埼玉県行田市が市有地の駐車場にコーヒー店を誘致する計画に市民団体が反対署名を市へ提出したところ、市職員らが署名者などを戸別訪問した問題の余波が続いている。

 訪問が市民の思想・表現の自由に反するとの懸念が出る中で3月に出店中止が発表されたが、市が広報紙などに載せた中止経緯の説明文に市民団体から抗議文の表明が相次ぐ。記者が把握しているだけでも3団体。他に市民個人が抗議のチラシを作り、記者宛に市を批判する市民の手紙も届いた。

 市民たちが主に疑問視するのは、表現の自由などの懸念に広報紙が「市の行動は真実を丁寧に説明するもので、これには当たらない」と説明した点だ。各抗議文は「市に都合のいい主張のみ発信している」などと批判。市は1団体への回答書で「市としては反対署名した市民に翻意を促す説得をしたのではない」などと反論した。

 5月末の市の定例記者会見で、記者は各抗議文への見解をただしたが、コメントはなかった。この問題は市民たちの心に深い爪痕を残している。(菅原洋)