不登校を引きこもりにしないために
再登校支援サービスのToCo(トーコ)広報担当の成瀬と申します。
今回、児童心理司の藤原が執筆した「引きこもりの実態と不登校との関係」に関する記事は、不登校がどのようにして引きこもりへと移行してしまうのか、その実態を具体的なデータとともに解説したものです。そして、何よりも重要なのは「見守るだけでは状況は変わらない」という現実です。
「見守ること」は安心材料になるのか?
「無理に学校へ行かせるのは良くない」「本人が落ち着くまでそっとしておいたほうがいい」──こうした考えを持つ保護者の方も少なくありません。確かに、強引に登校を迫ることは逆効果になる場合があります。しかし、一方で「見守る」ことが、実際には「何もしない」ことと同義になってしまっているケースが多いのも事実です。
記事の中で述べられていたように、不登校の期間が長引けば長引くほど、子どもは「どうやって戻ればいいのか分からない」と感じるようになります。最初は「ちょっと休みたい」という気持ちだったとしても、半年、1年と経つうちに「学校に行く」という選択肢自体が現実味を失い、やがて「学校へ戻る」ということが、精神的にも肉体的にも大きな負担になってしまうのです。
私たちToCoに寄せられるご相談の中でも、「本人がやる気になるのを待っていたら、気づけば1年が経ってしまった」というケースは少なくありません。その間に、生活リズムが乱れ、昼夜逆転が習慣化し、家族以外と話す機会がどんどん減っていく──。そうなれば、いざ「学校に戻ろう」と思っても、何から始めればいいのか分からず、結局動けなくなってしまうのです。
「きっかけ」がなければ、動き出せない
では、どうすればお子様は再び学校へ通えるようになるのでしょうか?
ここで重要なのは、「動き出すためのきっかけ」を作ることです。記事の中でも説明されていたように、不登校が引きこもりへと移行する最大の理由は、「抜け出し方が分からない」ことにあります。つまり、「戻れる方法がある」と気づき、「やってみよう」と思える環境を整えることが必要なのです。
ここで重要なのは、「すぐに学校へ行かせる」ことが目的ではない、という点です。むしろ、まずはお子様が「学校に戻ることができる自分」をイメージできるようになることが最優先なのです。
「戻れる場所がある」と知ることの大切さ
長期間学校から離れていると、子どもは「自分の居場所はもうないのではないか?」と考えてしまいがちです。特に、「友達はどう思っているのだろう」「先生に怒られるかもしれない」といった不安があると、余計に学校へ戻る決断が難しくなります。
しかし、学校は決して「戻れない場所」ではありません。学校側も、不登校の子どもたちを受け入れるためのサポート体制を整えている場合が多く、復帰へのハードルは決して乗り越えられないものとは限りません。
そのためには、保護者の皆様がまず、「うちの子もきっと戻れる」と信じることが大切です。そして、そのためのサポートを適切なタイミングで受けることが、スムーズな再登校への鍵となります。
親だけで抱え込まないことの重要性
不登校や引きこもりの問題は、親子だけで解決しようとすると非常に困難です。親としては、「どう接すればいいのか分からない」「強く言って悪化するのが怖い」と感じることも多いでしょう。しかし、それでも何かアクションを起こさなければ、お子様が変わるきっかけは訪れません。
本記事では、引きこもりの実態についても詳しく紹介しています。ご興味のある方はぜひご参照ください。


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