備蓄米、長崎県内でも販売…離島の3店舗で5キロ1980円「後回しかと思っていた」
随意契約で売り渡された政府備蓄米の店頭販売が4日、長崎県内でも始まった。コスモス薬品(福岡市)は壱岐、対馬、五島各市の計3店舗でそれぞれ、2022年産1袋5キロ入りを1980円で80袋販売。1人1点の購入制限を設けたが、どの店舗でも昼ごろまでに売り切れた。 同日は他に福岡県内のほぼ全ての201店舗と大分、佐賀両県の一部店舗で販売。同社によると、随意契約による備蓄米の販売は九州では初めてとみられる。 五島市吉久木町のドラッグストアコスモス吉久木店では、午前9時の開店からコメ売り場の特設カートに陳列。開店直後から見つけた客が次々と手に取り、午前10時15分ごろ完売した。谷尾栄友店長は「コメの高騰に困るお客さんから、何とかならないかという声はあった」と語った。 店の入り口に「令和4年産 備蓄米 入荷待ち」と掲げられた張り紙を見た30代の女性は「西の端の五島にも来るなんて。後回しかと思っていた」と驚いた様子だった。 対馬市美津島町の美津島店では、午前11時半ごろ完売。宮脇啓輔店長によると、購入制限を守らず複数購入しようとする客もいた。宮脇店長は入荷に驚いたとし、「一人でも多くの方に届けられたら」と話した。壱岐店(壱岐市郷ノ浦町)は正午ごろ売り切れた。 同社は22年産2万トンを随意契約で確保している。行列などの混乱を避けるため発売日の事前告知はしなかった。3店舗での次回の販売は未定。県内の別店舗では今月上・中旬にも販売する見通し。同社の担当者は「(買い物客の)選択肢の一つとして、入荷でき次第、販売していきたい」とした。