2024年12月、JR東日本は今後10年以内の実現を目指す新たなサービスの計画を明らかにした。
計画の名称は「Suica Renaissance」。
直訳で「再興」や「再生」を意味する。
2001年に誕生後、カードの発行枚数は1億1231万枚にのぼり、スマートフォンと連動した「モバイルSuica」は3347万台に到達した。
Suica次の戦略は JR東日本社長に聞く
2001年、タッチ決済の導入で鉄道利用のあり方を大きく変えた「Suica」。
それから20年あまり。コード決済の台頭に加え、クレジットカード対応の改札機が急拡大する中、かつての圧倒的な優位性は薄れつつある。
“反転攻勢”に打って出るSuicaの新戦略をJR東日本の喜勢陽一社長に聞いた。
(経済部記者 牧野慎太朗)
それから20年あまり。コード決済の台頭に加え、クレジットカード対応の改札機が急拡大する中、かつての圧倒的な優位性は薄れつつある。
“反転攻勢”に打って出るSuicaの新戦略をJR東日本の喜勢陽一社長に聞いた。
(経済部記者 牧野慎太朗)
Suica 次の10年計画
2024年12月、JR東日本は今後10年以内の実現を目指す新たなサービスの計画を明らかにした。
計画の名称は「Suica Renaissance」。
直訳で「再興」や「再生」を意味する。
2001年に誕生後、カードの発行枚数は1億1231万枚にのぼり、スマートフォンと連動した「モバイルSuica」は3347万台に到達した。
計画の名称は「Suica Renaissance」。
直訳で「再興」や「再生」を意味する。
2001年に誕生後、カードの発行枚数は1億1231万枚にのぼり、スマートフォンと連動した「モバイルSuica」は3347万台に到達した。
Q. なぜ、いまSuicaを「再興」、「再生」させる計画を発表したのですか。
「Suicaは、移動のデバイスとして導入当時、タッチをするというのは革新的で、その時点では非常に利便性が高いモノでしたが、基本的に2001年から利便性は大きく変わっていなかった。Suicaは、もっと伸ばせるのに、なぜやらないのかという発想があり、『移動のデバイス』から『生活のデバイス』に進化させようと考えた」
Q. Suicaをどのように変えていきますか。
「Suicaは、いまお客様にご不便をかけていることが3つある。
1つは、タッチしなければいけないこと。大きな荷物を持っていたり、ベビーカーを押していたりすると、1回立ち止まってタッチしないといけない。2つ目が上限2万円までしか使えないこと。鉄道利用には十分だが、電子マネーとして、例えば商業施設で5万円の洋服を買いたい時に使えない。3つ目は、事前にチャージしないといけないこと。
この3つのご不便を解消することが出発点になる。タッチすら不要な「ウォークスルー改札」を開発するほか、コード決済導入による2万円を超えた電子マネーの利用を開始し、そしてクレジットカードと銀行口座をひも付けることで事前にチャージする手間をなくしていく」
1つは、タッチしなければいけないこと。大きな荷物を持っていたり、ベビーカーを押していたりすると、1回立ち止まってタッチしないといけない。2つ目が上限2万円までしか使えないこと。鉄道利用には十分だが、電子マネーとして、例えば商業施設で5万円の洋服を買いたい時に使えない。3つ目は、事前にチャージしないといけないこと。
この3つのご不便を解消することが出発点になる。タッチすら不要な「ウォークスルー改札」を開発するほか、コード決済導入による2万円を超えた電子マネーの利用を開始し、そしてクレジットカードと銀行口座をひも付けることで事前にチャージする手間をなくしていく」
「まずことし秋に新幹線で顔認証技術を使ったウォークスルー改札の実証実験を始める。その後は顔認証ではなく、通信のやりとりや、GPS機能を使うことで、Suicaを持っていれば手ぶらで駅の中と外を行き来できるようにする。改札機という概念やタッチという概念をなくす。どういう通信の方法があるのか、3つか4つ候補があるので、その中から絞り込む実証実験を2027年度にやりたい」
クレジットカード改札が急拡大、移動情報の争奪戦も
全国的に普及した交通系ICカードだが、足もとではクレジットカードをタッチすることで通過できる改札機が登場。
訪日客の増加を背景に、カード会社が全国の鉄道会社と次々と提携し、クレジットカード1枚で利用できる路線が拡大している。
