長嶋茂雄さん告別式 次女・三奈さんが喪主 弔辞は王氏、中畑氏、松井氏 長嶋氏イメージしたオレンジ祭壇

[ 2025年6月8日 16:00 ]

<長嶋茂雄氏告別式>長嶋さんの告別式であいさつする喪主の次女・三奈さん(中央)と長男・一茂さん(左)、読売新聞グループ本社社長で巨人の山口オーナー(読売新聞社提供)
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 肺炎のため3日に89歳で死去した巨人軍終身名誉監督の長嶋茂雄さんの葬儀・告別式が8日、都内の斎場で営まれた。式には親族、葬儀委員長の巨人・山口寿一オーナー(68)やソフトバンク・王貞治球団会長(85)、巨人OB会長の中畑清氏(71=本紙評論家)、燦燦会の御手洗冨士夫会長(89)ら96人が参列した。喪主は次女の長島三奈さん(57)が務めた。

 祭壇には長嶋さんが大好きなジャイアンツカラーのオレンジの花を基調に敷き詰められ、背番号3のユニホームや、伝説となった天覧試合でのサヨナラ本塁打を打ったバット、国民栄誉賞受賞時に授与したバットなどが飾られた。中央には笑顔の長嶋さんの遺影が置かれ、多くの人を笑顔にした長嶋さんらしい明るい祭壇となった。斎場には現役時代のユニホームやグラブ、バット、新人王トロフィーなどさまざまなゆかりの品が展示された。

 弔辞は王氏、中畑氏、松井秀喜氏の3人が読み、王氏は「『長嶋茂雄』に戻ってゆっくりとお眠りください。さようなら」などと盟友に別れを告げた。V9のチームメートや監督時代の選手など多くの関係者が、ミスターを悼んだ。

 三奈さんは喪主として亡くなった当日のエピソードを開かした。「6月3日、朝6時過ぎに、病室におりまして、脈拍と血圧の数値が0になったんですが、よく見ると、波形が、ピッピッと山なりの波形が、ずっと続いているんです。看護師さんに『これ、どういうことなんですか』と聞きましたら、『監督が心臓を動かそう、動かそう、動かそうとしている振動なんだと思います。私、こんなの見たことありません』。看護師さん、主治医の先生方、最後まで驚いていました。最後まで長嶋茂雄を貫いた人生を送ったと思います」と語った。

 7日に行われた通夜では、長嶋さんの棺を乗せた車が東京ドーム周辺を通って斎場に到着。参列した巨人・阿部慎之助監督からは長嶋さんの死去後初勝利となった7日の楽天戦でのウイニングボールが三奈さんに手渡された。喪主としてあいさつした三奈さんは松井秀喜氏と長嶋さんとの関係について語った上で「実は松井さんと私でちょっとある約束をしていたことがありました。それは、松井さんが次の巨人の監督になられるかのような雰囲気を父に醸し出しておけば、父は毎年そのことを楽しみにリハビリをもっともっと頑張るので、松井さんどうか父が100歳になるまで言い続けてください。もう題して『監督やるやる詐欺』しましょうと、ずっと松井さんと話していました。今ちょっとここで話してしまったので、多分父も聞いているかと思います」などと秘話を語った。

 04年3月に脳梗塞で倒れた長嶋さんは「必ず元気になるんだ。諦めた人生なんて面白くない」と不屈の闘志で厳しいリハビリを乗り越えた。右半身にまひが残るものの13年の国民栄誉賞表彰式の始球式では打席に立った。22年9月に都内の自宅で尻もちをついた際に後頭部を打ち、脳内に出血があり緊急入院。院内でリハビリを行い回復に努めた。そんな中でも野球愛は不屈でプロ野球に大リーグ、高校野球もテレビ観戦。体調を見て入院先から球場に足を運んだ。3月に東京ドームを訪れ、ドジャース・大谷翔平を激励。それが公の場での最後の姿だった。

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