ネットミーム・デビルサマナー   作:生しょうゆ

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第十六話 命がけの淫夢ごっこ

 

 

 

「止めるんだアリス! 淫夢は恥ずかしいコンテンツなのだぞ!」

「おっ大丈夫かしら大丈夫かしら? バッチェ冷えているのよ~~! 淫夢は全世界中で流行ってるってはっきり分かるわ!」

「止めろと言っているだろう!」

「うわーん! 赤おじさんが怒ったー!」

「ベリアル……」

「しかし……す、すまない……」

 

 野獣を指差したかと思ったら急に魔人と悪魔二体はリアルで淫夢ごっこを初めやがった。俺は何を見せられているんだ(困惑)

 

 しかし、ともすればこれは好機である。あの魔人が野獣に興味を示しているのならば、ここでうんちを置いていき、後はサヨナラバイバイで決着がつく!

 

「野獣……色々あったけど楽しかったぜ。お前の事、きっと忘れねえからさ……」

「ヤメロォ!(迫真) ヤメロォ!(迫真) 仲魔見捨てるとかお前それでもサマナーかよぉ!?」

「名案ですわ本庄! さあさっさと行きなさい! 貴方自身のためじゃない、私達の願いのために!」

「何だこのおばさん!?(驚愕)」

 

 諏訪さんとともに野獣の背中をゲシゲシ蹴りまくって魔人の真ん前に転がす。魔人はきらきらとした笑みを浮かばせて野獣に顔を近づけた。面白いくらい震えてんなジュセな。

 

「野獣先輩! 野獣先輩だー! うわー本物だー! ねーねーあれやってー、『イキスギィ!』ってやつー!」

「ヤバスギィ!(おしい)」

「あははおもしろーい!」

 

 よしこの隙に器ちゃん取り戻して……と動く前に魔人が彼女の手を取った。上機嫌にケラケラ笑って、青ざめた顔などお構いなしに言った。

 

「決めた! みんなで四章ごっこをしましょう! 私が監督で、貴方は助監督! 勿論主役は野獣先輩ね! で、遠野役は……赤おじさん! トカゲみたいだからぴったり!」

「おい……アリス、おい……」

「ベリアル……(悲哀)」

「それで黒おじさんは……まあセミ兄貴でいいっか」

「アリス……あの、アリス……」

「ネビロス……(悲哀)」

 

「もう三人で空手部ごっこをするのは飽きたの!」と魔人は勝手に配役を決めていく。えぇ……(困惑)……こんなクソヤバい悪魔が淫夢ごっこをするのかよ。地獄絵図か何か?

 

「それでー……白いお兄ちゃんは効果音ね! サマナーのお兄ちゃんは淫夢知ってそうだからコメントで盛り上げるの! 生首のおじさんは淫夢知らなそうだから一般視聴者くん役ね! ……お姉ちゃんはー……コメント役は被ってるしー……一般通過姉貴でいいっか」

「……イーノック、大丈夫か?」

「見たことはないが、大丈夫だ、問題ない」

「まーたよく分からない奴か。猿とか何とかになったベルベットルームと言い、何時から世界はこんなにおかしくなったんだろうね?」

「ちょっ、ちょっと待ちなさいよ! お前何乗り気になっていますの? 一刻も早く阿多様を救い出し……っ!?」

 

 声を上げた諏訪さんを、二体の悪魔が威圧を込めて睨んでいた。そうだよ。本当にヤベえのは魔人じゃなく二体の悪魔の方だ。魔人の方はガキみてえに遊んでいるだけだが、二体の方は明確な殺意を持って俺達を見つめている。

 

 例外は一人、器ちゃんだけだ。彼女以外は全て殺して構わないのだろう。今、俺達が生きているのだって、魔人が遊び相手として選んでいるからに他ならない。

 

