フジテレビは、中居正広氏と元アナウンサーの女性への対応など一連の問題を受けて、取締役の業務を監督する役職の「監査役」が外部の独立した弁護士を選任して、港氏ら元取締役の法的責任の有無について調査を進めてきました。
フジテレビの監査役は、その結果を踏まえて港元社長と大多亮元専務に対して法的責任を追及することを決定し、訴訟の準備に入ったということです。
取締役や元取締役の責任の追及については会社法上、監査役が会社を代表して訴訟を提起することになっています。
フジテレビと親会社が設置した第三者委員会の報告書によりますと、港元社長はおととし8月、中居氏と元アナウンサーとの事案の報告を受けましたが、プライベートでの男女のトラブルだと認識し、当時、編成部門を担当していた大多元専務と当時の編成制作局長の3人で情報共有や協議を進めたとしています。
港氏は一連の問題への責任をとってことし1月に社長を辞任し、大多氏はことし4月に関西テレビの社長を辞任しました。
今回の問題を受けてフジテレビは5日に元編成部長を降職とするなど、あわせて5人の処分を発表しました。
この元編成部長は中居氏に代わって女性に見舞金を届けたほか、弁護士も紹介していたとされ、第三者委員会の報告書では、「二次加害行為と評価し得る」と指摘されています。
また当時、港氏や大多氏と対応にあたった元編成制作局長は減俸50%の処分、当時の人事局長は戒告の処分となっています。
フジテレビの清水賢治社長は記者団に対し「法的責任を追及することを決定したという報告を監査役から受けているが、その具体的な内容についてはまだ未定だと聞いているので、詳細はまだ把握していない。当然ながら善管注意義務違反などが想定されるものだと理解している」と述べました。
そのうえで「会社とは独立した利害関係のない弁護士による調査を監査役のもとで行った。対象は全役員で、調査をした結果、法的責任を追及するのはこの2人ということになった。残りの方は法的責任がないということになった」と述べました。
【詳報】フジテレビ 港元社長らを提訴へ 元編成部長ら5人処分
フジテレビは、中居正広氏と元アナウンサーの女性への対応など一連の問題を受けて港浩一元社長らの法的責任を追及し、提訴する方針を明らかにしました。
また、当時の社長の港浩一氏らとともに対応にあたった元編成制作局長を減俸50%の処分、当時の人事局長を戒告とするなど、あわせて5人の処分を決めました。
【提訴へ】港浩一元社長とは
港浩一氏はフジテレビでバラエティー番組の制作を担当したあと、2022年6月から社長を務めていましたが、ことし1月に一連の問題への責任をとって辞任しました。
第三者委員会の報告書によりますと、港氏はおととし8月、中居正広氏と元アナウンサーの女性との今回の事案について報告を受けたとしています。
業務時間外における密室での2人の間で起きた問題だったことから「プライベートにおける男女トラブル」の事案だと認識したということです。
その後、編成担当の専務だった大多亮氏と当時の編成制作局長の3人で情報共有や協議を進めたとしています。
その際、港氏は「外部に漏れたらまずい、絶対に口外するな」と強く指示し、コンプライアンス推進室に報告や共有を行うかどうかについて、協議や検討すら行われなかったということです。
その後、港氏ら3人は、中居氏の出演する番組を継続するかどうか協議しましたが、女性の体調が回復していなかったうえ、大物タレントが出演する番組であり終了すれば臆測を呼び、女性を刺激するのではないかとして継続を決めたとしています。
報告書では「一連の対応は経営判断の体をなしていない」としたうえで、港氏ら3人について「性暴力への理解を欠き、被害者救済の視点が乏しかった」と指摘しています。
【提訴へ】大多亮元専務とは
大多亮氏はフジテレビでドラマ制作を担当したあと、常務や専務を経て去年6月に関西テレビの社長に就任しましたが、今回の一連の問題を受けて4月4日に辞任しました。
第三者委員会の報告書によりますと、当時、専務だった大多氏はおととし8月に今回の事案を把握し、当時の社長だった港浩一氏らとともに対応にあたりました。
報告書では、コンプライアンス部門と情報の共有を行わず、問題が起きた後も中居氏の番組への起用を続けるなど「一連の対応は経営判断の体をなしていない」としたうえで、港氏らとともに「性暴力への理解を欠き、被害者救済の視点が乏しかった」と指摘しています。
元編成部長ら5人を処分
フジテレビと親会社が設置した第三者委員会はことし3月に公表した調査報告書で、元アナウンサーの女性が中居氏から業務の延長線上で性暴力の被害を受けたと認定したうえで、経営陣の責任や企業風土を厳しく追及しました。
これを受けてフジテレビは社内で調査を進め、5人の処分を決めました。
