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#寝る前にアニメ鬼滅の刃初見感想 今回は第21話:隊律違反 …の、前半です。 とにかく一話の情報量が多すぎて、長くなりそうなので半分ずつで。 あと今回から、あの方のことを敬称をつけて無惨様と表記させていただくことにします。 そう、今回は無惨様についての感想が主です。 まず、 なによりも今回、おや?と思ったのは累くんの過去回想です。 回想シーンというのは、物語を掘り下げ、登場人物を掘り下げ、お話に深みを与えるとても効果的な武器であると同時に弱点もあります。 その弱点とは現在進行形の時間軸への、視聴者・読者の没入感を薄めてしまうというものです。 またそれが、主人公の回想でないのならばなおのことです。 このあたりのバランスは非常に繊細です。 失敗するパターンとして、長々とした過去編を行った結果、視聴者・読者の物語への興味が薄れてしまう…というものがあります。 これを防ぐ方策として、回想シーンを連続させない、回想シーンで次回に続く~をしない、などがあります。 ここまで鬼滅の刃は綿密に編み込まれた、隙の無い方程式のような構成だったため、累くんの回想を前回から続けて連続させたことに少し違和感を感じていました。 禁じ手というほどではありませんが、よっぽどの意図がない限りはできる限り避けたいはずで、漫画のネームだったならば担当編集のチェックが入る部分かもしれません。 いままでならば、今回の回想シーンに該当するシーン…つまり鬼の背景描写は、視聴者・読者の想像にある程度任せて省略してきた部分です。 また、それが視聴後の余韻となって鬼の事を想うという、この作品の魅力の一つにもなっていました。 ところが今回はそれをせず、明確で具体的な描写を入れてきました。 もちろん累くんの生い立ちや悲劇を絵描く、という意図はあるものとして。 そのうえで、作品としての構成をズラしてまで回想を入れてきたのには重大な理由があるはずです。 その理由とは、まず間違いなく無惨様でしょう。 累くんたち蜘蛛の鬼を成敗し、物語は大きな山場を一つ越えました。 物語のテンション的にはひと段落してしまったので、このあとはゆったりまったりとする日常回を入れるものと思われます。 バトルや冒険活劇を目当てにしている視聴者・読者は、もしかしたら離れてしまうかもしれません。 そこで物語の推進力に、次の目標を明確化しておく必要があります。 大目標としての無惨様を、今一度アピールしておく必要があったのだとおもいます。 浅草で無惨様と遭遇したのはもうずいぶん前のことで、視聴者・読者の意識からも薄れていることでしょう。 長く続くストーリーものでよく発生しがちな問題に、「あれ今、主人公たちって何をしようとしてるんだっけ?」問題というものがあります。 これは大きな山場となる話を終えた後に、燃え尽き症候群的に起こりやすい問題です。 なので、次の目標を視聴者・読者に提示しておくというのは素晴らしいです。 「あー終わった!よかった!さて次は?あ、そうか、無惨だ無惨!!」となるわけです。 目的の明確化は、物語の軸をブレさせないための重要な要素です。 そして多分ですが、重要なのが炭治郎は無惨様に遭遇したことがある、という要素です。 十二鬼月ですら滅多に遭遇しない(遭遇したら死んでる)という状況ですから、炭治郎は相当にレアな体験をしています。 炭治郎と禰󠄀豆子が無残様の関係者であるということが、つぎの展開の推進力になっていくのだと思います。 竈門家にも神楽を継承してきた秘密がありますし、そのあたりも絡んできそうです。 なので、この21話前半の一番の目的は「みんな、無惨様を思い出してね!元凶はこいつ!!」と再認識してもらうことだと感じました。 そして書いていて気づいたのですが、累くんはかなり無惨様に手厚く扱われていますね。 かつて作家になれなかった鬼に対しては、無惨様はもっと冷たい態度だったように思えます。 力のない鬼には冷たいのだと思っていましたが、累くんは鬼になりたての頃から無惨様に我がことのように扱われているように見えます。 それになんとなく、累くんの人間の頃の外見も無惨様に似ているように思います。 この場面をこのタイミングで物語に挿入する意図として、無惨様は累くんに自身を重ねていた可能性があるのではないでしょうか。 無惨様もなんらかの事情で命の危険に瀕し、生存のために鬼になることを選んだ、とか。 もう以下は完全な想像なのですが🌀 SF設定としてみると、鬼滅の刃の鬼はいわゆる日本の昔話に登場する鬼ではなく、西洋のヴァンパイアに近い特徴を備えているように思えます。 