これは、これまで交通系ICカードがほぼ独占していた「移動情報」をカード会社が取得することを意味する。
JR東日本同様に、カード会社も「移動情報」を加工し、鉄道会社などに販売する事業を始めている。
訪日客の増加を背景に、カード会社が全国の鉄道会社と次々と提携し、クレジットカード1枚で利用できる路線が拡大している。
これは、これまで交通系ICカードがほぼ独占していた「移動情報」をカード会社が取得することを意味する。
JR東日本同様に、カード会社も「移動情報」を加工し、鉄道会社などに販売する事業を始めている。
Q. 「移動情報」の重要性についての認識をお聞かせください。
「Suicaを通じた移動情報や買い物情報は、マーケティングを行う上で貴重な経営資源。買い物情報は、商品名まではわからないが、何時に、どこで、いくらの物を買ったかはわかる。この情報を活用して、例えば駅の中にある、グループのコンビニでは、店ごとに商品構成や陳列のディスプレイを変えている」
Q. カード会社という競合相手の登場に危機感はありますか。
「これからどういう形でクレカ改札が進んでいくかはわからないが、移動情報という意味では、基幹のところはJR東日本がSuicaでカバーをしているので移動情報の質と量では、Suicaの優位性は変わらない。鉄道各社がクレカ改札を入れるかはそれぞれの戦略だが、われわれは経営資源をSuicaに投入し、『生活のデバイス』に育てていく。クレカと対抗するというわけではないが、Suicaの優位性を高めていきたい。
2025年3月には、訪日客向けのモバイルSuicaをつくり、日本に到着後、3分あれば利用できる。秋からは新幹線や在来特急の予約も一部でできるようになるほか、鉄道遅延情報や観光情報も受け取れるようになる。これはクレカには絶対できないことだ」
2025年3月には、訪日客向けのモバイルSuicaをつくり、日本に到着後、3分あれば利用できる。秋からは新幹線や在来特急の予約も一部でできるようになるほか、鉄道遅延情報や観光情報も受け取れるようになる。これはクレカには絶対できないことだ」
Q. 一方で、熊本県内のバス事業者が更新費用の高さなどから、交通系ICカードの読み取り機を廃止し、クレカ対応の機器を導入する動きもあります。
「処理速度の早いシステムを作っているので、いろんな意味で大きなシステムになっていて、これを更新すると相応の費用がかかる。交通系ICカードの新規導入には補助金が出るが、更新時には補助金が出ないことも影響していると思う。今後10年以内に、Suicaの処理データをセンターサーバーで管理する新たなプラットフォームを作る予定で、これにより更新費用が現在の半分以下に抑えられるようになる」
鉄道事業と生活ソリューション事業の2本柱で
人口減少で長期的な鉄道利用者の減少が見込まれる中、JR東日本は、鉄道以外の生活ソリューション事業を2本目の経営の柱として育てる方針で、Suicaは2つの事業をつなぐ存在になるという。
「2つの事業を成長させるためには統一的にするプラットフォームが絶対的に必要だと考えていた。移動や決済のデバイスというだけでなく、行政サービスや医療サービスとも連携した認証のカードにしたい。買い物もできるマイナンバーカードというイメージだ。
例えばマイナンバーカードと連携することで、独自の認証を必要としたサービスができる。群馬県でやっているのは、65歳以上の市民を対象にしたオンデマンドの交通割引で、マイナンバーカードと連携することでタッチすると、この方は65歳以上だとわかる。自動的に割り引きすることができるようになる。
また、サブスクリプションサービスも、その1つ。いまの定期券はA地点とB地点を結ぶ形だが、例えば大宮駅を中心としてある一定範囲の中で月いくらと設定し、その範囲であればその料金の中で乗り降りができるようにする。駅構内のコーヒーショップやコンビニ、テレワークブースも利用できるという鉄道とそれ以外を組み合わせたサービス提供を構想している。駅の中で3000円以上買い物をすれば、帰りのグリーン券はタダで差し上げますという組み合わせ方もある。
祖業は鉄道事業なので、大切にしたい。鉄道事業も成長させる余地はあると思うが、これからの厳しい経営環境の中で鉄道1軸の経営のぜい弱性は、コロナの時によくわかった。もう1軸経営を支える柱を作っていきたい、その意味で生活ソリューション事業はこれからどんどん伸ばしていく」