「諏訪さん、言うとおりにしねえと死にますよマジに」

「……その後はどうするのです」

「っへへ、こんなクソゲボに強い悪魔が都内に居るんだ。きっとライドウが出勤してくれんだろ!(他人任せ)」

「確かにライドウ様と、それに坂上様も来て下されば、何とか……」

「そうだよ(適当)」

 

 だから早く来てくれよな~~頼むよ~~、と後ろ手に通信機をカチカチ操作しながら、「或る真夏の昼下がり、田所は密かに思いを寄せる後輩遠野を自宅へと招待する。用意していた完璧な計画を実行するために……」と機嫌取りに四章のあらすじを読み上げる。この程度、俺は完璧に暗記してんだよ(虚しい自慢)

 

「お兄ちゃんかっこいー! いくー!」と俺の詠唱に魔人は大喜びで、「じゃあ、私のおうちに案内するねー」とパチンと指を鳴らした。……は?

 

 その瞬間、世界が裏返った。或いは落ちて深く沈んだ。

 

 周囲の光景は様変わりした。人気のない公園は、中世ヨーロッパのような……いや、絵本の中のような光景に変わっている。西洋的な城が遠くに見え、ブッサイクな猫が木の上に微睡み、二足歩行の兎が忙しなくあちこちを行き交っている。そして二体の悪魔もまた、人の皮を脱ぎ捨てて悪魔本来の姿に戻った。

 

「さあ、アリスの世界へようこそ! 歓迎するわ、お友達!」

「えっ、あ……」

 

 器ちゃんが困惑している間に、どこからともなくテーブルとティーセットが出現し、無理矢理座らせられた。いや、何だよこの世界。異界だってんなら六本木の公園はどこに行っちゃったんだよ。

 

「うわっ、本気でヤバいね。ここ殆ど魔界だよ。指鳴らすだけで自分のテリトリーに引き込むとか化け物過ぎて笑えるね」

 

 キョウジがふわふわ浮きながら上機嫌にくっちゃべる。この世界じゃお前も馴染めそうで良かったな? 永久に住んどけ。

 

「普通、現実界に存在する『そういう場』を起点にして生まれた異界から悪魔達は顕現するんだけど、これはそういうのじゃない。現実界より遥かに魔界側に位置している領域だ。主の意思以外に出るの無理だよこれ」

「ライドウなら一晩でやってくれるでしょ(適当)」

「いやーどうだろ。当代のライドウの噂は聞いてるけど、アレ相手には厳しいんじゃない? 特に、領域の中に入っちゃったしね」

 

 その言葉と同じくして、ようやくCOMPにアナライズ結果が表示される。グオングオン異常音を響かせながら、画面上に文字が走った。

 

[魔人:アリス Lv90 Dark-Neutral 弱点:破魔 吸収:呪殺]

[魔王:ベリアル Lv92 Dark-Chaos 弱点:氷結 無効:破魔 呪殺 反射:火炎]

[堕天使:ネビロス Lv92 Neutral-Chaos 弱点:衝撃 無効:物理 破魔 呪殺]

 

 ……えーっとぉ。

 

 ……あのさぁ……これさぁ…………。

 

「おちんちん!!! まんこまんこまんこぉおおおおおおお!!!!!(発狂)」

「バナナウンコぱくぱくもぐもぐですわwwwwwwwwwww(発狂その2)」

「うわっ、壊れちゃったよ二人とも」

「だ、大丈夫か?」

「はああああああ??? 大丈夫じゃねえよ馬鹿じゃねえのか私立なんだよしりつ!!!(意味不明)」

「大問題だな……」

 

 れ、レベル90オーバーとかぶっ壊れスギィ! さっきまでは袋叩きにすればなんとかなりそうな感じだったルルルォ!? これが敵なのぉ……? なんか無理ゲーだよぉ……!

