森友文書、週内に9千ページ開示 初回開示分、「政治家応接録」廃棄され欠落
学校法人森友学園(大阪市)への国有地売却に関する公文書について、財務省は2回目の開示を決めた。全体で計17万ページ以上の紙と電子データがあるうち、今回は約9千ページ分で、今週内にも開示される。文書改ざんを強いられ自死した近畿財務局職員の赤木俊夫さんが残した資料が含まれるといい、改ざんの詳細が明らかになるか注目される。(久保田一道)
開示されているのは、公文書改ざんを捜査していた検察に財務省が提出した文書で、赤木さんの遺族が求めた。初回の開示は4月で、対象は約2千ページ分。1~382の番号が振られており、遺族弁護団は74の欠番があることを指摘した。
財務省は文書の欠落を認め、「政治家関係者に言及しているものが多くを占めていると推認される」と説明。土地取引問題が国会の焦点になった2017年に「政治家関係者との応接録」を廃棄し、その結果、欠落が生じたとの見方を示した。
財務省は、取引が問題化した17年2月以降、取引記録の内容を確認。取引を照会した政治家らの応接録や、学園側との交渉記録を組織的に廃棄していた。佐川宣寿・理財局長(当時)は国会で、こうした記録は「残っていない」と答弁した。
決裁文書の改ざんが報じられた後の18年5月、財務省は一転して約950ページの記録を国会に提出。正式な保存場所にあった文書はすでに廃棄していたが、職員が「手控え」として残していたものがあったためだ。
多くは学園側や関係自治体とのやりとりだが、安倍晋三首相(当時)の妻の昭恵氏付の政府職員からの照会や、複数の政治家の秘書らとのやりとりも一部残っていた。昭恵氏付職員との記録には、財務省国有財産審理室長が土地取引について「財務省として、現行ルールのなかで最大限の配慮をして対応しているところ」との文言もあった。
財務省は18年6月、改ざんの調査報告書を公表し、廃棄に関するこうした経緯も明らかにした。
■文書保存期限、事後的に「整理」し「設定」
財務省はどういった理屈で廃棄したのか。
学園との土地取引を担当した近畿財務局は、学園や関係自治体、学園と接点のある政治家側とやりとりするたびに、「応接録」を作っていた。
こうした記録の保存期限について各省庁は、政府が作る文書の扱いを定めた公文書管理法に基づき、それぞれルールを設けている。学園との取引に関する応接録は、作成時点で「1年未満保存(事案終了まで)」とされていた。
では、「事案終了」とはどのタイミングを指すのか。学園へ土地を売却する契約が交わされたのは16年6月。ただ、代金は10年間の分割払いで、土地取引が国会で議論された17年の時点では、支払いは相当額が残っていた。
佐川氏は17年2月の国会答弁で、学園との契約締結時点で「事案終了」にあたり、記録はすでに廃棄していると説明した。だが、実際にはこの時点では記録は残っていた。
財務省の調査報告書(18年6月)は、理財局は土地取引が問題化した後になり、「契約時点で事案終了にあたる」と保存期限について事後的に「整理」し、廃棄を決めていたことを明らかにした。期限をさかのぼって「設定」した形だ。
報告書はこの対応について、「国会審議で応接録の存否が問題になった後に廃棄を進め、存在しない旨を回答したことは不適切」と結論づけた。ただ、「事案終了」を契約時とした判断が適切だったかについては、明確な判断を示さなかった。
会計検査院の幹部は17年4月、国会で「一般論」とした上で、「支払いが完了していないケースについては、事案自体が完全に終了したと認めることはなかなか難しい」と答弁していた。
■森友文書の廃棄に至る経緯
<2016年6月20日> 森友学園へ国有地を売却する契約。10年間の分割払い
<2017年2月9日> 格安での売買を朝日新聞が報道
<17日> 安倍晋三首相が「私や妻が関わっていれば首相も議員も辞める」と国会で答弁
<24日> 佐川宣寿・理財局長が、学園との交渉記録はすでに廃棄したと答弁
《このころから財務省が文書を廃棄》
<2018年3月2日> 朝日新聞が「決裁文書が書き換えられた疑い」と報道
<5月23日> 廃棄されず残っていた交渉記録を財務省が国会に提出
<6月4日> 財務省が調査報告書を公表
※財務省の調査報告書などから。肩書は当時
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