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「ホールは文化財」とさだまさしが

何より、いきなり吉田拓郎のあの『LIVE '73』から始まって、ユーミンのコンサートで象が出てきたホールなのだ。その遺伝子をしっかり受け継いだものにしてほしい。それがかなわないなら、せめて、できるだけ現状維持してほしい――。

と、建築技術に明るくない、一介の音楽ファンにもかかわらず、こんなことを言いたくなるのは、15年前の東京厚生年金会館の閉館に向けて、さだまさしが語ったこの言葉を、あらためて噛み締めたからだ。

――「ホールは文化財。その認識が日本人にない。どれだけの人が何に感動したか計算に入れていない。閉館には『バカモノ、何を考えているんだ』と言いたい」(スポーツ報知/2010年3月27日)。

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最後に。クリームやボブ・ディランの名演で知られるロンドンのロイヤル・アルバート・ホールの開場は1871年である。

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