日本へ逃げ込むエリート学生をトランプ大統領は笑っている…「ハーバード卒よりも配管工を増やす」本当の理由
■なぜ「助成金の打ち切り」なのか 米ニュースサイトのセマフォーが指摘するように、米名門校は基本的に「(高品質な)授業と寮生活、さらに(学生生活の結果として得られる)エリートクラブの生涯メンバーシップをサブスク販売」している。 その中でもハーバード大学では、卒業生は成功した富裕層も多く、潤沢な寄付金が得られることが自慢だ。 しかし、大学経営の利幅は「生鮮スーパー並み」に薄い。 なぜなら、売り上げが大きいと同時に、人件費・研究関連支出・施設建設や運営コストをはじめとする経費もまた膨大であるからだ。トップクラスの人材を雇う名門校はなおさらである。 実際に、米名門大学は3月以降、40億ドル(約5800億円)余り負債を膨らませたと、米ブルームバーグが報じている。 特に、ハーバード大学の負債は4月の債券発行で16%拡大。 マサチューセッツ工科大学(MIT)の場合は18%増え、52億ドル(約7473億円)に達した。トランプ政権の攻撃を受け、これら名門校は課税債の発行やプライベートローンによる資金調達、コマーシャルペーパー(CP)の発行枠拡大に迫られているのだ。 トランプ大統領の短期的な目的は、「連邦政府から助成金をカットされる原因を作っているリベラルな指導部」を孤立・弱体化させ、政権の意を体した勢力と交代させることだ。 真綿で首を絞める、あるいはボディーブローを効かせるような政権のやり方は奏功している。 ■「ハーバードは左翼の巣窟」は本当か トランプ政権は、ハーバード大学のジェンダー・セクシュアリティ・人種・(不法)移民受け入れ・気候変動など左派的だとみなす研究と教育を問題視している。 連邦助成金獲得を妨げ、政権の兵糧攻めを招いているのは、左派イデオロギーであるというのが、トランプ大統領の立場だ。 こうした政権の動きに対してハーバード大学のアラン・ガーバー学長は、米憲法で保障された学問や言論の自由を盾に、連邦法に照らし合わせた際の政権の措置の非合理性を指摘し、トランプ政権の圧力に屈しないと繰り返し表明している。大学側の主張は数件の訴訟提起となり、連邦裁判所で係争中だ。 重要な争点の一つが、保守派に対する偏見や中国共産党との深いつながりだ。 ハーバード大学は、そうした事実を否定する一方で、「政権は、弊学がガバナンスやカリキュラムのイデオロギーに対するコントロールを差し出さないことに報復している」と主張しており、大学に特定の主義主張があることは認めている。