自公幹事長 物価高対策めぐり給付実施で一致 金額など調整へ

物価高対策をめぐり、自民・公明両党の幹事長は即効性のある対応が必要だとして、現金などを想定した給付を実施することで一致し、金額など制度のあり方について調整を進めることになりました。

自民党の森山幹事長と公明党の西田幹事長は、10日朝、東京都内で会談し、両党の国会対策委員長も同席しました。

この中では物価高対策について、税収の上振れ分を国民に還元するとともに、即効性のある対応が必要だとして、現金などを想定した給付を実施することで一致しました。

また、給付の方法は現金に加え、公明党がマイナンバーカードを持っている人などに付与する「マイナポイント」での給付を主張していることを踏まえ、今後、両党の政務調査会長で金額や所得制限を設けるかなどを含め、制度のあり方の調整を進めることになりました。

さらに、給付の実施を参議院選挙の公約に盛り込むことも確認し、与党としての共通公約に位置づけるかどうか扱いを検討することになりました。

会談のあと、自民党の坂本国会対策委員長は記者団に対し「税の増収分を給付という形で還元するとの認識で一致した。政務調査会長の間で今後、協議してもらう。消費税の減税は非常に大きな税収減につながり、法改正など時間がかかることを考えると、難しい」と述べました。

公明党の西田幹事長は記者会見で「物価が上昇しているために実質賃金がマイナスになっている。これを放置すれば実体経済が悪化するため、賃金のマイナスを補うことが必要だ。なるべく早く、年内に給付できることが望ましい」と述べました。

その上で、給付の方法について「スピードを重視するため、党として『マイナポイント』を例示したが、現金がいい人もいるだろうし、公金受取口座の活用など、やり方はよく検討していけばいい」と述べました。

また、所得制限を設けるかどうかも今後、議論したいという考えを示しました。

立民 野田代表「参院選乗り切れないと追い込まれて判断」

立憲民主党の野田代表は東京都内で記者団に対し「財源や所得制限をどうするのか、よく中身を見たい。いずれにしても物価高は深刻なので何もやらない『無策』ではさすがに参議院選挙を乗り切れないと追い込まれて判断したのではないか」と述べました。

国民 玉木代表「余ったお金あるなら減税して返すべき」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「自民党は『税収の上振れは財源ではない』とずっと言っていた。自分たちが選挙のためにやる時は一律給付で『税収の上振れ分も財源になる』と言うのは『ご都合主義』がすぎるのではないか」と述べました。

その上で「増えた税収は国民のものであり、選挙のための使い勝手のいいお金ではない。余ったお金があるのなら減税をして国民に返すべきだ」と述べました。

共産 田村委員長「給付ではなく 消費税の減税を求めていく」

共産党の田村委員長は国会内で記者団に対し「与党はどこまで物価高対策の『無為無策』を続けるのか。1回きりの給付金を出すというのを何度も繰り返してきたが、それが物価高対策になったかと言えば、なっておらず恒常的・恒久的な対策が求められる。給付ではなく、消費税の減税を求めていく」と述べました。

保守 百田代表「給付するなら税金を取るのをやめろ」

日本保守党の百田代表は記者会見で「大反対だ。給付するならその分の税金を最初から取るのをやめろということで、なぜ取ってから配るのか。本当に国民のためと思っているのかも疑問で、選挙が近くなって票欲しさにお金をばらまいているようにしか私には見えない」と述べました。

林官房長官「引き続き与党とも適切に連携」

林官房長官は10日午後の記者会見で「物価上昇を上回る賃上げの実現に向け日本全体で賃金が上がる環境をつくっていくことが基本であり急務だ。賃上げの効果が出るまでの対応として昨年度の補正予算や今年度予算に盛り込んだ所得税の減税や低所得者世帯向けの給付金などあらゆる政策を総動員している」と説明しました。

その上で「新たな経済対策を考えているわけではないが引き続き与党とも適切に連携し家計や事業活動への影響に細心の注意を払いながら物価高対策に取り組みたい」と述べました。

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