大手テック企業は過去何十年もの間、自社のプラットフォームに投稿されるものすべてに対して責任を回避してきた。しかし生成AIの出現によって、極めて重要な法律による保護がなくなろうとしている。
メタ(Meta)、グーグル(Google)、マイクロソフト(Microsoft)、アマゾン(Amazon)、さらにアップル(Apple)までもが、オープンAI(OpenAI)に対抗するために、この1年かけて生成AIのツールとモデルの導入を急いできた。
大規模言語モデルLlamaを擁するメタは、Facebook、Instagram、WhatsAppでコンシューマー向けAIのツールと機能の数を増やしている。グーグルはGeminiとBardを保有する。アマゾンにはQがあり、他にもツールを開発している。マイクロソフトにはCopilotがあるほか、オープンAIの直接的な後ろ盾となっている。
こうしたAIの取り組みには数百億ドルが投入されており、今後も支出は続くと予想される。AIが生成した友達、コード、ステッカーはすでに存在しており、今後さらに多くのものが登場するだろう。
「メタのとてつもなく大きな案件」
メタのマーク・ザッカーバーグ(Mark Zuckerberg)CEOは、例えばInstagramのコンテンツが人間のクリエイターだけでなくAIによって作られる世界を思い描いている。ザッカーバーグは最近、次のようにコメントしている。
「自分のAI版と会話できることで恩恵を受ける人もいれば、コミュニティを魅了し続け、そこで求められるサービスから恩恵を受けるクリエイターもいるだろう」
ザッカーバーグは、2024年中にはこうしたことに対応するバージョンが登場するとも発言している。
メタの元従業員は、クリエイターに頼らずにコンテンツを直接量産することが同社にとっての究極の理想だと説明する。
「メタにとってこれは、社内のトップにまで上がったとてつもなく大きな案件です。人々が楽しめる新しいコンテンツを常に大量に提供し、クリエイターにお金を払う必要がなくなる。それが将来的な理想形です」
責任回避の貴重な“盾”がなくなる
しかし、この計画には欠点がある。メタやグーグルといった大手テック企業は、通信品位法第230条(1996年成立)のおかげで、プラットフォームに投稿された内容に対する責任から長い間守られてきた。しかし自身がコンテンツ作成者となることで、その盾を失う可能性が大いにあるのだ。