《相次ぐゾッとする報道》兵庫県の告発者潰しの「正体」が証言でも…斎藤知事の“許されない”言い逃れとは
配信
SNS言説のファクトチェック記事
先週、神戸新聞のファクトチェック記事が話題になった。 ・「斎藤氏の指示で学校トイレきれいに」は誤り 知事就任前からの取り組み 県教委がSNSの言説否定(6月5日) 【画像】青いワンピース姿で、近づいて笑顔でガッツポーズを…斎藤知事と慶應卒でPR会社社長女性の“密着写真” 読者からの「斎藤元彦知事の指示によって学校のトイレがきれいになったというのは本当か」という質問を調べたもので事実は違っていた。また、「高校にクーラーがついたのは斎藤知事のおかげ」との言説の一部はほぼ正確な情報だったという。 神戸新聞と言えば、朝日新聞に載った前編集局長のインタビュー(5月3日)が注目された。昨年の兵庫県知事選挙当時に選挙報道を率いた人物なのだが、斎藤知事を告発した人への「真偽不明のプライバシー情報が流布されても否定せず、沈黙を貫いてしまいました」とか、「知事選を経て、ジャーナリズムを強く意識するようになりました」と今さら述べていて批判を浴びていたのだ。 インタビューの最後には「我々にできることは『ファクト』を示すこと。虚偽情報、悪意ある情報と闘うこと」と語っていたのがせめてもの救いだった。今回の記事はその一環なのだろうか。 しかし選挙報道への姿勢が問われるのは神戸新聞だけではないだろう。インタビューを載せた朝日新聞も兵庫県知事選の翌日から「饒舌」になっていた。『選挙と立花氏 言動を看過できない』(2024年11月23日)と社説で書いたが、それならもっと早く言ってよ!と思ったのは私だけだろうか。 毎日新聞も社説で、 《見逃せないのは、今回の知事選で多数の偽情報が出回ったことだ。発信力の強い「インフルエンサー」らが「パワハラ疑惑はでっち上げ」など事実でない情報を拡散した。接戦となった他候補の評判を落とす偽情報も流布された。》(11月19日) と書いていた。
相次いでいるゾッとする報道
せめて偽情報が出回っていることを報道することはできないのだろうか? と当時感じた。そうした意味では私も「オールドメディア」にはかなり不満だったのである。取材をして裏付けをとる訓練を長年している「オールドメディア」はまだまだ利用できる価値があるはずだ。また、兵庫県知事選ではプロの業者がSNSで情報を仕掛けることを「種まき」「育成」「収穫」と言い、斎藤支持者の扱いを自慢げに選挙後に語っていたこともあった。そんな状況下ではなおさら既成メディアの情報も求められる。 知事選後には各新聞社が検証記事を載せるようになったが、それなら注目は今夏の参院選だ。全国紙も地元紙も、ついでにテレビも、選挙報道は本当に改善されるのか。大注目ではないか。 さてその斎藤知事だが「斎藤知事、減給50%3カ月案 兵庫県、条例改正案提出へ」(共同通信、2025年6月3日)というニュースがあった。知事の疑惑を告発した人の私的情報を元総務部長が漏らした問題を受けての「処分」案である。 しかしこれにはゾッとする報道が相次いでいる。 ・兵庫漏えい、「知事の指示」複数証言…「議会に根回し」を第三者委が認定(読売新聞、5月28日) 告発者の私的情報の漏えいを指示していたのは斎藤知事の可能性が高いと結論づけたのである。県の第三者委員会が複数の県幹部の証言を基に認定したのだ。なんと! そして、やっぱり! 情報を漏えいしたのは斎藤知事の側近の一人、前総務部長の井ノ本知明氏。井ノ本氏は「知事らの指示に基づく正当な業務だった」と第三者委に主張。昨年4月はじめ、斎藤知事らを内部告発した元西播磨県民局長の公用パソコンに私的情報を含む大量の文書があったことを知事に報告した。知事はその場で、「そのような文書があることを、議員に情報共有しといたら」という趣旨の発言をした。
- 209
- 735
- 126
関連記事
- 【画像】青いワンピース姿で、近づいて笑顔でガッツポーズを…斎藤知事と慶應卒でPR会社社長女性の“密着写真”
- 【あわせて読む】「知事を貶めた黒幕」と壮絶なバッシング…自死した前兵庫県議・竹内英明氏(享年50)の妻が初めて語った斎藤知事への“率直な思い”
- 【あわせて読む】「無茶苦茶な調査をやらされている」兵庫県・斎藤元彦知事疑惑の「文春の情報源」調査に県職員は悲鳴《公金約400万円を投入》
- 81歳ひとり暮らしの父がラブホテルから救急搬送、いったい誰と…? 息子が驚愕した“老いた親の性生活”
- 「どこまでもズブズブ」「消費者を軽視しすぎ」野村哲郎元農相(81)に総額7000万円の“JAマネー”献金、28人天下りも…JAと農水族“癒着報道”に怒りの声