法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS-』第9話で、NPOという建前を語った非正規ヒーローに対して、ニコニコ動画でNPOそのものへの不信感がコメントされていた件

 該当描写は開始4分半から5分半ほど。映像の無料配信は月曜23時ごろに終わるが、その後もコメントの確認はできるはず。
ヴィジランテ -僕のヒーローアカデミア ILLEGALS- 第9話「猛母襲来!」 - ニコニコ動画
 リアルタイムで原作は読んでいたので、その時の反応からも予想できるようなコメントが複数ついていた*1

主人公の師匠がNPO法人の肩書がある名刺を女性に渡す場面の、名刺のアップ

 さすがにNPO自体には特に陰謀的な意味合いはないことや、社会的に意義のある活動をしていると指摘するコメントもある*2

実際は暴力的で非正規なヒーロー活動をNPO活動として説明する、主人公の師匠のバストアップ

 しかし近年にインターネットなどでさまざまな攻撃にさらされている一般社団法人Colaboについて、攻撃に同調するような言及もあった*3

嘘ではないが誤解をまねくように主人公の師匠が説明して、実態とは異なる情景のイメージが背後に浮かぶ

 こうしたコメントがひとつでも存在して、反論するコメントも目立たないことは、Colaboの名誉が回復されていないことの証明といえるだろう。


 この作品でのColaboへの言及には、別の外伝『僕のヒーローアカデミアすまっしゅ!』を連載していた漫画家が、攻撃を先導していた暇空茜こと暇な空白氏への支持を表明したことも思い出される*4
『僕のヒーローアカデミア』で知られる漫画家も暇空茜さん支持を表明 光のヒーローたちが暇空さんのもとへ集っていく - posfie
 念のため、『ヴィジランテ』はまったくの別作品であり、物語の担当者も別個に立てられている。
 基本的に治安組織に組みこまれた『僕のヒーローアカデミア』本編と違って管理されないヒーローを主人公とする物語である以上、作品そのものはNPOのような活動を原則的には肯定しているとは解釈するべきではあろう。
 そのような作品をおそらく好意的に楽しんでいる視聴者が、NPOへの不信感を複数コメントしているからこそ深刻だともいえるが。

*1:開始4分46秒。もちろんNPOに全幅の信頼をおく必要はないし、社会を構成する一員として相互に監視する必要はあるが、それはNPO固有の問題ではない。

*2:開始4分46秒。

*3:開始5分5秒。

*4:Togetterのコメント欄で2022年12月ごろのインターネットの雰囲気を確認できるところも興味深い。