 

「こ、これどうすれば良いんでしょうか……」

「じゃあ早速、撮影開始よ! 赤おじさんー!」

「チッ……おい汚いの(直球)、早くしろ」

「お尻がおまんこになっちゃう!(発狂先輩)」

「ほら何してるのよお兄ちゃん! はやく『親の顔より見た光景』って言うのー!」

「えっそれは……(困惑) えっそれは……(絶望)」

 

 こんなヤバい悪魔相手に淫夢語録を喋り散らかすとかこれマジ? キョウジの話が正しいのならライドウの救援も望み薄だし、遊び終わったら死ぬ流れじゃんこれぇ……。

 

 それでも異界の主として存在格を上げまくった悪魔三体の目線は、もうそれだけで人を殺せるレベルでこちらを見つめている。死ぬ(確信)。器ちゃんも青ざめた顔でこちらをチラチラ見ているし、こんなんが初任務とかお前の運終わってんじゃない?

 

「俺の遺言、『二人は幸せなキスをして終了』になるのか……(絶望)」

「ああこれ、君が話してた淫夢って奴? なんでこんな大悪魔がそれにハマってるわけ? ほんとおかしくなってるよこの世界」

「ほらお姉ちゃんも歩くー! じゃないと始まらないでしょ!」

「わ、私の出番はこれだけ……これだけだから……!」

「本庄さまぁ……」

 

 全く心の準備が出来ないままに命をかけた淫夢ごっこは開始する。俺はとりあえず「もっと親の顔を見ろ(震え声)」と呟き、「あははおもしろーい!」とホモガキを上機嫌にした。

 

「さあ始まるわ! 一緒に楽しもうね!」

「いや、あの……やめてくださ……」

「はい、よーいスタート!(ガン無視)」

 

 いつの間にか撮影用カメラを構えたアリスの言葉に、諏訪さんがガクブル震えまくったまま、ぎこちなく野獣とベリアルの後ろを歩く。彼女を背にして野獣は顔を真っ青にしながら左腕を持ち上げ、虚空を指差し言った。

 

「こっ↑ここ↓(舌噛み)」

「はえ~~……すっごいおっきい……(半ギレ)」

「ミーンミーンミーン(ネビロス迫真の演技)」

「ガチャリ、キィー……で大丈夫か?」

「良くないわ! でも語録の使用を禁止された先輩みたいで面白いから撮影続行よー!」

「大丈夫か、問題ないのだな(安心)」

 

 そんな風に撮影は快調(白目)に進んでいく。途中「†悔い改めて†」「あ? 魔王ベリアル相手に悔い改めろだと?」「おまんこ(失禁)」などと言った一悶着があったものの、舞台は屋上へと移った。丁度二人が水着に着替えるシーンである。

 

「元 は 白 か っ た パ ン ツ」

「あははお兄ちゃん最高よ!」

「が、頑張って下さい、本庄様……!」

「ミーンミーンミーン(迫真)」

「おいお前……アリスが飽きたら即刻殺してやるからな……」

「たすけて(語録無視)」

「一般通過バイク……ブロロロロロ、で大丈夫か?」

「要素が渋滞しすぎてるでしょうこれ……(困惑)」

 

「ねえこれどこが面白いんだい?」と平気な顔でキョウジは抜かしやがる。普段なら大爆笑なんだよ(人間の屑)。どうして命の危機が間近にある状態で淫夢ごっこをしなくちゃいけないのだよ(疑問)

 

「新参のコメント……! ありがたいわー……」

「ん? そう? 君も変な悪魔だね。アリスって名前からして少女の象徴? でもそれならこんなに強いはずはないよね。変な悪魔」

「お前一番態度悪いって言われてるぞ(半ギレ)」

「君に言われる日が来るとはね!」

 

 その後もアリスが構えるカメラに対し、「硬くなってんぜ?」と野獣が震えた手つきでベリアルを愛撫していく。ベリアルはブチ切れながらも「先輩ダメっす……(全ギレ)」と律儀に会話を続けていった。そうしてアイスティーのシーンになり、サッー!(迫真)と薬を入れる真似をする。

 

