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金子みすゞの娘・ふさえさん、上戸彩主演ドラマに「生きてきてよかった」と感涙

 TBS系で7月9日に放送されるドラマ特別企画『金子みすゞ物語-みんなちがって、みんないい-』。25日に同局内で行われた試写会に出席した金子みすゞの長女・上村ふさえさん(85)は「いろいろ思い出して、感無量。生きてきてよかった」と涙を浮かべた。

金子みすゞの娘、上村ふさえさん(左)とTBSの石井ふく子プロデューサー(右)

金子みすゞの娘、上村ふさえさん(左)とTBSの石井ふく子プロデューサー(右)

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 昨年の東日本大震災後に注目された「こだまでしょうか」の詩などで知られる童謡詩人・金子みすゞの波乱万丈の生涯をドラマ化。みすゞ役に女優・上戸彩、実の弟ながらそうとは知らずにみすゞを愛してしまう正祐役に今井翼が扮し、二人の純愛を軸に描いていく。

 みすゞが紡ぎ出した詩を散りばめながら、青春時代から大人の女性へ、妻、そして母となる過程で、弟への想い、親友の死、夫の失業、病気など、さまざまな困難のなかでもたくましく生きたみすゞの人間像を浮き彫りにする。

 ふさえさんは、1926年(大正15年)11月14日に生まれたが、3歳の時に母・みすゞが26歳という若さで死去。幼すぎて、母の記憶がないというふさえさんは「ずっと母に置いていかれた子だと思っていた。詩人だから死んだのだと思っていた。今となっては、母の愛情もわかってよかったと思う」と話した。

 みすゞの存在は、彼女の死後、1984年に矢崎節夫氏(現・金子みすゞ記念館館長)が彼女の埋もれていた遺稿を見つけだし、『金子みすゞ全集』として出版、人物についての研究が進むまで、半世紀ちかう、歴史の中に埋没していた。ふさえさんも「母の形見の手帳に気づかなかった」と、50歳を過ぎるまで、実の母のことをよく知らずに生きてきたのだった。

 同ドラマの監修も務める矢崎氏は、「あなたがいてくれるから、私がいる、どちらも大切というみすゞさんのまなざしが、今すごく広がっているとおもいます」としみじみ。ドラマ化されるなど、語り継がれる存在となり、矢崎氏は「みすゞさんが亡くなって80年が過ぎますが、亡くなった人のことをどれだけの人が思い出すか。亡くなることは人の心の中で生きるってことなんだな」と思いを巡らせた。

 また、企画した石井ふく子プロデューサーも「自分の作ったドラマで泣いたことはあまりないんですが、いろいろなことを思い出して泣いてしまいました」。実は石井プロデューサーはふさえさんと同い年、名前も同じ「ふーちゃん」、そして母親も同い年で、「不思議なご縁でしょうか」。「TBSに入って今年で53年目、ずっと家族のドラマを作っていきた。命のつながり、生きるということ、家族の優しさを感じていただけたら」と話していた。

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  • 金子みすゞの娘、上村ふさえさん(左)とTBSの石井ふく子プロデューサー(右)
  • TBS系ドラマ『金子みすゞ物語-みんなちがって、みんないい-』の完成試写会に集まった(左から)演出の清弘誠氏、上村ふさえさん、石井ふく子プロデューサー、矢崎節夫
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