かつては「関東連合」とも大抗争

「まさかトクリュウの『女ボス』が、ここまで美人だとは思いませんでした……。しかも、男まさりで気がめっぽう強い。捜査関係者も、取り調べの際に思わずしどろもどろになってしまったようです。彼女の逮捕は、組織にとっても大打撃だった。それほど精神的支柱になっていたのでしょう」(捜査関係者)

警察庁や警視庁が最重要課題に挙げている「トクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)」。その中でも、準暴力団である「打越スペクター」(以下、打越)関係者の逮捕が、昨年から続いている。

警視庁は、打越の関係者が昨年関東一円で相次いだ連続強盗にも関与していると発表。組織の全容解明のため、捜査を続けている。

そもそも打越とは、東京都八王子市を拠点に活動していた暴走族のOBで構成されている集団で、発足は'70年代にさかのぼる。かつては「関東連合」('73年に発足した暴走族集団)などとの争いが絶えずに抗争を繰り広げてきた。

'00年代以降も暴行事件や死体遺棄事件を起こし、前トップの齋藤邦実被告は死体遺棄や強盗致死罪で懲役28年の判決を受け、現在服役中だ。そして3月13日には、現在のトップで邦実容疑者の弟である齋藤竜実容疑者(36歳)が、詐欺未遂の疑いで警視庁に逮捕された(2日付けで詐欺で起訴)。

「竜実容疑者はリフォーム詐欺会社の実質的経営者で、いわゆる『点検商法』で高齢者宅などから金をだまし取っていた」(全国紙社会部記者)

そもそも、竜実容疑者が経営していたリフォーム会社の従業員かつ打越のメンバーたちが、リフォーム詐欺の疑いで警視庁に逮捕されたのが'24年7月だった。

トップは嫁に頭が上がらなかった

打越に詳しい関係者は「打越はもともと、オレオレ詐欺をやっていた。数年前からリフォーム詐欺で稼ぐ連中が巷に現れると、『リフォームの方が手軽に稼げそうだ』と真似てシノギを変更。不必要な工事を持ちかけて、ずさんな床下工事を繰り返していた。だが思ったよりは稼げなかったため、現在はオレオレ詐欺での資金調達に戻った」と内情を話す。

竜実容疑者はその後、リフォーム詐欺などで再逮捕された。ところが3回目の容疑は、居住実態がない自治体に住民異動届を出した「電磁的公正証書原本不実記録の疑い」というニッチな罪名。4回目の容疑は、他人名義で「晴海フラッグ」のマンションを借りた詐欺容疑だ。

前述の関係者は「正直、オレオレ詐欺やリフォーム詐欺で捕まるならまだ分かります。でも保育園やマンションなど、本職とは全然関係ないことで捕まって、(竜実容疑者らの)拘留が長引いてずっと出てこられないでいる。警察の嫌がらせとしか思えない」と弱音を吐く。トップを失った打越は現在、活動を縮小しているという。

こうした捜査の内情について、全国紙社会部記者は「何が何でも打越のトップを世に放ちたくないという、警察の意地。半ば強引ではあるが、どんな罪名でも拘留を延長して保釈させないために再逮捕を繰り返している」と明かす。

さらに、3回目と4回目の逮捕時には、竜実容疑者の妻のA容疑者(27歳、2日付けで不起訴)も逮捕されたことも特筆すべき点だ。捜査関係者はA容疑者について、こう証言する。

「気が強い感じで、きれい系の美人です。女優で言えば北川景子に似ていますね。(竜実容疑者は)Aさんに頭が上がらず、しっかり言うことを聞いていました。8歳年下のA容疑者が、事実上のトップと見る関係者も多いです」

2人の間には3人の子どもがいて、1番下は0歳児。居住実態のない自治体に住民異動届を出したのは、子供を保育園を入れたいという動機があったという。「よりブランドの高い区の保育園に入れたいという、Aさんの強い意向だったらしい」と別の捜査関係者は明かす。

実際に、取り調べではほぼ黙秘を貫いているという竜実容疑者だが、A容疑者のこととなると「妻だけは勘弁してほしい」と頭を抱えているという。

晴海フラッグへの居住も、準暴力団員である竜実容疑者やその家族の名義では契約できないため、不動産仲介業者なども巻き込んで契約を強行したという。警視庁はほかの逮捕事実でも逮捕を繰り返したい意志があるという。

打越のトップの逮捕のあと、5月には「妊娠示談金名目で金をだまし取った」詐欺の疑いで、警視庁は打越の関係者4人が逮捕された。その中には竜実容疑者と親しい人物もいたという。

「この詐欺の逮捕発表時に、捜査幹部は『広域強盗との関連性を調べている』と明言した。つまり、打越が広域強盗の首謀者とかかわりがあったと、警視庁が公言したということ。このほかにも薬物関連などで打越関係者が次々に逮捕されており、『打越潰し』が始まっている」(全国紙社会部記者)

警察庁および警視庁の威信をかけた捜査の手は、どこまで入り込めるのか。注目が集まる。

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