今回は、負の数の累乗の割り算にチャレンジしてみましょう。
負の数の累乗は難易度が少し上がります。だからこそ、正解できれば累乗の計算に自信が持てるはずですよ。
問題
次の計算をしなさい。
(−10)^3÷(−10)
特に答えの符号に注意してくださいね!
解答
正解は、「100」です。
問題には負の数が二つありましたが、答えは正の数になりましたね。
どうしてこのような答えになるのか、次の「ポイント」で確認してみましょう。
ポイント
今回の問題のポイントは二つあります。一つは「累乗の計算方法」、もう一つは「負の数の掛け算、割り算の答えにおける符号ルール」です。
それぞれ、順番に解説していきますね。
累乗の計算
まずは、累乗の計算方法について確認しておきましょう。
累乗とは、「同じ数を何個か掛ける計算」のことです。
例えば、累乗の一種である「2^4」は「2の4乗」と読みます。このとき、掛ける数は2で、掛ける個数は4です。
累乗は掛け算の形にも直せます。
2^4
=2×2×2×2(2を4個掛ける掛け算)
ここで、「指数」という言葉も覚えておきましょう。
「指数」とは、累乗において掛ける個数を表した数です。「2^4」であれば、指数は4です。
※指数は通常掛ける数の右上に小さく書きますが、上付き文字が使えないテキストでは「^」を使って表すことがあります。この問題でも「^」を使って指数を表しています。
ここで、今回の問題を見てみましょう。
(−10)^3÷(−10)
この式では、「(−10)^3」という部分が累乗にあたります。
累乗の意味を理解した人なら、この式は「−10を3個掛ける」という計算だと分かりますね。
累乗=同じ掛け算の繰り返しなので、今回の問題は、「負の数の掛け算と割り算」に書き換えられます。
(−10)^3÷(−10)
=(−10)×(−10)×(−10)÷(−10)
負の数の掛け算と割り算
ここで、負の数の掛け算と割り算の計算ルールはどうなっていたか確認してみましょう。
<答えの符号の決め方(掛け算・割り算編)>
・同符号どうしの掛け算・割り算の答え→正の数(+)になる
例:−1×(−1)=1、−1÷(−1)=1
・異符号どうしの掛け算・割り算の答え→負の数(−)になる
例:−1×1=−1、1÷(−1)=−1
このルールから、負の数と負の数のペアで掛け算・割り算をすると、答えは正の数になることが分かります。
今回の問題を計算してみよう
では、ここまでの内容を踏まえて、今回の問題を計算してみましょう。
(−10)^3÷(−10)
=(−10)×(−10)×(−10)÷(−10) ←(−10)×(−10)は負の数×負の数
=100×(−10)÷(−10) ←100×(−10)は正の数×負の数
=−1000÷(−10) ←−1000÷(−10)は負の数÷負の数
=100
式の中では、同符号どうしと異符号どうしの掛け算・割り算が交互に登場します。その中で答えの正負は目まぐるしく入れ替わり、最終的には正の数になります。
まとめ
「負の数の累乗問題」、正しく計算できたでしょうか。
この問題のポイントは以下の通りです。
・累乗は同じ数を掛ける計算(指数「^●」は掛ける個数を表している)
・同符号どうしの掛け算・割り算の答えは正の数、異符号どうしの掛け算・割り算の答えは負の数になる。
このポイントをおさえておけば、負の数の累乗問題の正解率は上がるはずです。引き続き他の問題にも挑戦してみましょう。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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