「……それで、これは何の真似だよ(半ギレ)」
俺は目の前に佇む仲魔三体へ向け溜息を吐きながら言った。だって目を覆いたくなるほど異様な光景が広がっているんだよ。もう帰ってさっさと寝てえわ。
その言葉に野獣が……正確には、ガルパンの西住みほの姿をした野獣が返した。
「だって俺の好感度が低いのってお前がノンケだからじゃんなあ? ホラ、見とけよ見とけよ~。念願の美少女悪魔だルルルォ!?」
「蠢いているんだよボケェ!(全ギレ)」
この姿は、あれだ、ホモパンBBシリーズとして大量に作られた、野獣先輩で象られたガルパンの登場人物の姿である。なんだってそんな説明をしなければならないのだよ(半ギレ)
「そんな事を言わないで下さい! サマナーさん、ちんぽもシコシコ作戦開始ですっ!(NSZMMH先輩)」
「死ね(全ギレ)」
「そんな事を言うな。西住流に逃げるという道は無い(NSZMMH先輩)」
「死ね(全ギレ)」
「こ、こんな年増に、こんな服を着せるなんて……! この変態ッ……!(淫売の娘の母親先輩)」
「なんでそこだけエロ同人体型なのだよ(全ギレ)」
あと本当に蠢くの止めろ。知 る 権 利として正体を現すな(吐き気)。元々大量のBB素材から作られたせいで、集合体恐怖症への特攻存在になってるじゃねえか。
「なんだってテメエがいて止めねえんだよイーノック! あとなんでお前も女体化してんだよイーノックゥ!」
「私の源流は神霊:シャダイだからな。シャダイは神の地母神的、女性的側面だ。だから私が女になるのも大丈夫だ、問題ない」
「問題しかねえんだよ(半ギレ)」
イーノックも常のドヤ顔ジーパン姿を放り出し、娼婦のような格好(直球)をした金髪少女になっている。どっかで見たことあると思ったら、あれだ。神話構想のガリエルだった。
「大天使がそんな痴女みてえな格好で良いと思ってんのか? 変な格好の仲魔連れてたら俺が変態みたいに思われるだろうが!(もう手遅れ)」
「いや、普通の天使:エンジェルも中々大丈夫じゃない格好しているがな……」
「それはそう」
まあ、ここまでは前座である。クソッタレBB素材と痴女のイーノック(パワーワード)が前座に過ぎないってのが最悪だが、しかし目の前のニンジャ存在には困惑しか覚えない。
「お、お前……なんであの魔人アリスの顔してるの……?」
「彼女も大破壊の被害者だからだ。彼女も私だ! ドーモ、魔人:デッドエンドです!」
「えぇ……(困惑)」
申し訳程度に赤黒のマフラーを靡かせながら、そう言ってお辞儀をするのは金髪の少女である。アリスにそっくり、ってかある意味アリス本人らしい。なにそれ(哲学)
「私が魔人なんぞになり、汚らしいアクマに育てられている世界が無数にあるとは、虫唾が走る! 今すぐ殺しに行くぞ! 走れ! サマナー! 走れ!」
「えぇ……(ドン引き)。あと、デッドエンドってニンジャはもういるだろ……」
「クチゴタエスルナー! とにかく奴等を死なせてくれる!(アリス要素)」
「呪殺じゃなくてカラテで殺しに行くのか……(困惑)」
しかし、言いながらもニンジャは飛び出さない。何故ならば、その最短経路が目の前にあるからだろう。
奇怪な三人組の前で「うわぁ……(ドン引き)」と顔を引き攣らせている二人と、妙に気合いの入っている一人。即ち器ちゃんとエリーとライドウである。彼女ら三人娘と三馬鹿は、共に対決するように対面していた。
「この勝負に勝ち、憎き私の可能性を殺し尽くしてくれよう! ドーモ、よくわからない=サン。デッドエンドです!」
「いや、よく分からないって……別にデビル・ファクトリーの門を開くのは良いんですが、何なんですか勝負って……」
「あはは! イーノック様もちょっと自由すぎますって! もう笑うしかありませんよ!」
「エリーザベト、今の内に言っておこう。……そんな装備で大丈夫か?」
「あ、乗り気なんですね。あはは! はあ……」
そう、何故かは知らんがこの三馬鹿共は、同じく三人の少女達を指名し、勝負を挑んだのである。場所はヤタガラス内の食堂ではあるが、何の勝負かは知らん。俺は例の如く何も知らされていないのである。勝手にCOMPを抜け出して方々出向くんじゃねえ(半ギレ)
「そもそも何故、女性になっているんです? いや変化できる理由は先程聞きましたが、変化した理由は謎なんですが……」
そうエリーが言った途端に「†悔い改めて†」と野獣が挑発するように言い放った。「はあ?」とまさか野獣如きに悔い改めろと言われたエリーは額に青筋を立てた。
「そんなん女体化してヒロインの座を奪うために決まってるだルルルォ!? お前らにサマナーは任せらんないから(挑発)」
「あーっ何言っているのか分かりませんが、取りあえず蠢くのを止めて下さいよ、塵」
「ひ、人を塵呼ばわりとかこいつやりませんねぇスギィ!!! さっさと殺そうぜ! 日が明けちまうよ!」
「こいつは話を聞かないからな……。勝負するだけだと言っただろう、野獣」
「いや、そこのサタンの戯言はともかく、何でイーノック様まで乗り気なんですか……?」
エリーが恐る恐る言ったのに対し、イーノックは鋭い目を向けた。珍し。エリーも青い顔をしていやがる。だけど本当にナンデ?
