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Posted: 12 Jul, 2015 @ 7:52am

I've been dead for 35 years.
Today is the day I live.



突然世界から女性が消え、緩やかに死に向かっていく世界。
ある日、元空手道場の師範であり過去のトラウマから薬物中毒になってしまったオッサン、Bladは、道端に赤ん坊の女の子が落ちているのを見つける。
Bladは彼女を娘として育てることになるのだが……。


ドット絵のコミカルな見た目からのブラックユーモア満点な吐き気を催す狂った世界観(褒め言葉)がプレイヤーを襲う横スクロール型RPG。
Motherシリーズとゆめにっきをリスペクトして作られた作品らしく、戦闘システムや演出など随所に似通った面が見られる。
この二つが好きな人は間違いなく気にいるだろう。特に後者。
ちなみにこれは2作目であり、本作の前日譚に「LISA The first」が、そして2015年夏に続編である「LISA JOYFUL」が発売される予定だ。


~セールスポイント~


●世界観
いわゆるポストアポカリプスものであり、世界は荒れに荒れ果てている。女性が消えたので人口の99.99%は男であり、当然ながら子供も生まれないのでそのうち99%はむさいオッサンだ。唯一と言っていい女性であるBuddy(娘)も物語早々に攫われるため、本格的に癒やしが足りなくなる。NernとかPercyで我慢しなさい。
もう言うまでもなく人々のモラルは地に落ちており、Buddyを求めて男たちはてんやわんや、道を歩けば男たちの血まみれ死体が転がっている様である。人の命は雑誌よりも軽く、仲間ですらあっさりと死んだり行方不明になったりする。これぞ世紀末!


●ストーリー
演出やサブイベントはコミカルなものが多いが、メインのストーリーラインはとてつもなくドロドロしている上に重苦しい。
主人公はトラウマに悩まされ続けるわ突然ギャングに襲われて身ぐるみ剥がされるわ……
特に主人公のBladのイカれっぷりは常軌を逸しており、開始10分くらいはまともな男に見えるがだんだんとキチ○イっぷりが露呈してくる。
ただ良い面も悪い面もどうしようもなく「人間」であり、彼に感情移入できるかどうかでストーリーの評価は変わってくるだろう。
ちなみにゆめにっきリスペクトの性なのか、ストーリーの謎などはプレイヤーに考察させるような作りになっていて、良く言えば奥が深い、悪く言えば不親切である。特に説明もなしにポンポンと話が進んでいく上に謎に対する明言もないため、英語がわからなかったり登場人物を覚えていないと置いてきぼりを食らうかもしれない。

ネタバレにならない範囲で覚えておきたいことをリストアップすると、
・先述したように世界からは女性が突如消えており、結果的に子供もいない。女性がいなくなってからは数年~十数年くらいの年月が流れており、人類は緩やかに絶滅へと向かっている。
・この荒れ果てた世界で流行っているのがJoyと呼ばれる薬物で、主人公Bladも愛用者である。
・舞台はカンザス州オレイサ(Olathe)。この辺りを仕切っているのはランドー軍団(Rando Army)と呼ばれる集団である。
・ポストアポカリプスの常か通貨も廃れており、雑誌(magazine/mag)がお金代わりである。


●個性的なキャラクター
個性的。もう超個性的。イカれた世界観に呼応するようにキャラクターたちもイカれており、とてつもなくどうでもいい話をとてつもなく長々と話し続けるおじさんやポーズが決まらないからといって敵前逃亡する戦隊、輝けるブルドーザーの貴公子やホで始まってモで終わる人たちの集落など一度覚えたら忘れられないような個性あふれるキャラクターがたくさん登場する。
また、Bladは旅の途中で様々な人達を仲間にすることが出来るのだが、彼らもとてつもなく個性的だ。個性的すぎて3人しか連れ歩けないのがもったいなく感じるほどである。ちなみに仲間にできるコンパニオンはなんと20名以上。好みのメンバーを集めて最強のパーティを作ろう!


●不親切なゲームシステム
これってセールスポイントなの?と思うかもしれないが、個人的にこれはいい要素だった。
このゲームでは安易な行動に対する高いリスクが存在する。
例えば一部の敵が持つ即死攻撃だ。通常、倒された仲間はKOされるだけであり、アイテムを使ったり宿屋で回復するとまた戦うことが出来る。が、即死攻撃を受けるとその仲間は死亡してしまい、永久に蘇ることはなくなる。
また、野宿も危険だ。篝火があるとその場で野宿し、回復することが出来るのだが、この際ランダムイベントが発生し、最悪の場合仲間が一人永久に攫われてしまうことがある。大してHPも減っていないのに安易に野宿したりすると痛い目をみることがある。用心しよう。
これのどこがいいところなんだよ!と思うかもしれないが、つまるところ、安易な行動が制限されることで、プレイに程よい緊張感が生まれるのである。敵と戦う際に「こいつ即死攻撃持ってないだろうな…?」とか戦々恐々としたりフィールド上のNPCを見て「あいつ俺が近づいたら襲ってこないだろうな…?」とか疑心暗鬼に陥ったりとRPGには珍しい、”初見殺しの緊張感”がこのゲームにはある。
筆者は現在2周目をプレイ中だが、もうどこでどのイベントが起こるか分かってしまってるのでいまいち緊張感に欠けており、「あああ記憶消してもっかいやりてー!」と頭を抱えている。


●ゲームバランス
戦闘はかなり大味…というかピーキーである。具体的に言うとボスにすら状態異常が効く。
なので運さえ良ければボスを永遠に状態異常にしたままハメ殺ししたりも出来、楽々倒せる…と言いたいところだが、ボスもボスで大概であり、超火力を持ってして一撃で体力の9割を持って行ったりする。
バランス崩壊してるじゃないか!と思うかもしれないが、どっこいそうではない。こちらに強みがあり、相手にも強みがある。それを押し付けあうとどうなるか。
実は互いのインフレ部分を押し付けあうことによって、奇跡的に戦闘におけるバランスが取れるのである。この搦手が主体の戦闘スタイルは女神転生シリーズを思い出す。あれより幾分かこっちのがピーキーだけど。


●音楽
これは絶対に外せない。
一度聞いたら忘れられないような個性的なBGMがてんこ盛りである。購入する際は是非サントラ入りバージョンを。



~総評~
サイケデリックな雰囲気、ポストアポカリプス、陰鬱で重苦しいストーリー、ブラックユーモア、良BGM……これらの要素が琴線に触れた方は是非購入して欲しいゲームである。
残念ながら現在日本語化はされていないが、有志によると日本語化自体は可能なそうであるので今後に期待しよう。



Keey-ya, Spaghetti!
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