#寝る前にアニメ鬼滅の刃初見感想
今回は第23話:柱合会議
の感想前編です。
こんな時間ですがすみません
禰󠄀豆子のモノローグが入る貴重な回でした。
禰󠄀豆子が何を考え、人間に対し何を想っているのかの一端が垣間見えました。
鬼としての彼女の原風景、スタート地点は冨岡義勇さんから自分を守る兄・炭治郎であり、
それがトリガーとなって、今は失われてしまった家族との思い出がフィードバックされている…というシーンが挿入されます。
禰󠄀豆子自身の何らかの特性、もしくは鱗滝さんの暗示の強さもあるのでしょうが、やはり家族との絆の深さが決め手になっているのでしょう。
今までの鬼滅の刃を見る限り、大切な家族を失った者たちが新たな疑似家族を形成しそこで相互に人間味を取り戻していく。
失われし昨日から引き継いで明日への一歩を踏み出す、というのがテーマの一つにあるように思えるので、この禰󠄀豆子のシーンは象徴的です。
父がいて、母がいて、弟がいて、妹がいる。そしていつも兄がいる。
この過去の思い出があるから、大事な家族との絆があったから、ことさら暗示が強力に作用している…という演出でした。
禰󠄀豆子はこの場にいる皆を新たな家族であると認識しているとするならば、それを迎え入れる寛容さがあるかどうかは登場人物たちに委ねられます。
つまりこの回で作者が語りたかったことの一つは、各キャラが家族に対して想っている感情でもあると思えます。
プロットから逆算すると、禰󠄀豆子の試練前後での反応で登場人物の家族観を読者にそれとなく伝え、いずれ語られるキャラの魅力の伏線を忍ばせているのでしょう。
つまり反応から読み解くと…
以下、反応順。
◆胡蝶しのぶさん
家族への気遣い。
失敗したときのリスクを教え諫める姉の立場。
◆伊黒小芭内さん
家族への不信。警戒、慎重。
◆宇髄天元さん
疑似家族の否定。
あえて本音を隠してるかのようなロックな言動が目立つ。
◆お館様
優し気な言葉遣いと物腰に反して、案外に現実主義者で実務的。
家長としての取りまとめと方針の決定。
◆不死川実弥さん
家族への期待と不信、結果を見守る忍耐力。
試練を乗り越えた禰󠄀豆子を認める寛容さ。
◆冨岡義勇さん
家族への信頼。
責任を負う覚悟。
◆甘露寺蜜璃さん
(※後述)
◆悲鳴嶼行冥さん
悲壮感漂う炭治郎に対してはずっと落涙していたが、子供っぽい発言をする炭治郎のシーンのみ楽しげに笑う。
無邪気な子供が好きなのかも。
◆時透無一郎さん
兄弟の間違った行いを正す兄の立場。
◆煉獄杏寿郎さん
忌憚なく成果や志しを称賛できる、寛容な父の立場。
だめなものはダメと言えるのも強い。
全体の印象としては、案外とあっさり皆が禰󠄀豆子を受け入れていることに驚きました。
1~2人くらいはずっと反発し、あとでそこから話を膨らませる…というのも脚本の方程式ではあるのですが、そういうのを読者に読ませたいわけではない、ということでしょう。
つまりこの禰󠄀豆子の試練は、「一致団結して鬼と戦う、というのがこの作品のテーマです!身内とは戦いません!」と作者が宣言した瞬間だったのでしょう。
(…身内で討ちあう、そんな展開が今後待っているのだったらごめんなさい。)
あと、お館様に諫められる伊黒小芭内さんと不死川実弥さんが可愛かったです
問題は(※後述)とした甘露寺蜜璃さんなのですが。
前回登場時は、屈託がなく明るく、たのしさを振りまくキャラだと思っていましたが。
正直言ってここまでモノローグが多いと、事情が異なってきます。
作り手の立場から、モノローグを多用するキャラ=本音を隠しているキャラです。
モノローグを多用する、という記号で、腹に一物持っているキャラであると読者の心理に刷り込むのです。
東條の自作においても心当たりがあります。
キャラ造形に関してこのセオリーを用いているのならば、甘露寺蜜璃さんは外見に反して影のあるキャラクターということになります。
自分の本音を口に出すのを極端に恐れ、本当の自分を隠して生きているのではないでしょうか。
もしそうならば、本当の自分を打ち明けられるお相手に巡り合えることを願うばかりですね。
長くなりそうなので後半はまた後日に!!
柱やお館様が登場して作品の色ががらっと変わったように感じる鬼滅の刃、今後もますます目が離せません