茨城県東海村の山田修村長(64)が10日、今秋の村長選への出馬表明と合わせ、日本原子力発電(原電)東海第2原発の再稼働を認める姿勢を明確にした。このタイミングで「容認」した狙いは何か、原発は村に必要なのか。村長時代に、核燃料加工会社「ジェー・シー・オー(JCO)」の臨界事故と東日本大震災を経験し、現在は反原発の立場で活動する村上達也さん(82)に聞いた。(聞き手・酒井健)
◆「避難計画が必要な施設 あって良いのか」
──山田村長の再稼働容認をどう受け取ったか。
今回の表明は、再稼働への地ならしだと思う。(施工不良が見つかった)防潮堤など事故対策工事が来年12月に完成したら、原電はすぐにでも再稼働したいだろう。目の前に迫る再稼働ならば、村長選で容認の姿勢をはっきりと示して当選すれば、村民の支持も得たことになると考えたのでは。しかし、村民の総意と見なすには、投票率がどれぐらいかなどの問題もある。
──周辺には、広域避難計画が策定できていない市町もある。
そもそも、避難計画を作らなければならない施設なんて、あって良いのだろうか。地震や津波などの自然災害は別として、逃げる計画が必要な人工の施設というものは、発想自体がおかしいのではと思う。(原発の周辺で暮らすのに)命を懸けているということは、住民も知っておいたほうが良い。
◆「村を東京の電力供給基地として見てもらいたくない」
──「村と原子力」の関係はどうあるべきと考えるか。
私が村長だった頃に「東海3号機」の建設計画があった。でも、この狭くて人口の多い村に3号機を造る場所があるか。原電は「海に造る」と言ったが、私は無理だと...
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