イーノックは溜息を吐きながら、その少女らしい姿には似合わぬ、落ち着いた口調で言った。
「愛情を伝えるのに、人の、首を、絞めるのは、大丈夫じゃない(厳格)」
「あっ……(察し)。い、いやいやいや。あのですね、それはですね、私と本庄さんの関係を考慮してですね! 分かりやすく伝えようとですね! それともイーノック様ならあの状況で他に良い手段が思い付くんですか!?(早口)」
「……君は神を試すのか?」
「ッスー……申し訳ございません(震え声)」
「何時も思うけどそんなのズルいよなぁ? 天の喝采~人として~(サタン並感)」
「最終的に全員殺せばよいのだ!(極ニュートラル並感)」
「あーうるせえうるせえ喧嘩すんじゃねえよお前ら。何かするならあくしろよ(適当)」
俺がそう言ったのを皮切りに、三馬鹿共は渋々元の位置に戻った。で、何すんの?「料理対決です」……は?
「料理対決を挑むと、そこのサタンは言いました。三人で協力してそれぞれ料理を作成し、審査員である貴方に賞味して貰い、それでひろいん力? というものを測るのだとか」
「腕が鳴りますね」と、本当にパキパキと腕を鳴らしながらライドウは言った。バラエティ番組か何か……?
「まあ、あんまり熱くない奴で頼むよ。ほら、今の僕って猫舌だからさ」
「何だお前!?(驚愕)」
不意に調理場に紛れ込んでいた黒猫が物を言いだしたんですがそれは(困惑)。え、何? 誰かが使役しているネコマタでも紛れ込んだ?
「にしては、なんか悪魔っぽくねえなぁ……猫かな?」
「猫だよ?」
「おいにゃんにゃんにゃん?」
「なんだよ気持ち悪いなあ。君って猫が好きなのかい? だからって僕を猫可愛がりしないでくれよ。そこの三人に三味線にされそうだからさ!」
「……お前キョウジだろ(名推理)」
「残念! 業斗童子だよ、今の僕は」
猫のくせに全く可愛らしくない声は非常に聞き覚えがある。ボケクソカスのクソッタレゴミキョウジ(二代目)である。何故ここに? 自力で脱出を? だったら縛らなきゃ(使命感)
「いやいや、業斗童子ってのは葛葉の流れを汲む罪人に対する罰のようなものだよ。魂に畜生の身体を着せて従者として使い潰すのさ。今はカオスの化身の従者だね」
「あ……あの私……実は猫のファンなんですよ……今からでも変えて貰って良いですか……」
「カアイソウニ……カアイソウニ……じゃけん勝負のために煽りましょうね~(人間の屑)。お前のペットは因習の糞元凶!」
「あざーっす!(全ギレ)」
「さ、三人に勝てるわけないだろ!(他人任せ)」
「だからさっさと話を進めろっつってんじゃねえかよ(半ギレ)」
ライドウに羽交い締めにされながらも野獣をぶん殴ろうとする器ちゃんであったが、身長差から足が浮いてしまってバタバタと暴れるだけになっている。それにライドウが「どうどう、ライドウ(激寒)」草。じゃねえんだよ! 「面白かったですか」……まあ一発ネタとしては。「やりましたね(満足げ)」話を進めろっつってんだYO!
