さいたま市立中学校に通った元男子生徒が大学1年生となった約12年前に自殺し、市の調査専門員らが報告書で中学当時のいじめを認定したことが、市教育委員会への取材で分かった。いじめの発覚から2024年の認定まで約17年。報告書は、元生徒が亡くなった後、遺族が改めて中学時代のいじめを訴えてから調査開始の決定まで約4年経過した点を「不適切」と厳しく指摘した。(菅原洋)
報告書と遺族の所見によると、元生徒は07年に中学に入学し、バスケットボール部に所属。1年生の時に部員や同級生らに「げろまち」「げろどん」「げろしゃぶ」というあだ名で呼ばれ、学校にいじめを訴え、不登校になった。
元生徒は2年生の時に登校可能になり、中学と高校を卒業したが、大学に入学して約2カ月後に命を絶った。遺書はなかった。
報告書はあだ名について「一見して吐しゃ物を思わせ、一般的に呼ばれたくなく、不快な『心理的攻撃』に当たる」として、いじめと認定。いじめ防止対策推進法は13年に施行されたが、それ以前のいじめの定義にも該当すると判断した。
いじめと自殺の因果関係については、時間の経過などから「見い...
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