現在、ラクリマとファンタのメンバーは縁があり、ラクリマのドラム、LEVINがファンタのサポートメンバーを務めている。ファンタは22年5月に東京・日比谷野外音楽堂で初公演を行い、TAKAはLEVINから誘いを受けたが、都合で来場できなかったと告白。しかし、ライブが大団円を迎えていたころ、会場の前を車で通りかかったため、車を止めて、音を聴いた。
「最後の曲っていう声とLEVINのドラムの音が聞こえてきて、すごく胸が熱くなりまして。知っている人たちがこうやって頑張ってるんだと思ったら、感動して、あ~ってなりました」
石月は「やっぱりどこかでつながっているなと思いました。通りかかりで聴いてくださっていたなんて。スパイラルみたいな感じで、やっと一緒になれる感じがしますね」と改めて再会を喜んだ。
ともに厳しい競争をくぐり抜けてデビューして30年近く。バンドの解散、音楽と距離を置いた時間など、紆余曲折を経て再び人生が交差する。
「バンドのあの頃の曲はやっぱり身体が覚えています。11月のイベントには、昔の僕たちを見ていた方、当時は中学生とかでライブを見られなかったという方、親御さんの影響で知った若い方もいらっしゃるかもしれない。世代や時空を超えたおもしろいイベントはもう二度とないかもしれないですね」(石月)
「若い頃は恥ずかしながら、勝ち負けを意識していた。CDを何枚売らないといけない、売れなければスタッフが食べていけなくなると思い、音楽が『音が苦しむ』と書いて『音が苦』だった。でも、今は『音を楽しむ』という意味での音楽にようやく落ち着いた気がしています。歌いたくて仕方がないんですね。バンドが垣根を越えて一堂に会する場で歌わせてもらえることはこの上ない喜び。活動が期間限定というのは確かなことですが、始まりの瞬間を見に来てくださいという思いを伝えておきます。後に映像になったとしても、(目の前で)その瞬間を味わってほしいんですよね。その瞬間が美学だと思っています」(TAKA)
★新曲は「聴かせたいなと思えば」「自然の流れで」
今後、バンドして新曲を発表する意向はあるかと聞くと、石月は「もしファンタでこの曲はみんなに聴かせたいなと思えばたぶん、やるだろうと思います」。TAKAは「今は皆さんにノスタルジーを感じてもらう曲を歌うことに注力しているところ。新曲を出すというふうな答えは出せないんですけど、何かしら自然の流れで、そういうこともあるかもしれないですね」と答えた。
■La’cryma Christi
メンバーはTAKA、HIRO、KOJIさん(ともにギター)、SHUSE(ベース)、LEVIN(ドラム)。1991年に前身バンドを結成し、大阪を拠点に活動。97年5月に「Ivory Trees」でメジャーデビュー。代表曲は「With-you」、「未来航路」など。2007年に解散。09年、12年、13年に再結成公演を行った。
■FANTASTIC◇CIRCUS
1992年にFANATIC◇CRISISとして結成し、名古屋を拠点に活動。97年8月に「SUPER SOUL」でメジャーデビュー。代表曲は「火の鳥」、「Maybe true」など。2005年に解散。22年に旧バンドメンバー5人のうち、石月努、kazuya、SHUN.(ともにギター)の3人が現バンド名で活動を始める。SHUN.の休養を理由に24年末で活動休止したが、25年5月に再始動を宣言。9月7日に東京・渋谷のSpotify O-EASTで再始動公演を行う。SIAM SHADEのNATCHINがベース、ラクリマのLEVINがドラムのサポートで参加している。