「サーッ(真顔)」

「凄いわ白いお兄ちゃん! 合ってる!」

「そうなのか? 大丈夫だったか」

「伝 統 芸 能

 無 形 文 化 遺 産

 守 り た い 日 本 の 心」

「shita red big!(ネイティブ) 最高よ! アリスお兄ちゃんともお友達になりたいー! ねーなってー!」

「おう考えてやるよ(震え声)」

「わーい! ありがとーホモのお兄ちゃん!」

「なっ、本庄様ぁっ!」

 

 おいクソ魔人、嬉しそうに抱き付いてくるんじゃねえよ。クソ魔王とクソ堕天使がガンギマリの目で見てきて怖いんだよ(ガクブル)。あと器ちゃんはマジで大人しくしといてくれ。こいつの機嫌損ねたら淫夢ごっことか関係なく死ぬから(迫真)

 

「……これ普通にホモセックスなんじゃないの? こんなのが当世では流行ってるとかもう終わりだねこの国」

「ねこのくに! にゃー! ……ねー、お姉ちゃんも黙ってないで何かしてよー」

「えっ、あっ…………お、おまんこ(咄嗟)」

「……下品なだけでつまんなーい」

「諏訪さんさぁ……(呆れ)」

「仕方ないでしょうお前と違って無茶苦茶な事態には慣れていないんだから!」

 

 だからって何でおまんこが出てくるんだよ。何でもおまんこかよ。笑っちゃうよ。おれ死にてえのかなあ(谷川俊太郎並感)

 

 その後も「じゃあ歌でも歌ってー」という無茶振りに対し「い、何時ものように本を読み終わり~~」と星空.flvを歌い上げる諏訪さんを哀れに思いつつ、しかしどっかで聞いたことがあるな、と思った。いや楽曲ではなく歌声の方。記憶の片隅に聞き覚えが……。

 

「お兄ちゃん! もう地下室のシーンよ! 気合い入れて!」

「お、おう。……サカりのついた獣の腰づかい、地下室に響きわたる阿鼻叫喚のアエギ。これは夢なのか、現実なのか……暑い真夏の夜、過熱した欲望は、遂に危険な領域へと突入する!(完璧)」

「お兄ちゃんかっこいー! いくー!」

 

 ホモガキが大喜びしている横で、遂に本番シーン(直球)が始まろうとしていた。ソファーの上に横たわるベリアルに、野獣がのっそりと近づいて行く。真っ赤な肌の上にチュパスクラッチを響かせて、「殺す殺す殺す殺す殺す」「すみません許して下さい何でもしますから(懇願)」と小声で会話しながら、やがてベリアルが目を開いた。

 

「先輩!? 何してんすか! 止めて下さいよホントに!(全ギレ)」

「暴れるなよ……あばっ、あばれっ……」

「田所さん!? ちょっとまずいですよ!(全力ボコり)」

「い、いいだろ遠野!(ボコボコ)」

「止めて下さいよ!(マハラギダイン)」

「ファッ!?(顔にかけられた) アツゥイ!? アッツゥイ!」

 

 えぇ……(困惑)。急にほんへからバトル淫夢になったんですが。これ良いの? とアリスの方を見ると、彼女はカメラも放り出し、ゲラゲラ笑って丸焼き状態のメーヴェ先輩を指差していた。お前面白かったら何でも良いのかよ(半ギレ)

 

「本編改造淫夢ね! 赤おじさんのアドリブ、良かったわ!」

「ありがとう、アリス。だが、どうだろうか? ここでオチがついたということで、淫夢ごっこは終いにしては(焦燥)」

「そうですよ(便乗ネビロス)。遠野に返り討ちにされる野獣先輩.mp4ということで良いでしょう(必死)」

「うーん、そうね! とっても楽しかった! じゃあこれでおしまい!」

 

