大川原化工機えん罪事件 2審判決 都と国 上告しない方向で検討

横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の社長ら3人が不正輸出の疑いで逮捕され、その後無実が明らかになったえん罪事件をめぐり、警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認めて賠償を命じた民事裁判の2審の判決について、都と国が上告しない方向で検討を進めていることが関係者への取材でわかりました。都と国は上告の期限となる今月11日までに最終的な判断をすることにしています。

横浜市の化学機械メーカー「大川原化工機」の大川原正明社長など幹部3人は5年前、軍事転用が可能な機械を中国などに不正に輸出した疑いで逮捕、起訴されましたが、その後、起訴が取り消され、無実が明らかになりました。

この捜査について社長らは「違法な捜査で苦痛を受けた」などと訴える民事裁判を起こし、2審の東京高等裁判所は5月、合理的な根拠が無いのに逮捕や起訴に踏み切ったなどとして、1審に続いて警視庁公安部と検察の捜査の違法性を認め、都と国にあわせて1億6600万円余りの賠償を命じる判決を言い渡しました。

この判決について、都と国が最高裁判所に上告しない方向で検討を進めていることが関係者への取材でわかりました。

都と国は今後、調整を進め、上告の期限となる今月11日までに最終的な判断をすることにしています。

あわせて読みたい

スペシャルコンテンツ