例えばマイナンバーカードと連携することで、独自の認証を必要としたサービスができる。群馬県でやっているのは、65歳以上の市民を対象にしたオンデマンドの交通割引で、マイナンバーカードと連携することでタッチすると、この方は65歳以上だとわかる。自動的に割り引きすることができるようになる。
また、サブスクリプションサービスも、その1つ。いまの定期券はA地点とB地点を結ぶ形だが、例えば大宮駅を中心としてある一定範囲の中で月いくらと設定し、その範囲であればその料金の中で乗り降りができるようにする。駅構内のコーヒーショップやコンビニ、テレワークブースも利用できるという鉄道とそれ以外を組み合わせたサービス提供を構想している。駅の中で3000円以上買い物をすれば、帰りのグリーン券はタダで差し上げますという組み合わせ方もある。
祖業は鉄道事業なので、大切にしたい。鉄道事業も成長させる余地はあると思うが、これからの厳しい経営環境の中で鉄道1軸の経営のぜい弱性は、コロナの時によくわかった。もう1軸経営を支える柱を作っていきたい、その意味で生活ソリューション事業はこれからどんどん伸ばしていく」
Q. JR東日本、一言で言えばどのような会社になっていきますか。
「総合生活創造企業。お客様が生活をする上で、意識するかしないかに関わらず、われわれのサービスをなんらかの形で利用していただく、そういう企業を目指す。それを支えるのがSuica。Suicaによってお客様の生活は大きく変わる。ライバルはたくさんいるが、とにかく利便性を、スピード感を上げて拡大することによってほかのライバルにはできないサービスをすることで勝っていきたい」
取材後記
「あたりまえを超えていく」
記者会見の場などで喜勢陽一社長が繰り返し述べることばだ。
紙の切符から改札でのタッチへ。
Suicaの登場は改札の“あたりまえ”を超えたものだった。
しかし、いまはそのタッチ自体が“あたりまえ”となった。
JR東日本が進める次の10年の計画で利用者が“超えた”と再び実感できるのか、計画で示された数多くの新サービスに期待が掛かっている。
(6月10日「おはBiz」で放送予定)
記者会見の場などで喜勢陽一社長が繰り返し述べることばだ。
紙の切符から改札でのタッチへ。
Suicaの登場は改札の“あたりまえ”を超えたものだった。
しかし、いまはそのタッチ自体が“あたりまえ”となった。
JR東日本が進める次の10年の計画で利用者が“超えた”と再び実感できるのか、計画で示された数多くの新サービスに期待が掛かっている。
(6月10日「おはBiz」で放送予定)
経済部記者
牧野慎太朗
2015年入局
宮崎局、長野局、首都圏局を経て現所属
現在は国土交通省を担当
牧野慎太朗
2015年入局
宮崎局、長野局、首都圏局を経て現所属
現在は国土交通省を担当
ビジネス
特集 Suica次の戦略は JR東日本社長に聞く
2001年、タッチ決済の導入で鉄道利用のあり方を大きく変えた「Suica」。
それから20年あまり。コード決済の台頭に加え、クレジットカード対応の改札機が急拡大する中、かつての圧倒的な優位性は薄れつつある。
“反転攻勢”に打って出るSuicaの新戦略をJR東日本の喜勢陽一社長に聞いた。
(経済部記者 牧野慎太朗)
Suica 次の10年計画
Q. なぜ、いまSuicaを「再興」、「再生」させる計画を発表したのですか。
「Suicaは、移動のデバイスとして導入当時、タッチをするというのは革新的で、その時点では非常に利便性が高いモノでしたが、基本的に2001年から利便性は大きく変わっていなかった。Suicaは、もっと伸ばせるのに、なぜやらないのかという発想があり、『移動のデバイス』から『生活のデバイス』に進化させようと考えた」
Q. Suicaをどのように変えていきますか。
「Suicaは、いまお客様にご不便をかけていることが3つある。
1つは、タッチしなければいけないこと。大きな荷物を持っていたり、ベビーカーを押していたりすると、1回立ち止まってタッチしないといけない。2つ目が上限2万円までしか使えないこと。鉄道利用には十分だが、電子マネーとして、例えば商業施設で5万円の洋服を買いたい時に使えない。3つ目は、事前にチャージしないといけないこと。