 ぱちん、とアリスが手を叩くと二体の悪魔が安心したように胸をなで下ろした。その後すぐに向けられたのは鋭い眼光と全力の殺意である。あっ、ここで死ぬ流れっすか(慄然)

 

「さあ、遊びは終わりだ(全ギレ)。まずはそこのクッソ汚いゴミを焼き尽くしてやるとしよう!」

「さあ、アリス。あっちでお友達と遊んでいるのですよ。この薄汚い塵屑共は私達が掃除しておきますので(全ギレ)」

「なあ野獣、お前野獣だよな? ベリアルは遠野だよな? じゃあガン掘りできるよな?」

「(でき)ないです。つーかさっきボコられたルルルォ!? それにあんな赤トカゲと遠野は似ても似つかないってそれ一」

「誰がトカゲだステハゲ! アリスの為に(建前)、そして我の為に(本音)、今ここで死ね!」

 

 そう言い、ベリアルは片手に持った柄の長い……鉄色の……何あれ? フォーク? を振り翳し、俺達へとにじり寄ってくる。アカンこれじゃ死ぬぅ!(迫真)

 

 と、思ったその時、何を思ったかアリスが「えー! ダメー!」と叫び、ベリアルの前に立ち塞がった。

 

「ダメよ、白いお兄ちゃんは面白いし、ホモのお兄ちゃんはもうアリスのお友達になる約束をしたもの! それと生首のおじさんは見た目が面白いから許してあげてー」

「し、しかしだなアリス。こんな奴等(直球)はアリスの教育にも悪い……」

「やだやだやだやだー! アリスやだー!」

「むぅ……」

 

 ベリアルは渋面を作りながら、渋々と言った様子で長フォークを下げた。や……やったぜ(安堵)。これでどうにか生き残る道が見えてきた……。

 

「あっ、でもね」

 

 とアリスはくるりと振り向いて言った。

 

「そこのお姉ちゃんはね、つまらないから良いよ、殺しちゃって。お友達にもいらなーい」

「えっ……え゛っ!?」

「ほう、コイツは殺して良いのか。おい人間、アリスの前でおまんこだの口走った事、後悔しながら死んでいけ」

「え゛っ、私の死因ってそれなんですか!?」

「カワイソウニ……カワイソウニ……」

「……サマナー」

 

 イーノックが視線を向けてくる。わーってるよ。諏訪さんをなんとかして助けろってんだろ? 俺だってなんとかしてえわ。ヤタガラスの貴重な戦力で先輩だしな。

 

 だから考えてるんだ上等だろ。だけど何にも思い付かん。これ無理じゃない?(本音)

 

「あ、あの、あく……アリスちゃん? 諏訪さんを、あの人を、殺さないで欲しいんですが……」

「えー、なんで?」

「な、なんでって……それは、あのー……あっ! ……私、人殺しとかキライなんですよね、品がないし頭悪そうでしょう」

「……なにそれ」

「阿多様!? 守ろうとして下さるのは嬉しいのですがその語録は……!」

「ご、ごめんなさい……会話って苦手で……」

 

 器ちゃんの失言にアリスは一転して不機嫌になった。どうやらタフ語録は履修してないみてえだな。じゃあただの暴言でしかねえじゃん(絶望)。どうしよ……どうしよマジで……。

 

「──あっ」

 

 瞬間

 俺の脳内に溢れ出した

 ()()()()記憶

 

『諏訪さん』『ミシャグジ様』『星空project』『女の淫夢厨』『今日もいいペンキ☆』『カブト虫』『おばさん』『年齢は二十代です!』『ココアはやっぱりバンホーテン』『カブト虫』『イチジクのタルト』『諏訪地方』『すわわっ!(高音)』『それカエルだよ』『ぱせりー』『SNE姉貴』『おまんこ(直球)』『ソソウ神』

 

 脳内に散りばめられたパズルのピースが埋まっていく。いや別に必要ない記憶もあったが、つーか殆どがクソみたいな記憶だったが、ともかく俺は全てを理解した。

 

 ……そして、これならば、諏訪さんが死ぬ必要はなくなる!