このうち、元編成部長は4段階の降職と1か月の懲戒休職の処分としました。
第三者委員会は報告書の中で、元編成部長が中居氏に代わって女性に見舞金を届けたほか、弁護士も紹介していたことを明らかにし「二次加害行為と評価し得る」としていました。
さらに、中居氏らとのホテルのスイートルームの会合で2人の女性アナウンサーをその場に「置き去り」にして、セクハラ被害を発生させるなど2件の類似の事案を指摘していました。
また、当時の社長の港浩一氏らとともに対応にあたった元編成制作局長を減俸50%の処分、当時の人事局長を戒告とするなど、あわせて5人の処分を決めました。
フジテレビをめぐっては、役員の大幅な刷新や第三者委員会の報告書が発表されたあとも、多くの企業が自社のコマーシャルの放送を見合わせていて、今回の処分で信頼の回復につなげられるかが焦点となります。
【降職 懲戒休職】元編成部長とは
第三者委員会の報告書によりますと、元編成部長はチーフプロデューサーないし制作統括として、中居正広氏が不定期にゲスト出演していた番組などを担当していたほか、中居氏の出演番組「まつもtoなかい」では番組の企画・立ち上げに責任者として関与していました。
報告書では、元編成部長は2021年から被害者のアナウンサーだった女性を中居氏が参加する会合に誘っていたとしています。
また今回の事案では、中居氏に代わって女性に見舞金を届けたほか、弁護士も紹介していたとされ、報告書では「二次加害行為と評価し得る」と指摘しています。
さらに女性が退社した翌月の9月には中居氏にショートメールで「例の問題に関しては、ひと段落かなと思います。引き続き、何かお役に立てることがあれば、動きます!」と連絡していたとしています。
また、中居氏らとのホテルのスイートルームの会合で2人の女性アナウンサーをその場に「置き去り」にして、セクハラ被害を発生させるなど2件の類似の事案を指摘されています。
第三者委員会は、元編成部長の行動について「女性社員を危険から守るよりも有力な番組出演者への配慮を優先させる思考パターンを表している」と指摘しています。
【減俸50%】元編成制作局長とは
第三者委員会の報告書によりますと、元編成制作局長は今回の事案が発生した翌月のおととし7月13日に部下から報告を受けましたが、当時は「プライベートな男女間のトラブルだという認識を持ってしまった」と述べています。
その後、上司で当時専務だった大多亮氏に報告したのは、それから1か月あまりたった8月21日のことで、これについて元編成制作局長は役員への報告であっても情報漏えいのリスクがあると考えたとしています。
その後、当時の社長だった港浩一氏や大多氏らとともに対応にあたりましたが、報告書では港氏らとともに「性暴力への理解を欠き、被害者救済の視点が乏しかった」と指摘されています。
【処分】元常務は懲戒休職 元取締役のキャスターは処分されず
フジテレビと親会社が設置した第三者委員会の報告書で、ハラスメントなどの事案が指摘されたフジテレビの元常務取締役の石原正人氏は、2か月と2週間の懲戒休職の処分としました。
一方、同じく報告書でハラスメントの事案が指摘されたフジテレビの元取締役でBSの報道番組のキャスターを務めていた反町理氏は、過去に一度調査され処分はしないと判断されていることなどから、再び処分することはできないとしています。
元アナウンサーの女性への対応にあたった当時のアナウンス室の部長は、医師の指示などに従い、女性に対して配慮した対応を一貫して行っていたことから、処分の対象とならなかったとしています。
清水社長“人権にかかわる問題 丁寧な審議決定の結果”
フジテレビの清水賢治社長は「社員に対する処分も人権にかかわる問題という認識のもと、審議決定を非常に丁寧に進めた結果だとご理解いただきたい」と述べました。
そのうえで「処分を伝えると、異議申し立てをした方もいた。それを受けて結果が変わるか賞罰委員会に尋ねたが、変わらなかったということで今回の処分結果になっている」と述べ、事実の認定と処分の内容のそれぞれに対して、異議の申し立てがあったと説明しました。
また、清水社長は「今回、関係者に対する懲戒処分に時間がかかっているというご意見もいただいたが、被害にあわれた方の2次被害につながることがないよう、社員に対する処分も人権にかかわる問題という認識のもと、審議決定を非常に丁寧に進めた結果だとご理解いただきたい」と述べました。
中居正広氏の法的責任追及「すべての選択肢を残したまま」
さらに清水社長は、中居正広氏に対しても法的責任を追及する予定があるのか問われたのに対して「すべての選択肢を残したままという状態であるとしか申し上げられない」と述べました。
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