この3つのご不便を解消することが出発点になる。タッチすら不要な「ウォークスルー改札」を開発するほか、コード決済導入による2万円を超えた電子マネーの利用を開始し、そしてクレジットカードと銀行口座をひも付けることで事前にチャージする手間をなくしていく」
1つは、タッチしなければいけないこと。大きな荷物を持っていたり、ベビーカーを押していたりすると、1回立ち止まってタッチしないといけない。2つ目が上限2万円までしか使えないこと。鉄道利用には十分だが、電子マネーとして、例えば商業施設で5万円の洋服を買いたい時に使えない。3つ目は、事前にチャージしないといけないこと。
この3つのご不便を解消することが出発点になる。タッチすら不要な「ウォークスルー改札」を開発するほか、コード決済導入による2万円を超えた電子マネーの利用を開始し、そしてクレジットカードと銀行口座をひも付けることで事前にチャージする手間をなくしていく」
「まずことし秋に新幹線で顔認証技術を使ったウォークスルー改札の実証実験を始める。その後は顔認証ではなく、通信のやりとりや、GPS機能を使うことで、Suicaを持っていれば手ぶらで駅の中と外を行き来できるようにする。改札機という概念やタッチという概念をなくす。どういう通信の方法があるのか、3つか4つ候補があるので、その中から絞り込む実証実験を2027年度にやりたい」
クレジットカード改札が急拡大、移動情報の争奪戦も
全国的に普及した交通系ICカードだが、足もとではクレジットカードをタッチすることで通過できる改札機が登場。
訪日客の増加を背景に、カード会社が全国の鉄道会社と次々と提携し、クレジットカード1枚で利用できる路線が拡大している。
これは、これまで交通系ICカードがほぼ独占していた「移動情報」をカード会社が取得することを意味する。
JR東日本同様に、カード会社も「移動情報」を加工し、鉄道会社などに販売する事業を始めている。
訪日客の増加を背景に、カード会社が全国の鉄道会社と次々と提携し、クレジットカード1枚で利用できる路線が拡大している。
これは、これまで交通系ICカードがほぼ独占していた「移動情報」をカード会社が取得することを意味する。
JR東日本同様に、カード会社も「移動情報」を加工し、鉄道会社などに販売する事業を始めている。
Q. 「移動情報」の重要性についての認識をお聞かせください。
「Suicaを通じた移動情報や買い物情報は、マーケティングを行う上で貴重な経営資源。買い物情報は、商品名まではわからないが、何時に、どこで、いくらの物を買ったかはわかる。この情報を活用して、例えば駅の中にある、グループのコンビニでは、店ごとに商品構成や陳列のディスプレイを変えている」
Q. カード会社という競合相手の登場に危機感はありますか。
「これからどういう形でクレカ改札が進んでいくかはわからないが、移動情報という意味では、基幹のところはJR東日本がSuicaでカバーをしているので移動情報の質と量では、Suicaの優位性は変わらない。鉄道各社がクレカ改札を入れるかはそれぞれの戦略だが、われわれは経営資源をSuicaに投入し、『生活のデバイス』に育てていく。クレカと対抗するというわけではないが、Suicaの優位性を高めていきたい。
2025年3月には、訪日客向けのモバイルSuicaをつくり、日本に到着後、3分あれば利用できる。秋からは新幹線や在来特急の予約も一部でできるようになるほか、鉄道遅延情報や観光情報も受け取れるようになる。これはクレカには絶対できないことだ」
2025年3月には、訪日客向けのモバイルSuicaをつくり、日本に到着後、3分あれば利用できる。秋からは新幹線や在来特急の予約も一部でできるようになるほか、鉄道遅延情報や観光情報も受け取れるようになる。これはクレカには絶対できないことだ」
Q. 一方で、熊本県内のバス事業者が更新費用の高さなどから、交通系ICカードの読み取り機を廃止し、クレカ対応の機器を導入する動きもあります。
「処理速度の早いシステムを作っているので、いろんな意味で大きなシステムになっていて、これを更新すると相応の費用がかかる。交通系ICカードの新規導入には補助金が出るが、更新時には補助金が出ないことも影響していると思う。今後10年以内に、Suicaの処理データをセンターサーバーで管理する新たなプラットフォームを作る予定で、これにより更新費用が現在の半分以下に抑えられるようになる」
鉄道事業と生活ソリューション事業の2本柱で
