第五層の無意識インジェクション

監視社会をサバイバルする方法を伝授します。

スマホ1台で多重人格スマホを実現:GrapheneOSプロファイル活用ガイド


前回までOSの導入方法やおすすめのアプリを解説してきたが、

今回はGrapheneOS目玉機能の一つである「プロファイル機能」について解説する。


プロファイル機能とは何か?

「プロファイル機能」とは、1台のスマートフォンを複数のユーザーで使い分けられるAndroidの標準機能であり、Windowsのユーザーアカウントのように、アプリ・データ・設定をユーザーごとに分離して管理できる仕組みのこと。

GrapheneOS独自の機能ではなく、一部、通常のAndroidスマートフォンでも利用可能。


GrapheneOSにおけるプロファイルの特長

GrapheneOSでは、このプロファイル機能をセキュリティとプライバシー強化の観点から徹底的に活用できるよう設計されている。

主な特長

  • アプリデータとファイルストレージの完全分離:各プロファイルは完全に独立したユーザースペースとして機能し、他プロファイルのアプリやファイルに一切アクセスできない。

  • VPNの独立設定:プロファイルごとに別々のVPNアプリ・設定を適用でき、ネットワークルーティングも独立している。

  • 通知の分離:他プロファイルの通知が混在することはなく、アクティブなプロファイルにのみ通知が届く。

  • アプリ間通信の制限:プロファイルを跨いだアプリ間通信はブロックされており、明確な壁が構築されている。

このように、GrapheneOSではプロファイルごとに明確なセキュリティ境界を設けることで、高度な運用分離が可能となっている。

※プロファイルはホームの「設定」→「システム」→「ユーザー」→「ユーザーの追加」から追加可能。 (画面を上から2回スワイプすると画面下部に現れる人形マークを押しても追加可能。)


具体的なプロファイル使い分け例

以下、ほんの数例ではあるが実践的なプロファイル運用例を記載する。

パターン1:セキュア通信用プロファイルの分離

通信の機密性を最大化したい場合に有効な分離構成である。

  • プロファイルA:SignalやSessionなどの匿名通信用VoIPアプリを導入したセキュア通信用プロファイル。 「Orbot」と「VPN+Tor」を使い分けてブラウジングする。

  • プロファイルBSNSや動画視聴など、日常的な使用向け。VPN常時接続。

パターン2:通知制御型プロファイル分離

作業用と娯楽用を分けることで、集中力の維持を狙った構成。

  • プロファイルA:普段使い(SNS、メール等)用。

  • プロファイルB:読書・集中作業用プロファイル(おやすみモード常時ONで通知を遮断)。

パターン3:GMS有無による運用分離

※どうしてもGMS環境が必要な人向け。ChatGPTなどのGMS必須アプリを隔離し、非Google環境を維持するために有効な構成。

  • プロファイルAGMSあり(Google Play、Play開発者サービス入り)環境。

  • プロファイルBGMSなし(完全な非Google環境)構成。


実際の運用例(筆者の例)

  • プロファイルA:普段使い(SNS、ウェブブラウジングYouTube等)用。

  • プロファイルB:セキュア通信モード(Tor Browser、Orbot、Mullvad VPNなどを組み合わせ)用。

  • プロファイルC:The Ghost Phone風構成(不要アプリ排除、匿名SIM専用、常時VPN経由)。

※プロファイルCに大きな意味はなく、ただの実験用プロファイル。

このようにGrapheneOSはかなり柔軟なプロファイル運用が可能だ。

上記以外にも仮想通貨用プロファイルやゲーム用プロファイルなど、発想次第で様々な使い分けが出来るのではないだろうか。

ぜひ、自分だけの運用法を編み出してほしい。

※プロファイルの切り替えには数秒程度の待ち時間が生じる場合があり、頻繁な切替には向いていないので注意。