 

「……刑事さん、皆さんを広間に集めて下さい」

「っ本庄様! 何か思い付いたんですか!?」

「えっ、何ですかお前。人が死ぬって時に探偵ごっこしてんじゃねえですよ」

「探偵ごっこ!? アリス、探偵さんの前に現れて意味深な言葉を残す謎の少女役やりたーい!」

「さて……どこから説明したものでしょうか(ガン無視)」

 

 思えば、既視感は初めからあった。何処かで聞いたような声。何処かで聞いたような歌。

 

 そして……何処かで見たような胸元!

 

「アリスさん、貴方には少しだけ見落としがあったみたいですね。やれやれ、これだから素人は困る」

「むむむ!? アリスが何を見落としたっていうの!(ノリノリ)」

 

 何だか嬉しそうに乗ってくるアリスに対し、諏訪さんは「お前、まさか」と顔を青ざめさせている。当たり前だよなぁ? こんなん知られたら死ぬほど恥ずかしいわ。

 

 だけどマジに死ぬよりはマシでしょ。つーか草生える(人間の屑)

 

「諏訪さん……貴方の正体は……!」

「正体は……!?」

「やっ、止めなさいホモガキ!」

 

 そう、その正体とは!

 

「貴方の正体は……SNE大好き姉貴こと、そそう(SSU)姉貴だァ────ッ!!!」

「────ッ!」

「……誰なの?」

 

 アリスは真顔でそう言った。えっ、知らないの? 淫夢どころかイサキも知ってるのに?

 

「いや、そりゃマイナー声優だけどさ、聞いたことない? ホモビ大好き兄貴の養殖ボイドラ、魔理沙とアリスのワイルドハント☆で霊夢役を務めたクッキー☆声優だよ。生放送で散々『本当は早苗役が良かったんですけどね(笑)』ってぐちぐち言ってたからそう呼ばれてる……」

「いや、誰なの?」

「えーそりゃMADじゃ全然使われねえけど、第一ボイドラ自体がお滑りしたクソ動画だったけど、ホモビ大好き兄貴も後でパープル病発症して失踪したけど、それでもXの方じゃ有名っちゃ有名なんだぞ。いいね稼ぎのためによく胸元晒す姉貴として」

「本気で誰なのよ……? アリス、クッキー☆はあまり見ないのー」

「お前人生の半分は損してるぞ!(な訳がない)」

 

 しょうがねえなあ(悟空)と、COMPに保存してある動画をアリスに見せる。悪魔を保存できるほど容量が大きいので、俺は淫ク☆動画を大量に保存しているのだ。普通の悪魔が全然増えないから容量ダダ余りなんだよ上等だろ(半ギレ)

 

「あっ、本当。声が同じだー」

「だろ? ほら、こっちの画像も見ろよ見ろよ」

「へー、胸の形がそっくり。同じ人なのねー。……なんでこんな画像を保存してるの?」

「えっ、そんなん関係ないでしょ(すっとぼけ)」

 

 気まずい雰囲気になりそうだったので電源を切る。アリスは「ねーねーなんでー?」と無邪気に聞いてくるが言えるはずがねえだろ本人を前にして! 器ちゃんも「本庄様?」って蛆虫を見るような目を向けないでくれよな!

 

 しかし諏訪さんはさっきから黙ったままである。おう、感謝の言葉の一つもねえのか? 俺のおかげでアンタの命が助かったんだぞ(人間の屑)。だから許して下さいお願いします!(クッソ人間の屑)

 

「……あ」

「えっ何? 俺とセックスしたいって?(難聴)」

「ああああああああああああああああ!!! 殺しなさい私を今すぐにいいいいいいいいいいいいいいい!!!」

「えぇ……(困惑)」

 

 諏訪さんはいきなりキレた。急に自殺宣言出されても困るんですがそれは……。

 

 

 

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