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日大・重量挙部前監督を逮捕 “詐欺”被害5300万円以上 元部員語る手口

2025年6月11日 6:27
日大・重量挙部前監督を逮捕 “詐欺”被害5300万円以上 元部員語る手口

日本大学重量挙部の前監督が詐欺の疑いで逮捕されました。新入部員の保護者から金をだまし取っていたとみられていて、元部員はその手口を証言しました。

日本大学重量挙部元部員
「あの4年間というのはなんだったんだろうな。言葉にできないぐらいモヤっとするような」

私たちの取材に応じたのは日本大学重量挙部の元部員の男性。

日本大学重量挙部元部員
「雲の上の存在というか、すごく絶対的な存在という感じでしたね」

その相手は――

10日、詐欺の疑いで逮捕された、重量挙部の前監督、難波謙二容疑者(63)です。

警視庁によりますと、2022年12月、コーチと共謀して、新入部員4人の保護者にウソの説明をし、現金205万円をだまし取った疑いが持たれています。

利用したのは奨学金制度でした。

部を通して入学金などを代理徴収する形をとっていた重量挙部。難波容疑者は奨学金制度で入学予定の新入部員の保護者らにニセの入学案内を郵送。書かれていたのは――

「奨学生として申請しています。2年次以降、徴収されません」

実際は4年間、支払いが免除されていますが、こうしたウソの説明で本来支払う必要のない1年次分の授業料や入学金などを振り込ませていたというのです。

そして10日夜、新たにこの代理徴収という仕組みは2000年の監督就任直後に始まったとみられることがわかりました。同様の手口を20年以上にわたって繰り返していたとみられます。

日大によりますと、被害に遭った保護者らは58人、金額は5300万円以上。金はスーツや香水・バッグの購入、車の点検にあてられるなど、その多くを私的に使っていたとみられています。

高校時代に難波容疑者に勧誘され、奨学生として入部したという元部員は。

日本大学重量挙部 被害に遭った元部員
「本来は無料のはずと聞いていたんですが、それとは別で納めてほしい金額があると」

事前の説明にはなかった200万円以上の支払いを求められたといいます。

さらに当時、難波容疑者に対し“ある違和感”も――

日本大学重量挙部 被害に遭った元部員
「当時(難波容疑者が)乗っていた車がそれなりの高級車でしたので。BMW。この車乗れるんだと」「結構いい時計つけてるなっていうのはありましたね。カルティエとか」

全日本大学対抗戦で優勝した際のコメントには――

難波容疑者
「現場指導だけでなく学生を取り巻く諸問題をスムーズ且つ的確に進めることができている点は大きいと感じています」

今回、学生に対し、自ら問題を引き起こすことになった難波容疑者。

日本大学重量挙部 被害に遭った元部員
「一番偽ってはいけない立場の人間が、不正をしていたというのが一番の驚きですね。偽りの4年間だったのかみたいな」

難波容疑者は調べに対し――

難波容疑者
「寄付金として保護者の了解を取り付けてもらったお金だという認識だった。私的に使用した寄付金は一切ない」

容疑を否認。

警視庁は、難波容疑者がほかにも不正に金を受け取っていたとみて捜査しています。

(6月10日放送『news zero』より)

最終更新日:2025年6月11日 6:27
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