通報者の私的情報漏えいで大学教授が斎藤兵庫県知事、片山元副知事、井ノ本元総務部長を神戸地検に刑事告発

赤澤竜也作家 編集者
昨年以降、複数の自殺者が出たうえ、「文書問題に関する第三者委員会」による調査報告書では、告発者を捜すなどした斎藤知事らの一連の対応の大半が公益通報者保護法違反であると認定されるなど混乱が続く兵庫県写真:西村尚己/アフロ

兵庫県の西播磨県民局長が県から貸与されていた公用パソコン内に保存していた私的情報を、県職員によって外部に漏えいされた問題で、上脇博之神戸学院大学教授は10日、斎藤元彦兵庫県知事、片山安孝元副知事、井ノ本知明元総務部長に対する地方公務員法(守秘義務)違反の疑いの告発状を神戸地検に提出した。

告発状によると、井ノ本元総務部長は職務上知り得た秘密を漏らした疑いがあるとしている。また斎藤知事には職務上知り得た秘密を漏らすことを命じ、あるいは、そそのかした疑い、片山元副知事には職務上知り得た秘密を漏らすことを故意に容認し、あるいはそそのかした疑いがあり、ともに厳重な捜査と処罰が必要であるとしている。

上脇教授は兵庫県在住で、全国82人の弁護士が告発代理人についている。

なお、県が設置した「秘密漏えい疑いに関する第三者委員会」の最終調査報告書は、井ノ本元総務部長が通報者の私的情報を少なくとも3人の県議に漏えいしたと認定したうえ、「知事と元副知事の指示のもと行われた可能性が高い」と結論づけている。

告発状を提出するため神戸地検へ向かう上脇博之神戸学院大学教授(右)と告発代理人  筆者撮影
告発状を提出するため神戸地検へ向かう上脇博之神戸学院大学教授(右)と告発代理人 筆者撮影

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作家 編集者

大阪府出身。慶應義塾大学文学部卒業後、公益法人勤務、進学塾講師、信用金庫営業マン、飲食店経営、トラック運転手、週刊誌記者などに従事。著書としてノンフィクションに「国策不捜査『森友事件』の全貌」(文藝春秋・籠池泰典氏との共著)「銀行員だった父と偽装請負だった僕」(ダイヤモンド社)、「内川家。」(飛鳥新社)、「サッカー日本代表の少年時代」(PHP研究所・共著)、小説では「吹部!」「白球ガールズ」「まぁちんぐ! 吹部!#2」(KADOKAWA)など。編集者として山岸忍氏の「負けへんで! 東証一部上場企業社長VS地検特捜部」(文藝春秋)の企画・構成を担当。日本文藝家協会会員。

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