無惨様がまだ人間だったころに、なにかの事情で死に瀕し、生存のため、西洋から渡来したヴァンパイアの眷属になったのではないでしょうか。 そして累くんのように、無惨様もまた両親を手に掛けてしまったとしたら、同じ境遇の累くんのことは特別大切に扱うかもしれません。 無惨様もまたそのヴァンパイアから解放されるために戦っているのではないか、もしくは逃げているのではないか…とか妄想が捗ります。 そう考えると、浅草での不自然な行動に説明が…つくのかどうかはわかりませんが、なにか伏線にはなっているのかもしれません(無理やり)。 西洋からの力という要素に関しては既に作中で大きな伏線が張られていて、それは大正という時代設定です。 大正コソコソ噂話など、やけに大正という元号をこすってくるなと思っていたのですが、この時代は西洋文明を受け入れ発展する黎明期であり、激動の時代であったことでしょう。 そしてこの漫画の主なターゲット層と目される10代の少年少女たちにとって、丁度授業で習う大正デモクラシーはまさに身近な知識であり、理解しやすい、入っていきやすい時代だったのかもしれません。 無惨様も浅草の時はどことなく西洋風の、モダンな格好でオシャレしていましたね。 ともあれ、いつか無惨様の設定が開示された時に、ああそういえばあんな回想シーンもあったな、なるほどね! って感じで視聴者が無惨様に共感するための伏線でもあるのではないかと思いました。 そういえば特別な鬼がもう一人いらっしゃいました。 珠代さん。 最近すっかりご無沙汰ですが…。 もし無惨様が救われるルートがあるとするなら。珠代さんの禰󠄀豆子研究ツリーの進捗次第なのかもしれません。 無惨様が人間に戻りたいのか、もしくは別の目的があるのかはまだわかりませんが。 本当に無惨様のさらに上に、無惨様を鬼にしたヴァンパイア的な存在がいるなら、その謎に切り込んでいくのが鬼滅の刃の最終目標になりそうですね。 無惨様が特定の鬼を贔屓する性格だというのが確定だとして… もしかして、珠代さんのことを好きだったのではないでしょうか。 ずっと疑問だったのが、なんで浅草で無惨様自らが出向かず、偽の十二鬼月の二人を送り込んだのかがずっとわからなかったのですが… 会いに行くのが恥ずかしかったから部下に様子見に行かせた、連れ戻しに行かせたというのならば辻褄が合います。 無惨様、フラれちゃったんですね…かわいそう(単なる予想です)。 そしておそらく、この山での戦いが鬼滅の刃前半最大の見せ場だったのでしょう。 大いに盛り上がりましたし、興奮し、感動しました。 であるならば、ここは物語全体の縮図でもあったはずです。 最期の累くんの、偽りの家族を作っても虚しさがやまない、結局自分が一番強いから…というセリフ。 最期に累くんが炭治郎と禰󠄀豆子に腕を伸ばし届かない演出、炭治郎が日輪刀を手放し累くんに腕を伸ばすシーン。 炭治郎が鬼殺隊の隊士としてではなく、一人の人間として鬼の悲しさを受けいれているであろうシーンに感動せずにはいられません。 累くんも最期は炭治郎のあたたかさを求めていたのでしょう。 もし無惨様がラスボスであるならば、この山での戦いが物語の縮図であったならば同じような展開が待っていそうです。 まだ無惨様の人となりがすべて開示されたわけではありませんが、無惨様にとっての炭治郎と禰󠄀豆子が見つかり、そして無残様なりの想いを届けてほしいものです。 どんな悪い鬼にも滅びの際には思いを吐露する権利がある、というのがこの作品のルールなのですから。 …といったところで、次回は個人的に超絶面白かった冨岡義勇さんとしのぶさんのやり取り、そして最終試験の時の同期の少女と禰󠄀豆子の追いかけっこのあたりの感想を書かせていただこうと思っています!👹 追記: 累くんの回想に出てきた無惨様、髪型が浅草の時と違いましたね。 今回の落書きをする際、髪が違うとまったく無惨様っぽくならなくてビックリしました。 でもアニメではしっかり無惨様でしたね。 アニメの設定というのは多くの人間が作業に加わるため、外見は良くも悪くも記号化され、特に髪型はよっぽどのことがない限り変更しないと聞きました。 そういえば👺鱗滝さんのところで修行している炭治郎も髪の毛が伸びたりしていましたが、しっかり炭治郎でした。 そのくらいではキャラはぶれない、という制作サイドの自信のようなものを感じました。
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