あの日のまんま、笑顔のまんま。

また一人、大分県の素晴らしい観光人財を亡くしました。

さいきグリーンツーリズム研究会の会長、飛田秀記さんです。

 

急な知らせに、これはきっと何かの間違いだろうと。

通夜会場に近づき「飛田家」の看板を見るまで、全く実感が湧きませんでした。

 

 

飛田会長との出会いは、とんねる村の取材。

郷土の自然や文化を都会の子ども達に伝えたいとして、数年間かけて全て手づくりで完成させた体験型の宿泊施設です。

村なので、最初は、村長さんという肩書きでした。

とんねる村は、福岡県の青少年アンビシャス運動に認定されていて、毎年夏休みに小学校から募集を募り、1週間をこの施設で過ごして「生きる力を育む」体験活動の提供に長年取り組んできました。

 

 

ここでの活動は全て自分達で行うことが原則。

大人は指導に徹し、仲間同士で協力、助け合いながら、の活動です。

 

いかだを作り、川の漁を行っている様子。

 

 

ここに来れば、誰もがトムソーヤになれる。

帰ってくるたびに、思い出すたびに、笑顔のまんまでいられる、そんな素敵な子ども達の純粋無垢な笑顔であふれていました。

 

 

また、食材を集めることの苦労を経験することで、食への感謝の気持ちが生まれます。

 

 

五右衛門風呂やかまど、秘密基地を思わせるロッジには藁が敷き詰められたふかふかのベッド。

 

 

この時、直感的に思いました。

ひょっとすると、この人は農泊を始めるかもしれない・・・

 

思いはすぐに実現しました。

 

さいきグリーンツーリズム研究会の発足です。

県内では、竹田とともに新参者ではありますが、鮎やモクズガニの住む清流、山菜や山桜の豊富な手つかずの大自然にポテンシャルを充分感じていました。

 

が、地理的なハンディが大きく、なかなか団体のお客様が来てくれません。

 

研究会のアドバイザーとしてかかわりながら、私自身も宿泊を伴うセミナーを主宰したり、友人知人を紹介したりと誘客の限りを尽くしました。遠いところですが、来ていただければ、きっと喜んでいただけるのに・・・

 

 

そして、待ちに待った最初の団体客。

「筑紫丘ラグビークラブ ジュニアスクール」御一行様の春合宿です。

飛田会長の素晴らしいところは、私の言うアドバイスを全て受け入れてくれるところです。市役所観光課の山本さんの協力もいただいて作成した、歓迎の横断幕。

こういうひとつひとつの事を積み上げてきました。

勧めてくれた北さん、英断してくれた中村さんに感謝。

 

 

料理や体験メニューの研修会。

数えきれないほど誘ってくれましたし、通いました。

 

いつ来るのかすら分からないのに、教育旅行の受入研修をずっと続けて、辛抱強く参加し続けてくれたお父さん・お母さん達に感謝。

正直、この頃が一番精神的にしんどかったです。おそらく、飛田会長も同じ気持ちだったに違いありません。

しかし、目の肥えた旅行会社や学校関係者に紹介する時に、堂々と胸を張って推薦できるようにしたかったという思いだけで、手を抜かずにやり抜きました。

 

 

2011年春には、待望の修学旅行生も。

この年以来、僅かずつではありますが、学校も訪れてくれるようになりました。

 

 

 

上宮学園は特別だから、ということで文化祭に出展されては?との無茶ぶりに二つ返事でのOK回答。ここまで学校と深い連携を行う組織はなかなかありません。

 

視察先として問われれば、真っ先に佐伯を進め、新規参入地域としての課題解決や取り組みについて学び合う研修を開催しました。

 

 

外国人への対応も強化したいということで、モニターツアーを実施。

APUメンバーに感謝。

今では、思いもよらない海外からの団体客が次々と訪れてくれるようになりました。

 

 

福岡に移ってからというもの、中々以前のようには訪れる機会も減ってしまい、2015年1月に県南部振興局や商工会の皆さんと河内さん宅に集まったあの盛大な夜が最後になってしまいました。

忙しさを言い訳に、電話もかけず、感謝の言葉もかけられずにいた自分が情けなくて、悔しくて、涙がとまりません。

 

宴会の図

 

飛田会長

これまで大変お世話になりました。本当にありがとうございます。

飛田会長と一緒に育ててきたと思ってきたさいきグリーンツーリズム、実は育てていただいたのは私の方だったんだと昨夜気づきました。とんでもない思い違いに恥ずかしいばかりです。

そして、ご遺影の微笑んでいる写真を眺めながら、最初に作成したパンフレットの「あの日のまんま、笑顔のまんま。」というコピーを思い出しました。

どうぞ安らかに。

生前にいただいたご厚情に感謝しつつ、心よりご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

 

 

合掌

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