億り人が教える「10万円で買える」有望株の探し方 資産1.5億超の坂本慎太郎氏は「高配当・低PER銘柄」に注目
いざ投資を始めようと思っても、約4000ある上場企業から投資先を選ぶのは簡単ではない。また、急に大金を投じるのは勇気が出ない……と考える人も多いだろう。手の届く範囲の有望な株はどう探せばいいのか。
“まずは少額から”が有力な選択肢に
新NISAが始まって1年半ほど経ち、昨年は日経平均株価が一時史上最高値を更新するなど投資ブームに沸いた。だが、今年4月以降は「トランプ関税ショック」で乱高下が続くなど、不透明な展開が続く。株式投資の初心者でなくとも、難しい局面を迎えている。 それでも物価高からの生活防衛といった目的で投資を始めたい場合、“まずは少額から”が有力な選択肢になる。東京証券取引所が実施した個人投資家向けアンケートでも、投資単位の水準として「10万円程度」とする回答が最も多かった。 株式投資は原則100株単位で売買する。たとえばユニクロを展開するファーストリテイリングは株価が4万7800円(6月2日終値)なので、投資するには最低でも478万円が必要だ。元手が少なかったり、リスクを抑えたかったりする投資家にとって、そうそう手を出せるものではない。そこで注目したいのが、最低投資金額が10万円以下の通称「10万円株」だ。 今回は、これまで幾多の激動相場を乗り越え、株式投資で億超えの資産を築いてきた“億り人”に、「10万円株」選びのポイントを聞いた。
「高配当」かつ「低PER」銘柄に注目
最低投資金額が10万円以下だと、1株の株価は1000円以下。そうした銘柄は「低位株」と呼ばれ、市場での評価も低い印象がつきまとう。 しかし、1.5億円超の資産を築いた「Bコミ」のハンドルネームで知られる坂本慎太郎氏(こころトレード研究所所長)は、「なぜ株価が安いのか、その理由を見極めたほうがいい」という。 「業績が芳しくなくて株価が安いものもありますが、なかには発行済み株式数が多い銘柄もある。時価総額が大きくても、株数が多ければ株価は低くなる。10万円以下で買えるからといって“クズ株”などというわけでは決してありません」 ただ、銘柄選びはより吟味する必要がある。 「好業績は基本として、『高配当』かつ、割安な水準となる『低PER(株価収益率)』な銘柄に注目すべき。配当利回りは5%以上が目安で、一時的に高いものではなく、安定的に高配当が続く銘柄が理想的。また10万円株は何よりも“潰れないリスク”を考えて、関係会社や株主なども見ておくといい」(坂本氏)