しも考える必要があるのかもしれません。