“認知症発症関わるたんぱく質”うつ病患者の脳に高割合で蓄積
認知症の発症に関わるとされる「タウ」と呼ばれるたんぱく質が、40代以降に発症するうつ病などの患者の脳にも高い割合で蓄積していることが分かったと、量子科学技術研究開発機構などの研究グループが発表しました。
うつ病などの病気は認知症の前兆である可能性を含めて調べることで、認知症の早期診断などにもつながるとしています。
量子科学技術研究開発機構の高畑圭輔主任研究員らのグループは、40代以降に発症するうつ病や双極性障害などの病気と認知症との関連を調べようと、脳に蓄積して認知症の発症に関わるとされる「タウ」と呼ばれるたんぱく質に着目しました。
グループでは、脳内への「タウ」の蓄積を画像によって可視化できる検査方法を開発し、うつ病や双極性障害を発症した人と健康な人の脳を比較しました。
その結果、これらの病気を発症した人のおよそ半数で「タウ」の異常な蓄積が見られ、年齢などの影響を考慮すると、その割合は健康な人の4.8倍高かったということです。
グループでは、40代以降にうつ病や双極性障害などの病気を発症した場合には、認知症の前兆である可能性を含めて調べることで、認知症の早期診断や治療にもつながる可能性があるとしています。
高畑主任研究員は「中高年以降に発症するうつ病などの『気分障害』が認知症の初期症状であるという可能性が示された。将来、『タウ』を標的とする薬剤が開発されれば『気分障害』の患者も治療の対象となる可能性がある」と話しています。