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7割の女性がマッチョ好き「恋愛意欲や結婚意欲だけでなく幸福度を爆上げするキンリョクの重要性とは?」

荒川和久独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター
写真:イメージマート

7割の女性がマッチョ好き

ENSPORTS magazineを運営する株式会社ORGOが実施した「マッチョな男性に関するアンケート調査」によれば、7割の女性が「マッチョ好き」と回答している。勿論、これはボディビルダーのようなゴリマッチョを指しているのではなく、いわゆる普通の体型でありながら鍛えられた身体をしている細マッチョを指していると思われる。

その理由としては「頼りがいがありそう」「健康そう」「自己管理ができていそうで信用できる」などがあげられている。

とはいえ、世の中の男たちの7割が筋トレをしているわけではない。

内閣府の2021年「社会生活基本調査」のスポーツに関する行動率調査によれば、そもそも「筋トレ」をしている割合は20代男性で3割弱しかいない。そして、年代があがるとともにその割合は低下する。

では、その数少ない3割の筋トレをしているマッチョ男は、実際の恋愛において優位性を保持しているのだろうか。

筋トレの有無で恋愛力が違う

未婚の20-50代男性を対象に、筋トレ習慣の有無で未婚男性の恋愛率について検証しよう。あわせて、筋トレの有無で結婚意欲や「子どもをほしい」と思う気持ちに差があるのかもあわせて比較したものが以下のグラフである。

(C)ソロ経済・文化研究所 荒川和久
(C)ソロ経済・文化研究所 荒川和久

確かに、筋トレ群の方が恋愛相手がいる割合は高い。20代で筋トレ群は49%に対し、非筋トレ群は34%、30代でも筋トレ群は36%に対し、非筋トレ群は24%に過ぎない。20代で14%ポイント、30代でも12%ポイントも筋トレ群の方が高い。

常々「恋愛強者3割の法則」と言っているが、恋愛力のある割合はせいぜい3割なので、筋トレをしている男性は恋愛力の不足分を筋力で補っているとも言えるかもしれない。

加えて、筋トレ群は「自分から女性にアプローチできる」割合が非筋トレ群よりも高い。当然、アプローチしたからといって必ず成功するわけではないが、筋トレ群は「(トレーニングを)やるかやらないかで迷うなら、とりあえずやっておく」というメンタリティがあるので、恋愛の告白など苦も無くアクションできるとも考えられる。

筋トレは幸福度を高める

筋トレ群の方は、結婚にも前向きで20代で61%もある、これは非筋トレ群の46%と比較しても15%ポイントも高い数字である。さらに「子どもがほしい」と思っている割合も筋トレ群は65%で、非筋トレ群の46%より断然高い。

何より、幸福度が筋トレ群の方が断然高い。

グラフからは割愛しているが、筋トレ群は、非筋トレ群よりも「自分に自信がある」割合も高く、仕事に対する充実度も高い。筋トレをしている若い未婚男性ほど、QOL(クオリティ オブ ライフ・生活満足度)が高いということになる。そうしたことが、筋トレ群の幸福度そのものを非筋トレ群より20%ポイントも高めているのだろう。

よく巷で「結婚すればしあわせになれる」などと言われるが、あれは因果が逆で、「しあわせな人間だからこそ結婚という道が目の前に開ける」だけの話である。よくよく考えれば当たり前で、不幸感満載な顔をした人と恋愛や結婚をしようなどとは誰も思わないだろう。

勿論、しあわせな人間がすべて結婚するものではないが、不幸であれば、たとえ目の前にその選択肢が存在していたとしても目に入らず、それを吟味する余裕すらないはずだ。

筋力アップが少子化対策?

筋トレなどの抵抗運動をすることは、男性ホルモンであるテストステロンを増加させる効果があるといわれている。

テストステロンは、筋肉の増加だけではなく、骨密度の維持にも関係し、脂肪燃焼にも寄与するが、あわせて「生きる活力」「生気」「気持ちの張り」といった、バイタリティを高める作用がある。つまり、身体と心の両方にプラスをもたらしてくれるものなのだ。

筋トレしている群の幸福度が高くなるのも科学的に根拠のある話なのである。

つまり、筋トレする男性は、そうでない男性と比べて、恋愛や結婚意欲、子どもを希望する意欲も高く、能動的で自分に自信があり、毎日の生活が充実していて幸福度が高いということになる。ならば、世の未婚男性が筋トレするようになれば、少子化の原因である婚姻減も解消されるのではないか。

そう考えると、婚姻減少に悩む自治体は官製婚活やマッチングアプリなどに補助金を出すよりも、地域の男性全員に対する「筋トレ補助金」を出した方が、結果として婚姻増になったりするのではないだろうか。

「筋肉が少子化を救う」のだ。

畑に種をまかなければ何も生まれない

とはいえ、物事はそんな単純にはいかない。

男性が筋トレをしてマッチョになれば恋愛相手も見つかり、幸福度もあがり、結婚意欲も高まるという因果があるわけではない。

年収別の筋トレ率を見てみると、どの年代も年収が高いほど筋トレ率が高い傾向にある。つまり、筋トレしたから恋愛相手が見つかったり、幸福度があがったりしたのではなく、元々お金と時間の余裕があるからこそ筋トレをしているのだ。

逆にいえば、経済的に不安を抱えた状態であれば、筋トレなどしようとする気すらわかないのである。

(C)ソロ経済・文化研究所 荒川和久
(C)ソロ経済・文化研究所 荒川和久

現代の少子化は婚姻減がすべてで、それも20代の中間層年収帯の婚姻の激減に尽きることは繰り返しお伝えしてきている。逆に言えば、経済上位層は令和の若者も40年前の若者も結婚する割合は変わっていない。なんなら長期的な経済安定性のある公務員の未婚率は以前より改善されているくらいである。

この中間層以下の若者の経済環境の改善なしには、少子化は今後も改善されることはないだろう。

結局のところ「キンリョク」は大事なのだが、それは「筋力」ではなく「金力」なのである。

アーノルド・シュワルツェネッガーがこんなことを言っている(意訳)。

「いくらトレーニングに励んでも、正しい食事を摂らなければ何もならない。畑を一生懸命に耕しても、地面に種を蒔かなければ何も生まれてこないのと同じことだ」

提供:イメージマート

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独身研究家/コラムニスト/マーケティングディレクター

広告会社において、数多くの企業のマーケティング戦略立案やクリエイティブ実務を担当した後、「ソロ経済・文化研究所」を立ち上げ独立。ソロ社会論および非婚化する独身生活者研究の第一人者としてメディアに多数出演。著書に『「居場所がない」人たち』『知らないとヤバい ソロ社会マーケティングの本質』『結婚滅亡』『ソロエコノミーの襲来』『超ソロ社会』『結婚しない男たち』『「一人で生きる」が当たり前になる社会』などがある。

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