「あーもう収拾が付かないから始めるぞ! はい、よーいスタート(棒読み)」
「なんでわざわざ棒読みなんだい?」
「伝統だから」
「相変わらず意味分かんないな君……」
そんなこんなでデデドン893分クッキングが始まったが状況は動かなかった。三人娘の方はまず何を作るかが決まっていないのである。「まあ、乗りかかった船とも言いますし!」とエリーが音頭を取って始めようとしているようだが。
一方で三馬鹿の方は「白菜かけますね~(鍋物)」「パンと葡萄酒で大丈夫だ大丈夫」「ニンジャの……スシ!」と取っ組み合いの喧嘩をしていた。何やってんだあいつら……(呆れ)
「あの三体の悪魔が勝負仕掛けたんじゃないの? なんで事前に何も決めてないわけ? ねえ解説の三代目葛葉キョウジ君」
「三代目葛葉キョウジ君!?」
「えっ何その反応」
キョウジからの心ない罵倒に傷付く俺……。「いや人の名前を罵倒扱いとか酷くない?」酷くねえよ(半ギレ)
「……まあ、さっきの会話でもあったけどさ、あいつら悪魔としては根本的に敵対する属性なんだよね。だから仲悪いんじゃない?(適当)」
「確かに、メタトロンとサタン、そしてその被害者の怨念足る魔人……意見が合うはずもないね」
別にこのまま負けてくれやがっても良いのだが、何も出来ないで負けたら、それはそれでリベンジだの抜かして面倒臭い事になりそうなので声を掛けることにする。
「おーテメエら」の声で止まり、目を向けた三人の美少女共(一名除く)に、俺は言った。
「あくしろ」
「おかのした!」
「大丈夫だ、問題ない!」
「殺すべし!」
「急に息ぴったりになったね……」
三馬鹿共は急に息を合わせ、どころか肩を組み合って円陣を組んで「ネットミーム・デビルサマナー!(タイトル回収)」と謎の掛け声を発していた。野獣はともかくイーノックとニンジャは折角の美少女姿なんだから、思いっ切り腰を落として叫ばないでクレヨン……。
もう見たくもないので三人娘の方に視線を向けるとする。話は纏まったようで、エリーは鍋に火をかけ、器ちゃんは冷蔵庫から食材を取り出していた。そしてライドウは何故か俺に近付いてきた。
「本庄、杵と臼を返して下さい」
「……餅搗くのお前?」
「搗きます」
「そ、そう……」
いきなりネタバレをされたが、まあ元々奴の(家の)物なので返すことにする。でもこれ、悪魔とかの頭ぶっ叩きまくって血塗れなんだけど……「それで搗いた餅を貴方も食べたではないですか」そういやそうだったわ。
それに対し、「バカ! ウカツ! サプライズも考慮せぬサンシタだったかお主は!」と、ニンジャが調子に乗ったようにメスガキ顔でライドウを嘲笑する。金髪少女の姿をしているからか、何時もより子供っぽくなってない?
「ちょっと普通……三点! これはもう勝ったな(確信)」
「野獣、そんな余裕で大丈夫か? 神は言っている。さっさと取り掛かれと」
「オッスお願いしま~す!」
「ガンバルゾー!」
罵るだけ罵って三馬鹿は帰っていった。何なんだよコイツら(呆れ)。イーノックも普段とは違い、強く諫めず勝負を急いでいる。霊格変更の影響が出まくってるじゃないかたまげたなぁ……。
それで三人娘の方は調理に取り掛かり、ライドウは臼の中に炊いてあった餅米を入れ、ぺったんぺったんというかドガドガバギバギ搗いている。機関銃みたいだなお前な。
その一方で器ちゃんがニンジンやら大根やらをピーラーで皮剥きして、エリーは火に掛けた鍋をじっと見つめて動かない。おい。
「一人だけサボっているんですがそれは……(呆れ)」
「え? 私はお湯を沸かしていますよ?」
「コイツマジか? 器ちゃんも白い目で見ているじゃねえか」
皮剥きの終わった野菜をイチョウ切りにしながら、器ちゃんはエリーを見つめ、「くくく……」と自信を溢れさせる笑みを浮かべた。笑みの割に手つきは丁寧である。どこからか取り出した割烹着も様になっている。
「医食同源と言うじゃないですか。
「え? そんな事はハウスキーパーにでも任せておけばいいでしょう?(権力者)」
「女中に任せれば良いのでは?(お嬢様)」