人口減少で長期的な鉄道利用者の減少が見込まれる中、JR東日本は、鉄道以外の生活ソリューション事業を2本目の経営の柱として育てる方針で、Suicaは2つの事業をつなぐ存在になるという。
「2つの事業を成長させるためには統一的にするプラットフォームが絶対的に必要だと考えていた。移動や決済のデバイスというだけでなく、行政サービスや医療サービスとも連携した認証のカードにしたい。買い物もできるマイナンバーカードというイメージだ。
例えばマイナンバーカードと連携することで、独自の認証を必要としたサービスができる。群馬県でやっているのは、65歳以上の市民を対象にしたオンデマンドの交通割引で、マイナンバーカードと連携することでタッチすると、この方は65歳以上だとわかる。自動的に割り引きすることができるようになる。
また、サブスクリプションサービスも、その1つ。いまの定期券はA地点とB地点を結ぶ形だが、例えば大宮駅を中心としてある一定範囲の中で月いくらと設定し、その範囲であればその料金の中で乗り降りができるようにする。駅構内のコーヒーショップやコンビニ、テレワークブースも利用できるという鉄道とそれ以外を組み合わせたサービス提供を構想している。駅の中で3000円以上買い物をすれば、帰りのグリーン券はタダで差し上げますという組み合わせ方もある。
祖業は鉄道事業なので、大切にしたい。鉄道事業も成長させる余地はあると思うが、これからの厳しい経営環境の中で鉄道1軸の経営のぜい弱性は、コロナの時によくわかった。もう1軸経営を支える柱を作っていきたい、その意味で生活ソリューション事業はこれからどんどん伸ばしていく」
例えばマイナンバーカードと連携することで、独自の認証を必要としたサービスができる。群馬県でやっているのは、65歳以上の市民を対象にしたオンデマンドの交通割引で、マイナンバーカードと連携することでタッチすると、この方は65歳以上だとわかる。自動的に割り引きすることができるようになる。
また、サブスクリプションサービスも、その1つ。いまの定期券はA地点とB地点を結ぶ形だが、例えば大宮駅を中心としてある一定範囲の中で月いくらと設定し、その範囲であればその料金の中で乗り降りができるようにする。駅構内のコーヒーショップやコンビニ、テレワークブースも利用できるという鉄道とそれ以外を組み合わせたサービス提供を構想している。駅の中で3000円以上買い物をすれば、帰りのグリーン券はタダで差し上げますという組み合わせ方もある。
祖業は鉄道事業なので、大切にしたい。鉄道事業も成長させる余地はあると思うが、これからの厳しい経営環境の中で鉄道1軸の経営のぜい弱性は、コロナの時によくわかった。もう1軸経営を支える柱を作っていきたい、その意味で生活ソリューション事業はこれからどんどん伸ばしていく」
Q. JR東日本、一言で言えばどのような会社になっていきますか。
「総合生活創造企業。お客様が生活をする上で、意識するかしないかに関わらず、われわれのサービスをなんらかの形で利用していただく、そういう企業を目指す。それを支えるのがSuica。Suicaによってお客様の生活は大きく変わる。ライバルはたくさんいるが、とにかく利便性を、スピード感を上げて拡大することによってほかのライバルにはできないサービスをすることで勝っていきたい」
取材後記
「あたりまえを超えていく」
記者会見の場などで喜勢陽一社長が繰り返し述べることばだ。
紙の切符から改札でのタッチへ。
Suicaの登場は改札の“あたりまえ”を超えたものだった。
しかし、いまはそのタッチ自体が“あたりまえ”となった。
JR東日本が進める次の10年の計画で利用者が“超えた”と再び実感できるのか、計画で示された数多くの新サービスに期待が掛かっている。
(6月10日「おはBiz」で放送予定)
記者会見の場などで喜勢陽一社長が繰り返し述べることばだ。
紙の切符から改札でのタッチへ。
Suicaの登場は改札の“あたりまえ”を超えたものだった。
しかし、いまはそのタッチ自体が“あたりまえ”となった。
JR東日本が進める次の10年の計画で利用者が“超えた”と再び実感できるのか、計画で示された数多くの新サービスに期待が掛かっている。
(6月10日「おはBiz」で放送予定)
経済部記者
牧野慎太朗
2015年入局
宮崎局、長野局、首都圏局を経て現所属
現在は国土交通省を担当
牧野慎太朗
2015年入局
宮崎局、長野局、首都圏局を経て現所属
現在は国土交通省を担当