本当は言いたいことがたくさんある。およそ2週間に亘り、耐え難きを耐え、忍び難きを忍んできた。
　しかしもう我慢の限界だ。

　今回の一件を受けた対応は人それぞれであった。
　接触禁止命令を破る人、歪んだ認識を信じて疑わず他者を攻撃する人、みだりに介入して掻き乱す第三者、それを目の当たりにして活動を縮小する者、我関せずを貫く者…

　僕も対応に迷った。当初は怒りを露わにしたが、その中でも冷静に法的措置をとる人々の強かさに触れ、とっとと決着してほしいという気持ちが強くなって行った。

　ある人はこういった殺伐とした光景を「乱世」と呼んだが、僕は本物の乱世の恐ろしさを思い知った。

　いつも傍に居る人が、明日も消えずに居てくれるとは限らない。いつか寛解すると信じている人が、明日には敵対してくるかも分からない。

　ここ数日の変化を好機と捉えられる者は決して多くないはずだ。危険を感じて逃げたり、却って執着を強めたり、いつも通り振る舞ってやり過ごそうとする者も多い。

　離れて行った人々を引き戻そうとしたり、怨んだりしたところで、著しく変化してしまったこのコミュニティ全体の性質は戻しようがないことは分かっている。それでも、そのことが心残りになってしまう気持ちは理解できる。

　多くの人が Vtuber の中の人の正体を気に留めずに観るように、彼ら彼女らの正体についてはどうでもいいのだ。
　我々は皆文字列に顕れる何か惹きつけられてここに居るに過ぎないのだから。全ては文字列に過ぎないのだから。

　僕はいつだってやりたいようにしたい。自分のご機嫌は自分で取るし、誰に何を言われても気にしない。何とでも呼ぶが良い。