2025-06-08

仕事を辞めた備忘録

先日恋人に振られた。

相手はとても思慮深く聡明な人だった。

常に頭が働いているような人で、一つの事柄にたいして、私がせいぜい1~2個見解を述べる間に20~30の見解を様々な角度から新しい視点検討考察することを楽しむような人だった。

人に対してもとても丁寧で、周りの人からもとても愛されていた。

別れ話をされたとき、本当はすがりついてでも考え直してくれと言いたかったが、あまりにも惚れ込んでいた為これ以上相手を苦しめることも出来ず、引き止めることはしなかった。

とはいえ最後の別れの日には、いつでも連絡してくれとか、他にも複数の未練たらたら発言をみっともなく伝えた。

同時期、相性の合わない仕事を相性の合わない人間とやっていてずっとストレスを感じていた。

が、過去にはもっとハード仕事経験もあったし、今回は終了日が見えているのでまぁしんどいがなんとか歯を食いしばってやり遂げようと思っていた。

が、ある日、働けなくなってしまった。恋人関係ないとは思うが、期間としては別れてから2週間後ぐらいだったと思う。

本当に、ほんの3日前までは明日も来週も、今日と同じ未来が続くと思っていて、疑いなく綿密なスケジュールをたてていたのに。

その日急に、どうすればいいのか分からなくなってしまった。

何をしても自分選択は間違っていると思ってしまい手が動かなくなってしまった。ほとんど衝動的に担当営業に連絡した。

急に辞めたことによる罪悪感で三日三晩布団に包まれながら、過去適応障害や鬱で辞めていった同僚や上司に想いを馳せていたら、1週間で3キロ痩せた。

正直恋愛能力より、仕事能力の方に自信があったので、自分が急に働けなくなった体験の方がショックが大きい。

様々な手続きを終えたあとは1週間ほど療養し、そのあとすぐに仕事探しを始めた。

友人(鬱による休職経験者)には2~3ヶ月ぐらいはしっかり休んでからゆっくり仕事探し始めるぐらいでいいとアドバイスされたのだが、自分は働いている方が精神が落ち着くと思い仕事探しを始めた。

来週面接が控えており、少々気持ちの落ち込みが煩わしく感じる部分もあるが、少し考える時間と体力が戻ってきて、ふと色んなことを考えるようになったので文字に書き起こしておこうと思う。

得たもの

思い返すと10年以上、順当にステップアップしながら働いてきて、2週間以上休みを取ったのは人生で初めてだ。

オーバー物言いであることは十分理解した上でだが特に仕事をやめた時は、

「すべて失った」という感じがした。

たまたまタイミングが被ってしまっただけなのだが、愛した恋人を失い、職もなくした。

自信もなくしてしまい、次の業務は内容がつまらなくても負担が軽いものを最優先に選んでいるため、キャリアリセット感もある。

住んでいた3LDK賃貸恋人との同棲解消で解約し、こじんまりしたワンルーム引っ越した。今は趣味を楽しむ気力もない。

友人

得たものはまず、友人のありがたみだろうか。

自分の状況を知らない人から相も変わらず連絡がくる。

断るほうが逆に億劫なので飯ぐらいは行くのだが、一応友人の前では明るく努めようとすると自己催眠に近いなにかで気持ちも前向きになる。

お酒の勢いもあって、ちょっと自分の心情をこぼすと皆やさしく受け止めてくれる。

反応は人それぞれだが、各々がそれぞれの言葉で、あえて軽く話してくれたり、心底心配してくれたりするのが感じ取れて少し涙ぐんでしまう。

よい友人関係を築けて来たのだなと、温かい気持ちになる。

恋人

恋人を失って気がつくのは、やはり自分は幾分か無理していたなということだった。

付き合っていた当初は無理しているとは微塵にも思っていなかった。相手に合わせて自分が変わること自体が愛だと思っていたし、がんばっている事自体に満足していた。

相手と対等になれるよう、難解な映画を見て自分なりの意見を述べるトレーニングをしてみたり、コミュニケーション言葉選びのひとつひとつ思考したり、相手理想人間になろうとしていた。

今思うと相手完璧人間ではないのだが、当時は相手の不満が全く思いつかないぐらい自分を変化させることにいっぱいいっぱいだった。

一人になった今、時間があればやることは、なんの身のためにもならないYouTubeを見たり、Xで交わされる議論をまんま鵜呑みにするだけだ。

そんな不毛時間に罪悪感を覚えなくなった自分が、良くないとも思っているが、同時に人間らしくていいのではとも思う

仕事

また、メンタルの不調で休職する人に対する解像度が上がったのも良い気づきではあった。

過去自分と同じチームの上司や同僚がメンタルをやられて休職に至ったケースが2度ある。

当時は自分サポート不足を悔やむ反面、正直こころの奥底では「そこまで大変だっただろうか」という相手を下に見る感情と「自分は困難な状況における適応能力が高いのだろう」というおごりがあった。

いざ当事者になってみると、過去「困難な状況でも最後までやり抜く遂行力があります」なんて言っていた若かりし自分がむしろ眩しく見える。

月並み言葉だが、すべてが貴重な体験だった。

まだ日によっては気分の沈み込みが激しい日もあるが、少しづ回復している自覚もある。

幾分か貯金はあるので、今月中に万博に行こうと思う。

大阪は行ったことすらないので、大阪観光もするつもりだ。

一人でも楽しめるおすすめスポットがあれば是非教えてほしい。

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