「本庄様ムカつくんですけどこの人達!(生まれも育ちも因習村)」
「ま、まあ多少はね?(取り成し)」
「それに私、箸より重いものを持った事がないんですよね!」とエリーはすっかり二人に全てを任せるつもりでいる。まあその背後からライドウが「では餅搗きに合いの手を入れて下さい」「え゛っ」と言って引き摺っていったが。かわうそ……。
その一方で、器ちゃんは包丁を使いながら、唇を尖らせ不満げに言った。
「……そもそも、私は勝負なんかに納得してないんですよ。そこのゴミがイーノック様とニンジャさんを誑かしているのならば、直ちに血祭りに上げるべきでは?」
「あっ(冷や汗)お、お前さサマナーさ! この勝負の行く末チラチラ見てただろ!(言いがかり)」
「うわ俺を巻き込むんじゃねえよ!」
ペルソナ顕現の気配を察したのか、急に野獣がまた無茶を言い出した。そう言っている間にも姿がころころ変わりやがる。淫売の母親の娘先輩やら少名針妙丸先輩やら、その形態は実に多岐に渡るが、特徴的なホラホラステップが常に付随しているので正体が丸わかりである。
器ちゃんも「ホラホラホラホラ」とクッソウザい煽りに苛立ちながら、しかし野獣の「勝負には賞金とかご褒美とかが必要だよなぁ!?(強弁)。ん? 今、何でもするって言ったよね?(創造です)」とかいう発言に「なにっ!?」と包丁を使う手を止めた。えぇ……。
「い、いえ……ふん。痛々しいくらい必死ですね。悪魔というより猿ですね!」
「何だよ興味津々かよお前よぉ! これは毎晩考えてる『オチンチン見せて』が出るかぁ!?(煽り)」
「あ、あーっ!? 何言っているのか分かりませんよ!?」
「えっ、何その反応は……(ドン引き先輩)」
「ねぇやっぱりこの蛆虫殺しましょうよ!(全ギレ)」
あーうるせえ! 倍速だ倍速! もう収拾が付かないから描写スキップで良いんだ上等だろ!
……で、数十分後。グロッキーな顔のエリーが差し出したのは、つきたての餅と澄まし汁である。正月かな? 五月だけどな。だけどなんで餅?
「ふへへへ……エリーの提案ですが、本庄様が私に食べさせてくれた思い出の代物ですし……!」
「杵があるので。臼もあるので。葛葉の」
「ヒュー……本庄さんとの……ヒュー……共同作業……コヒュー……あの時、お兄ちゃんだけ……ゼヒュー……ずるいから、私も……ゴヒュッ……!」
「もう良いから休め! 布団を敷こう! な!?」
化け物体力の二人とは違い、エリーはほぼ常人並みの体力なのである。自分で自分に回復魔法を掛けながら、エリーは床に突っ伏した。
その一方で、三馬鹿の面々は自信満々の顔である。今は美少女姿だが。野獣も気に入ったのか淫売の娘の母親先輩から姿を変えねえし、調理人の見た目で失点を付けるわけには行かねえようだな(クズ)
「三十六……普通だな! これは勝ちましたねぇ!」
「そういや途中から見てなかったけど何作ってたんだ? まともに食える物を出せよ、頼むから」
「大丈夫だ、問題ない。私達の結束を見せてやろう」
「ミヤモト・マサシに曰く、『大勢で一人を攻撃すれば楽に倒せる』! サマナー、感想としてハイクを詠め。カンシャしてやる」
「トンチキ度合いにツッコミが追い付かないんだけど……」
それで自信満々に三馬鹿が出してきたものとは……。
一つ目、白菜の入った鍋。
二つ目、パンと葡萄酒。
三つ目、スシ。
……あ、あのさぁ……。
「全然協力できてねえじゃねえかお前らよぉ! 意見バラバラのまま最後まで別々に完成させてるじゃねーか!」
「ま、多少はね? この辺にぃ、美味いラーメン屋の屋台、来てるらしいっすよ(更に追加)」
「大丈夫だ。何だったら魚も出してやろう。五千人分は作れるから問題ない(神の奇跡)」
「マグロ。シロミ。イカ。トビッコ。マグロ。バイオウニ。アボカド。オキアミ。マグロ。成形もの。タマゴ。イカ。トビッコ。シロミ。サバ。マグロ(飽和攻撃)」
「うんこの量が多すぎる!(みらいよち)」
食えるかこんなもの!(量的な意味で) それに全然協力してねえじゃねえかボケ!
