昨春の統一地方選に結婚前の旧姓で立候補し初当選した山北町の女性町議が、戸籍上の姓での議員活動を余儀なくされている。同町議会事務局によると、旧姓を含む公選法上の通称を議員氏名として使う際の規則がないためという。衆参両院や県議会などは通称使用を認めているが、同町と同様に対応が定まっていない県内地方議会も多い。問題提起に対して同町議会事務局は今後の検討の余地はあるとしており、この町議は見直しの動きにつながればと声を上げている。
当選後に「名前」が変わったのは、昨年4月の同町議選で初当選した山田(旧姓冨田)陽子さん(35)。町内で林業を営む山田さんは、2018年6月の結婚後も旧姓で仕事を続け、議員としても旧姓での活動を考えていた。
公選法は、旧姓や芸名などの通称を選挙活動で使うことを認めている。山田さんは立候補の届け出に合わせて「冨田陽子」の使用を同町選挙管理委員会に申請し、承認された。
ところが当選後、同町議会事務局から旧姓ではなく戸籍名を議員氏名とすることを求められた。同町議会事務局は、これまで議会で前例がなく、通称使用に関する規則がないことなどを理由に挙げている。
山田さんは「選挙で使えたのに、まさか当選後に使えなくなるなんて」とショックを隠せない。選挙ポスターで「冨田陽子」としていた名前は当選後、同町議会発行の「議会だより」などでは「山田陽子」と記載されるようになった。有権者からは「あれ、冨田さんじゃないの」「山田になったの」などと声を掛けられたという。