“選挙困難な緊急時は議員任期を延長” 自民など改憲骨子案

憲法改正をめぐり自民党などは、大規模災害などで選挙を行うことが困難な事態に国会の機能を維持するため、国会議員の任期を延長できるようにする条項の骨子案を衆議院憲法審査会の幹事会で示しました。

12日開かれた衆議院憲法審査会の幹事会では自民党、日本維新の会、国民民主党、公明党などが「国会機能維持条項」の骨子案を示しました。

それによりますと自然災害や感染症のまん延、武力攻撃、テロや内乱などが起き、広範な地域で国政選挙を実施することが相当程度、長期間にわたって困難だと認められる場合、議員が不在になるのを避け国会の機能を維持するため、国会議員の任期を延長するとしています。

骨子案を提出した自民党の船田元氏は、幹事会のあとの衆議院憲法審査会で「より条文に近い形に深掘りしたものであり、次のステップに向けた大きな前進だ。議論を深め、改正原案に近づけていきたい」と述べました。

日本維新の会と国民民主党は骨子案をもとに条文案を作成する作業に取りかかるべきだと主張したほか、公明党も次の国会で建設的な議論を行うよう求めました。

これに対し、立憲民主党の武正公一氏は「東日本大震災と同じ規模の地震が起きたとしても現行の繰り延べ投票で対応可能であり、『選挙困難事態』の立法事実はない」と述べ、任期延長のための憲法改正には慎重な立場を示しました。

れいわ新選組と共産党は、憲法改正は必要ないという立場から骨子案を批判しました。

あわせて読みたい

スペシャルコンテンツ