小泉農水相「営業利益が前年比500%は異常」発言にコメ卸大手が反論 「利益率は5%、暴利むさぼっていない」
「豊作時には赤字経験、適正な水準」
ところが、不作によるコメ不足になって、状況が一変したという。 「在庫がなくなるのを避けようと、小売店から『量を確保してほしい』と言われるようになり、価格転嫁を承認していただけました。少ない取り扱いであっても、利益が伸びて来たわけです。それまで1~2%だった利益率が、5%になりました。利益を上げ過ぎなのかといいますと、他の業界でも見られる利益率であり、そんなに暴利はむさぼっていません。これまで利益率が低かっただけに、大きな利益に見えてしまいますが、豊作のときには赤字を経験しています。お米を安定供給するのが卸の使命ですので、適正な水準だと考えています」 小泉農水相の500%発言については、次のように述べた。 「弊社だろうと分かるような形で、大臣のお立場で発言されました。しかし、営業利益を上げているのは、弊社だけではないのでは。市場でのシェアは4~5%であり、1社の立場で価格操作はできません。小売店で価格が形成されており、カルテルを結んでいることもありません」 コメが高騰している理由については、こんな見方を示した。 「不作の影響で、昨夏は、小売店の棚からお米が消えました。在庫を切らしたため、次のお米を押さえておこうとして、需給が乱れてしまいました。お米を扱ったことのない業者が参入して、投機目的でお米を確保しようとしています。こうした動きは、農水省も把握し切れていません。ブラックボックス化しており、それを明らかにする必要があるでしょう。お米の価格が一時的に下がっても、猛暑による不作などがあるかもしれませんので、今後どうなるかは見通せないですね」 (J-CASTニュース編集部 野口博之)
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