根底にあるのは過剰な正義感と、先々に「あの事件は俺がやった」と語るための功名心――。
化学機械メーカー「大川原化工機」の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件について、警視庁トップの警視総監だった2人が毎日新聞の取材に応じ、徹底した捜査の検証を古巣に求めた。
元警視総監「事件は止めるべきだった」
事件を巡っては東京高裁が5月28日の判決で、警視庁公安部の捜査を1審より踏み込んで「違法」と認定した。
「今回は捜査管理の問題だ」
東京高裁判決後、取材に応じた元警視総監のA氏は事件の問題点をこう指摘し、捜査指揮官の責任を語る。
「捜査指揮官にとっては、事件を進めるよりも止める方が難しい。ただ、今回は止めるべきだった」
公…
公安部の捜査が違法と認定され、警視庁は捜査の検証が求められている=米田堅持撮影