「……というか、バイオウニってそんなもの冷蔵庫に入ってなかっただろ? なにこれ」
「プディングにショーユを付け、ノリで巻いたものだ。バイオだな!」
「子供の発想だこれ……ニンスレが完全にメスガキになってる……」
というかこれ本当に全部食べて判定するの? ぜってぇ食い切れないだろ。判定もクソもねえだろ。
「まあ、そもそも自分達から『協力』と条件付けたのに、まるで果たせていませんからね。私達の勝ちで良いですよね? イーノック様!」
「猫の口って奴を考えてくれよ。鍋は熱いしアルコールは毒だし、魚だって身体に悪いんだよ。僕は健康志向なんだ」
「いや誰もお前の感想なんか求めてねえよ。まあ以上を以て、三馬鹿の不戦敗! 終わり! 閉廷!」
「食いもせずに判定とか酷スギィ!」
野獣は文句を付けてくるが、イーノックとニンスレはもう敗北を受け入れているぞ。「やっぱりダメだったよ」「ハイクは詠まんがな」と、元の姿に戻った。
いや、元の姿に戻った途端「ヌゥーッ……!」とニンスレが崩れ落ちた。ど、どないした……?
「ま、まあ俺も自分の与り知らぬ所でメスガキやってたら死にたくもなるけどさあ……(追い打ち)」
「私が子供……私の子供……! トチノキ……オオ……トチノキ……!」
「あっ(察し)……いや散々トンチキやった挙げ句に重いんだよぉ!」
「
「それでテメエは何時になったらはしたない母親から元に戻るんだよ(半ギレ)」
そんなメチャクチャな状況だから器ちゃんらの方も全然喜んでないんですがそれは。「いや食べてないからですよ。食べて下さいよ。食べなさい本庄」お、おう……ライドウ、圧が強いな……。
まあ俺はそんな立派な舌を持っていないので、普通に食って「うん、おいしい!」であるが。それでも三人とも嬉しそうにしていたのは良かった。
「いや熱いから低評価だよ。それに猫に餅を食べさせるとかなに考えてるわけ? これだから最近の若者は……澄まし汁も塩分多すぎるしさあ……」
「なあ器ちゃん、上に掛け合ってコイツを猫からゴキブリにでも変えようぜ! 遠慮なく潰すことが出来るからさ!」
「不快人格が不快害虫になって更に不快になりそうですよ、本庄さん!」
「言うねぇ君達……あと謝るから本当にゴキブリだけは止めてくれないかな……いや本当に謝るから……」
キョウジが明日にはゴキブリになっていることを信じて!(未完) まあともかく、不戦勝という勝ち方だったがそれでも勝ちは勝ちである。
「と言うわけで、勝者! ……えーと、何の集まりなの?」
「えっ、今更聞きます? 外れた運命者繋がりとかじゃないんですか? 属性的にロウ・ニュートラル・カオスですし」
「月見仲間ですね。私達と貴方の」
「いやこっちに振らないで下さいよ本庄様……。うーん、塵の被害者の集まりですか? 存在そのものが不愉快なので」
「お前『敵』ゆんか??? そんなのサマナーをノンケにしやがるメスガキ共の集まりに決まってるだろ! いい加減にしろ!」
「俺は元々ノンケです(半ギレ)」
「ノンケなら俺の美少女姿にときめかないはずがないんだよなぁ……(呆れ) ホラ、見ろよ見ろよ! ホラホラホラホラ!」
うぜ~……。そう思っている間にも野獣はころころ姿を変え、鬼人正邪先輩やら格言おばさん先輩やら、脇毛を生やし白目を剥いて紫色の唇を蠢かす非常に肩が凝ってそうな巨乳ヴォエエエエッ!!!(嘔吐)
「食べてないのに吐くとかどういうことなの……(レ)」
「テメエのせヴォエエエッ!!! いや頼むから止めろ! その史上最悪のBB(129件)だけは止めろマジで!」
「しょうがねぇなぁ(嘆息)」
そこでようやくステハゲ(肩こりのすがた)はステハゲ(親の顔より見たすがた)に戻った。本人も「んにゃぴ……やっぱり、自分……の方が一番良いですよね」とか満足げにしていやがる。
「……でも、これでお前がホモだって証明されたルルルォ? ノンケはこんな乙女に吐くわけないってはっきりわかんだね」
「お前ほんと死ねよ(全ギレ)」
言いながら、荒れた胃を癒やすために澄まし汁に餅をぶち込んでお雑煮として食っていく。うん、おいしい! こういうので良いんだよこういうので。「いや、口直しに食すのは止めて欲しいのですが。よく食が進みますね、本庄」一年一緒に過ごして慣れちゃった(悲しき怪物)
そんなこんなで(強制終了)、こんな量の料理を一人で処理できるはずがないので、その後は皆で卓を囲んで食事会と相成った。
宴会芸として水を葡萄酒に変えて呆れたような目で見られたり、ニンジャのガンフィッシュを生で見られたりと、色々あったが楽しかったよ。
本当に楽しかった。こいつらと、彼女達と、一緒にいられて。